平成24年2月県議会定例会知事提案説明要旨2-1-3
平成24年2月県議会定例会知事提案説明要旨
【2.平成24当初予算案と組織定数の改編】
1.「“ふじのくに”の早期実現を目指し、5つの分野に重点化」
3.地震・津波対策
第3は、地震・津波対策であります。
東日本大震災が発生してから、1年が過ぎようとしておりますが、いまだ復興には程遠い状況にあります。被災地の皆様が一日も早く元の生活に戻ることができますよう、引き続き岩手県への職員派遣などを通じた支援を行ってまいります。1年の節目を機に、改めて県民の皆様の生命と財産を守ることが私どもの使命であると認識し、さらなる危機管理の充実を図る決意を新たにしたところであります。
津波対策につきましては、9月補正予算や12月補正予算などを活用して、「ふじのくに津波対策アクションプログラム(短期対策編)」に位置づけられた事業を前倒しして取り組んでまいりました。県民の皆様が安心して暮らせる津波に強いまちづくりを進めるため、防潮堤の整備や河川堤防、水門の耐震補強など、引き続き、事業の一層の前倒しを図ってまいります。市町が実施する津波対策に対しましても、大規模地震対策等総合支援事業の補助上限額を撤廃し、予算を上積みするなどの拡充により、積極的に支援してまいります。
また、昨年の東日本大震災では、従来別々に発生すると考えられていた複数の地震が連動して発生し、想定を大きく上回る被害が発生いたしました。このため、国では、南海トラフで発生する最大クラスの巨大地震の想定震源域と津波波源域の考え方を昨年末に公表し、これに伴う被害予測調査を実施しております。
県では、国の調査に基づき、新たな災害要因の分析や被害予測を取りまとめ、来年6月を目途に第4次地震被害想定を策定してまいります。
「ふじのくに津波対策アクションプログラム(中長期対策編)」は、この第4次地震被害想定を踏まえて、県独自で策定いたします。現行の地震対策アクションプログラムや地域防災計画など、従来の地震・津波対策につきましても全面的に見直し、県民の生命、財産を守るハード・ソフト両面にわたる諸施策に取り組んでまいります。
災害廃棄物の受け入れにつきましては、これまで岩手県の山田町(やまだまち)、大槌町(おおつちちょう)への支援として県内各市町に要請してまいりましたが、今月16日、島田市において山田町(やまだまち)の木材チップ約10トンの試験溶融が実施されました。
今回、本県独自の受入基準に沿って適切に確認したところ、災害廃棄物の放射性セシウム濃度1キログラム当たり100ベクレル以下という基準に対し、最大15.8ベクレルであったほか、放射線量も岩手県で2回、本県搬入時に1回測定したところ、全く問題のないレベルでありました。
島田市での試験溶融は、地元住民の皆様の目の前で行われ、桜井島田市長をはじめ、細野環境大臣、岩手県職員とともに、私も、自ら、コンテナ及び木材チップ周辺の放射線量の確認を行いました。この線量は、1時間当たり0.07マイクロシーベルトでバックグラウンドと同レベルであり、これによって、不安や風評被害をもたらす原因は払拭されました。また、運ばれてきて手にとった木材チップが、山田町(やまだまち)の人たちが暮らしてきた住宅、家財などを細かくしたものであるということを実感いたしました。
今後も、現在測定している溶融飛灰(ひばい)の放射能濃度などの結果について全て公表し、災害廃棄物の処理における安全性を広くお示しすることで、地元住民の皆様はもとより、県民の皆様の理解が深まるものと強く期待しております。
また、県市長会及び町村会も、試験焼却に向けた準備を進めることとなりましたことから、今後も各市町と連携しながら、災害廃棄物の広域処理にできる限りの協力をしてまいります。