平成31年2月県議会定例会知事提案説明要旨2-5-4

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ページID1010852  更新日 2023年1月13日

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平成31年2月県議会定例会知事提案説明要旨

【2.平成31年度当初予算案と組織定数の改編の基本方針の1つ目「人づくり・富づくりのための重点的な取組」】

(5)富をつくる産業の展開

4.農林水産業の競争力の強化

次に、農林水産業の競争力の強化についてであります。

TPP11(イレブン)や、日EU・EPAなどの発効を契機と捉え、農芸品とも呼べる高品質な農林水産物の生産拡大や、基盤整備、販路開拓を進め、本県農林水産業を国際競争力のある産業に転換し、本県経済を力強くリードする「攻めの農林水産業」を創出してまいります。

農業につきましては、AOI(アオイ)-PARC(パーク)を拠点とした、産学官金の多様な参画を得たオープンイノベーションにより、農業の飛躍的な生産性向上と農業を軸とした関連産業のビジネス展開を促進いたします。

また、ロボットやAI、IoT等の先端技術を活用したスマート農業の速やかな現場への普及を進めるため、実証農場において、最適な技術体系を構築してまいります。

お茶につきましては、茶業を取り巻く課題に対応した茶業振興を図るため、静岡県製茶指導取締条例を廃止するとともに、新たな茶業振興策と、お茶に対するいわゆる着味着色の規制を盛り込んだ「静岡県茶業振興条例」を制定することとし、今議会にお諮りしているところであります。今後、この条例に基づき、新しいお茶振興施策を展開するとともに、静岡茶の評価の維持向上や、信頼の確保に努めてまいります。

また、建設から51年が経過した茶業研究センターにつきましては、日本一の「茶の都しずおか」の研究拠点としてふさわしい機能を検討し、新たな整備に向けた基本計画を、来年度中に策定してまいります。

農林業経営に革新を起こす人材を養成する農林環境専門職大学(仮称)につきましては、来年4月の開学まで、あと1年となりました。国の大学設置・学校法人審議会の審査への対応や、施設の整備、学生の募集など、開学に向けた準備を着実に進めてまいります。

林業につきましては、新ビジョンの目標である木材生産量50万立方メートルの達成に向けて、「伐って、植えて、育てる」という、林業本来のサイクルを再構築し、本県林業の成長産業化を加速してまいります。

木材の生産性の向上や、低コスト主伐・再造林を進めるとともに、一般住宅に加えて、公共施設やオフィスなどの非住宅分野の県産材利用を促進するなど、供給と需要の両面から、施策を展開してまいります。

また、来年度から、豊かな森林を国民一人ひとりが支える仕組みとして、新たに森林環境譲与税が配分されます。森林管理の主体となる市町の支援を行うとともに、きめ細かな就労促進や技術支援に取り組み、林業人材の確保・育成を進めてまいります。

水産業につきましては、水産業の振興、資源管理、人材確保を総合的に推進していくことが重要であります。このため、業界横断型の総合支援体制の構築や、漁業者等の新たなアイデアの実現を支援する助成制度の創設、漁業高等学園を核とした海技士確保対策の強化などに取り組み、水産王国静岡の持続的な発展を目指してまいります。