所信

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ページID1069977  更新日 2025年2月18日

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令和7年2月県議会定例会知事提案説明要旨

【1.所信】

 令和7年度の当初予算案、並びにその他の議案を提出するに当たり、その概要を御説明申し上げ、併せて、当面する県政の課題について所信の一端を申し述べます。

 私は、かねがね、組織のトップには「先見力」が重要な資質である、と考えてまいりました。

 私が数々の薫陶を受けた故 松下幸之助氏は、「強い意志を持って何かを実現しようと努力することも先見性だ」と述べています。

 また、もう一人の師である故 鈴木修氏は、多くの企業が進出に二の足を踏んだインドで、理想の実現に向け、絶対に諦めないという姿勢で努力を重ねられました。昨年末、私はインドを訪問しましたが、鈴木氏の「先見力」「揺るがぬ決意」が、この地で、見事に花開いておりました。この度、インド政府から、卓越した貢献を称える国家勲章を授与されました。本県経済に多大なる貢献をされた鈴木氏に、ここに改めて哀悼の誠を捧げるものであります。

 私自身も、「幸福度日本一の静岡県」を実現するという目標に向け、誰よりも強い意志を持ちたいと思います。そして、いかなる課題に対しても臆することなく、積極的に手を打ってまいります。

 まずは、安全・安心の確保が重要です。昨年は、元日に発生した能登半島地震に始まり、夏には「南海トラフ地震臨時情報」の発表、台風10号の影響による豪雨被害など、知事として、県民の皆様の生命・財産を預かる責任の重大さを、改めて強く認識いたしました。新たに顕在化した課題も踏まえ、徹底した対策を行っていく覚悟であります。

 また、未来を切り拓くためには、様々な叡智を結集することも重要であります。先月、「静岡県未来創造会議」の冨山和彦座長から御提言をいただきました。人口減少社会というこれまでにない社会の構造変化、生成AIによる不可逆な事象を正確に認識すべき、という前提の上で、日本一豊かな経済圏を目指し、グローバル・ローカル両面からの産業育成や観光の基幹産業化、新たなスキルによる労働生産性の向上、県歳出の優先順位付けや効率的な手法への転換など、非常に示唆に富んだ内容となっております。「隗より始めよ」の提言どおり、県自ら、積極的に取組を進めてまいります。

 人口減少問題は、県政の最重要課題の一つです。全力でその「抑制」に取り組んだ上で、人口減少社会を前提とした「適応」の対策を進めることが重要であります。「生産性の向上」「多様な人材の活躍」「社会全体の最適化」、この3つの視点から適応対策にしっかりと取り組んでまいります。

 加えて、地球規模での気候変動、国際情勢の不安定化など国際的な変化は激しさを増しております。一方で、賃金の上昇など、長引くデフレ経済からの脱却に向けた明るい兆しも見えてまいりました。こうした状況においては、幸福実感という主観的要素がますます重要になってまいります。ウェルビーイングという世界で注目されている指標を積極的に活用することで、政策を一段と進化させ、全ての県民の皆様が豊かに安心して暮らすことができる静岡県の実現を目指してまいります。私自身が先頭に立ち、全身全霊を捧げ、県政運営に取り組んでまいる決意でありますので、県議会の皆様の更なる御支援、御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。