第7回『「第5回静岡・シンガポールアグリフードフォーラム」を開催しました』

　静岡県が推進する先端農業プロジェクト「AOIプロジェクト」の海外展開の取組として、2024年11月22日、シンガポールにて「第5回静岡・シンガポールアグリフードフォーラム」を開催しました。私は、静岡県からの訪問団代表として、フォーラムに参加しました。

　フォーラムは、2018年度に締結したシンガポール共和国のテマセク工科大学等とのMOU（覚書）に基づくもので、農業・食品関連分野における連携を目的として、毎年度相互で開催しております。

　これまでのフォーラムの開催を通じ、静岡県とシンガポールの工科大学や現地企業との間では、先端農業技術に関する研究開発やビジネス展開、人材交流等の連携が進んでおります。今回のフォーラムでは、これらの取組を更に進めていくため、MOUも更新署名しました。

　シンガポールは、食料の9割を輸入に依存し、国策として現在10パーセント未満の食料自給率を2030年までに30パーセントに引き上げることを目指して、テクノロジーを活用した農業の取組を加速させています。シンガポールの農地は国土の1パーセントにも満たないため、食料自給率の向上のため、植物工場や屋上農園など効率的な取組が進められております。スマート農業を推進するAOIプロジェクトにおいても、海外展開を目指す本県企業との技術連携の促進により、ビジネス拡大を図るチャンスと捉えております。

　今回のフォーラムに本県からは、AOIプロジェクトに参画し、独自のAI機器でスマート農業を推進する企業や優れた品種改良技術を持つ企業、完全人工光型の植物工場を運営する企業にも御参加いただきました。パネルディスカッションやビジネスマッチングの成果発表などを通じて、革新的な先端技術をシンガポール国内の皆様に広く発信することができ、会場からは、本県企業の持つ技術や製品に対して多くの質問が寄せられるなど関心の高さがうかがえました。シンガポール企業との技術連携やビジネス展開が一段と加速していくことを期待しています。また、このフォーラム開催を契機に始まる県内企業の皆様の新しい取組を支援し、新たな農業ビジネスの創出につなげてまいります。