細菌性食中毒に関する情報
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カンピロバクター
カンピロバクター食中毒は、細菌性食中毒の中では、近年、発生件数が最も多い食中毒です。
1 特徴
- 鶏、牛、豚などの腸管内に生息しています。
- 市販の鶏肉から高い確率(20~100%)でカンピロバクターが検出されています。(厚生労働科学研究による)
- 新鮮な鶏肉であっても、生食は安全ではありません。
- 近年、カンピロバクター食中毒は20歳代の患者が多い傾向にあります。
2 原因食品(例)
- 生又は加熱不十分な鶏肉、牛レバー等
- 生の鶏肉等を取り扱った手指、器具等から二次汚染を受けた食品
3 症状
- 1~7日(平均2~3日)の潜伏期の後、下痢、腹痛、発熱等を発症します。
- 幼児や高齢者など抵抗力の弱い方は、重篤な症状となることがあります。
- 食中毒症状の後、重篤な運動神経麻痺を起こすギラン・バレー症候群を続発することがあります。
4 予防方法
消費者の皆様へ
- 外食の際には、加熱不十分な鶏肉料理(ささみや鶏レバーのタタキ・鳥刺し等)は避けて、よく加熱された鶏肉料理を選んで楽しい食事にしましょう。
- 家庭で調理する場合は、肉類は中心までしっかりと加熱し、他の食材に菌が移らないようにしましょう。
飲食店の皆様へ
- 生又は加熱不十分な鶏肉(内臓肉を含む)を原因とする食中毒が多発しています。
- 加熱不十分な鶏肉料理(ささみや鶏レバーのタタキ・鳥刺し等)の提供は控え、食肉等は中心部まで十分加熱(75℃以上、1分以上)してください。
- 食肉とその他の食材の調理器具、容器を分けましょう。
- 食肉に触れた調理器具は、使用後に洗浄、消毒しましょう。
- 食肉を取り扱ったら、他の食材を触る前にすぐに手を洗いましょう。
食肉処理業者、卸売業者の皆様へ
- 飲食店等へ鶏肉を販売する際、加熱が必要である旨の表示(「加熱用」「中心部まで十分に加熱してお召し上がりください」等)や、商品規格書の情報伝達を確実に行ってください。
- 生食用としての使用を誘引するような「新鮮だから大丈夫」といった発言はやめてください。
参考資料
腸管出血性大腸菌
焼肉店などの飲食店や、食肉販売業者が提供した食肉を生や加熱不足で食べて腸管出血性大腸菌に感染する事例が多くなっています。
腸管出血性大腸菌に汚染された食品が広域に流通していたために、複数の自治体で患者が発生する事例もみられます。
1 特徴
- 牛等の家畜の腸管内に生息している。
- 毒力の強いベロ毒素を産生し、出血を伴う腸炎を引き起こす。
- 溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こし、死者が出ることもある。
- 腸管出血性大腸菌O157の他、O26、O111等が知られている。
- 100個程度の少量で感染する。
2 原因食品(例)
- 牛肉、牛レバー刺し、ローストビーフ等の生又は加熱不十分な食肉類
- サラダ、貝割れ大根、キャベツ、メロン等の野菜・果物類
- 白菜漬け(浅漬け)
3 症状
- 3~8日の潜伏期の後、頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便等
- 幼児や高齢者には、重篤な溶血性尿毒症症候群(HUS)が起こりやすい。HUSは、貧血、血小板減少、腎機能障害を特徴とする。
4 予防対策
- 通常の食中毒対策を確実に実施しましょう。
- 食肉等は中心部まで十分加熱(75℃以上、1分以上)し、生食を避けましょう。
- 生肉を扱った手やまな板、包丁、調理器具等は、腸管出血性大腸菌に汚染されている可能性があるので、他の作業をする前にきちんと洗浄消毒しましょう。
- 野菜が原因食品とされる事例も報告されています。野菜類はよく洗いましょう。必要に応じて、食品用の洗浄剤や次亜塩素酸ナトリウム等を使ったり、加熱したりしましょう。
- ふれあい動物イベントや搾乳体験等の後は、良く手洗いをしましょう。
予防対策、Q&Aなど
- 飲食店における腸管出血性大腸菌O157食中毒対策について(厚生労働省)(外部リンク)
- 腸管出血性大腸菌O157による広域散発食中毒対策について(厚生労働省)(外部リンク)
- 腸管出血性大腸菌Q&A(厚生労働省)(外部リンク)
- メンチカツ等生肉の状態で販売される食品について
ウエルシュ菌
ウエルシュ菌による食中毒事例は、カレーなどの煮こみ料理やローストビーフなどの肉料理で発生しています。1件の食中毒で多数の患者が出る傾向があります。
1 特徴
- 人や動物の腸管にも生息し、土壌、下水など自然界に広く分布しています。また、健康な人の便からも検出されます。
- 熱に強い芽胞(100℃で1~6時間加熱しても生存)を形成します。
- 酸素のある条件下では増殖できません。
- 大量に増殖したウエルシュ菌が人の口に入ると、人の腸管内で増殖し、芽胞を形成する際にエンテロトキシン(毒素)が産生され、その毒素の作用で下痢などの症状が起きます。
2 原因食品(例)
大量調理されたカレー、シチュー、煮物、ローストビーフなどの加熱料理
3 症状
- 潜伏期間は6~18時間(平均約10時間)
- 主な症状は下痢と腹痛です。多くの場合、発症後1~2日で回復しますが、基礎疾患のある方や子供、高齢者の方は重症化することがあります。
4 予防対策
- 清潔な調理を心がけ、調理後は速やかに食べましょう。
- 調理済みの大量調理食品は、提供直前によくかき混ぜながら(できるだけ空気を入れながら)、十分に加熱しましょう。
- すぐに食べずに保存する場合は、室温で放置せずに10℃以下か60℃以上を保ちましょう。
- 冷却は速やかに粗熱を取って冷蔵庫に保存しましょう(容器に小分けすると早く冷えます)。
参考資料
- わたくし、ウエルシュ菌というものですが・・・対策はふやさないのが決め手!(外部リンク)
- STOP!ウエルシュ菌食中毒 (PDF 266.3KB)
- ウエルシュ菌食中毒について(厚生労働省)(外部リンク)
サルモネラ属菌
サルモネラ属菌による食中毒についてお知らせします。
1 特徴
- 動物の腸管内や川、下水、湖など自然界に広く分布
- 通常の加熱に弱い
- 乾燥には強い
2 原因食品(例)
- 卵及びその加工品
- 食肉
- うなぎ
- すっぽん
- 上記から二次汚染を受けた食品
3 症状
- 12~48時間の潜伏期間の後、下痢、腹痛、嘔吐、発熱(38~40℃)を発症する
- 潜伏期間は、摂取菌量、患者の健康状態等により左右される
4 予防方法
- 食材は十分加熱(75℃以上、1分以上)しましょう。
- 卵の生食は、新鮮なものにしましょう。
- 割卵後は直ちに調理し、卵の割り置きは絶対にやめましょう。
- 卵、食肉は低温保管(10℃以下)しましょう。
- 生肉、卵、生のうなぎ等を扱った手やまな板、包丁、調理器具等はサルモネラ属菌に汚染されている可能性があるので、その都度手洗いや器具の洗浄消毒をしましょう。
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌による食中毒についてお知らせします。
1 特徴
- 自然界に広く分布し、健康な人の皮膚や喉等にも生息している。
- 特に、傷口に化膿菌として存在している。
- 菌は加熱に弱いが、汚染された食品中で熱に強いエンテロトシキンという毒素を産生する毒素型食中毒菌である。
2 原因食品(例)
- おにぎり、弁当、菓子などの調理加工品
- 二次汚染を受けた様々な食品
3 症状
- 潜伏期間は30分~6時間(平均3時間)
- 主な症状は吐き気、嘔吐
4 予防方法
- 調理の前には手をよく洗いましょう。
- 手や指に傷がある人や手の荒れている人は、食品に直接触れないようにしましょう。
- 手指に傷がある人が食品に触れる場合は、良く手洗いした後、耐水性絆創膏をつけた上から使い捨て手袋を着用して作業しましょう。
- おにぎりや弁当等は、十分冷ましてから包装しましょう。
- 食品を長時間室温に放置しないようにしましょう。
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このページに関するお問い合わせ
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