<地域資源活用関連>食べると行きたくなる。行くと食べたくなる。豊かな地域資源を2人にしかできない形でその魅力を地域内外へ発信! ジオガシ旅行団
- 所在地
- 〒415-0304 賀茂郡南伊豆町加納639
- 代表者
- 鈴木美智子
- 電話
- 0558-62-0085
- 設立
- 平成24年7月
- 事業内容
- お菓子を通じたPR企画業、お菓子の企画製造販売、体験プログラムツアー、コンサルタント
遊び心が新たなビジネスへ!
伊豆半島の各市町では、都心部への人口流出や地元産業の衰退により、少子高齢化、過疎化が深刻化している。一方で、当地には豊かな自然が広がり、国内有数の変化に富んだジオ(大地)の光景は、訪れる人々を魅了している。平成24年、伊豆半島は日本ジオパークに認定され、現在は、平成27年の世界ジオパーク認定に向けた活動が行われるなど、地域資源が見直されつつある。
伊豆半島のジオガイドをしている鈴木美智子氏と寺島春菜氏の2人は、「この土地の面白さをもっと知ってほしい。」という思いから、一見難しく思われがちなジオを身近なお菓子にした「ジオ菓子」を生み出した。平成24年には、ジオガシ旅行団を設立し、「ジオ菓子」をツールに地域内外へ伊豆半島の魅力を発信するべく活動を開始した。
2人だからこそ伝えられる思いのかたち
「ジオ菓子」は、ジオの風景を忠実に再現したお菓子を作る寺島氏と、その土地の魅力をパッケージデザインで表現する鈴木氏の2人によって誕生した。そのユニークな発想から多くの人を惹きつけ、今や県内外15箇所の販売店で取り扱われている。
食べた人は完成度の高さからジオに好奇心を抱き、現地へ行ってみたくなる。その気持ちをサポートするため、2人はジオガイドのスキルを生かして「ジオツアー」を開催し、現地でジオの魅力を参加者に伝えている。
2人の活動は地域へ人を呼び込むだけでなく、地域住民が地元の魅力を再認識し、誇りを持って暮らすきっかけにもなっている。まさしく2人だからこそ構築されたビジネスモデルであり、今後の動向が注目される。
起業後に直面した新たな課題(1)
「ジオ菓子」は、新たなビジネスモデルとして注目され、販売数を確実に伸ばしている。ここから生産コストの削減と、更なる販売数の増加を効率的に図るためには、今後どのようにしていったらよいだろうか?
<専門家によるアドバイス内容>
まずは全9種類ある「ジオ菓子」を主力商品5点に絞り込む。商品の「選択と集中」をすることで生まれる時間を使い、販売店に充実した販売促進のサポートを行う。こうすることで、販売数増加及び生産コスト削減が可能になり、将来的にはOEMによる生産増し、販路拡大の可能性も生まれる。
<アドバイス後の動き>
レギュラー販売商品を5種類に絞り、その他4種類は、全9種類のセット販売のみの提供に切り替え、これを機に、安定した生産ラインを確保していくことにした。また、販売店スタッフが同商品を販売しやすいように、同商品の解説書や販促POP等を送付し、販売促進に向けた販売店との連携強化の基盤を整えた。
起業後に直面した新たな課題(2)
今年は「ジオツアー」に力を注ぎたいと思っているが、「ジオ菓子」の製造や対応に追われ、「ジオツアー」の開催に注力できていない。今後どのように事業のバランスを整えていったらよいか?
<専門家によるアドバイス内容>
設立から2年、ツアーに対する断片的な強化にとどまらず、活動する中で見えてきた全体像を今一度整理し、事業全体に対するコンセプトと商品に対するコンセプトを見直す。まずは顧客に何を求められ、何を提供することができるのか。その答えがジオガシ旅行団のコンセプトであり、今後の意思決定をスムーズにする、ぶれない軸となっていく。
<アドバイス後の動き>
同社は当初事業コンセプトを「好奇心は本能」と掲げていたが、顧客からの視点で考え直し、「おいしい景色あります」という新しいコンセプトを見出した。それに対する「ジオ菓子」と「ジオツアー」の位置づけが明確に分かり、相乗効果をもたらす可能性を創出した。
ビジネスモデルに注目が集まると周囲から提供される情報が増加します。その情報をどう整理し、どのように対応するかは、ビジネスの基軸がしっかりしている事が重要です。
<担当専門家>
宮口巧氏(株式会社イワサキ経営/駿河増販情報センター)
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