しずおか文化財めぐり 「その美しさに涙したい。」絶景篇
動画に登場する文化財
三保松原(みほまつばら)
所在地:静岡市
国指定・名勝
駿河湾口ニ在リ外洋ニ面スル砂嘴トシテハ特ニ著名ナリ駒越ヨリ北東ニ突出スルコト延長約一里半就中勝景ノ殊ニ賞スヘキハ三保村以北ノ約十四五町北ニ突出スル地域ニシテ幅南ニ廣リ北ニ尖レリ青松一帯ニ茂生シ北ニ富士山ノ天空ニ聳エルヲ望ム
久能山東照宮 本殿・石の間・拝殿(くのうざんとうしょうぐう ほんでん、いしのま、はいでん)
所在地:静岡市
国指定・国宝(建造物)
久能山東照宮は、徳川家康を祀る霊廟として創建され、元和3年(1617)に建立された本殿、石の間、拝殿は、いわゆる権現造の形式をもつ複合社殿で、中井大和守正清によって造営された。
社殿は、伝統様式である和様を基調とし、複雑な構成になる立面や軒廻りなどを巧みにまとめており、細部も整った意匠をもっている。また、要所に彫刻や錺金具などを用いて荘厳化をはかり、江戸幕府草創期における質の高い建築技術や工芸技術を伝えている。
久能山東照宮本殿、石の間、拝殿は、極めて洗練された意匠をもつ権現造社殿であり、江戸幕府における造営組織の草創期において、その礎を築いた中井大和守正清の代表的な遺構のひとつとして貴重であるとともに、江戸時代を通じて、権現造社殿が全国的に普及する契機となった東照宮建築のうち、最初に建てられた社殿として、わが国の建築史上、深い意義を有している。
白糸ノ滝(しらいとのたき)
所在地:富士宮市
国指定・名勝及び天然記念物
峡谷、爆布、漢流、深淵、風化及び侵蝕に関する現象、硫気孔及び火山活動によるもの
富士山西麓ノ裾野ニ在リ富士山上雪解ノ水ガ熔岩ノ罅隙ヲ通シテ地中ニ滲透シ熔岩ト其ノ下ノ集塊岩トノ間ニ地下水層ヲ成シタルモノガ芝川ノ水蝕U字谷ノ岩壁ヨリ漏水シテ瀑布トナリ後漸次後退シテ現在ノ位置ニ達シタルモノナリ瀑ノ高サ約二〇メートル幅約一五〇メートル絶壁ノ全面ニ數百條ノ大小瀑布ヲ懸垂シ恰モ一大珠簾ヲ懸ケタルガ如ク日光華嚴瀑ノ中間瀑布ト其ノ成因ヲ同ジウシテ規模更ニ大ナリ芝川ノ本流ハ白絲瀧ノ東ニ別ニ音無瀧(一名音止瀧)トナリテ懸垂シ前者ト共ニ一勝區ヲ成ス臺上ヨリスル富嶽ノ展望亦甚佳ナリ
伊豆西南海岸(いずせいなんかいがん)
所在地:南伊豆町、松崎町、西伊豆町
国指定・名勝
伊豆半島ノ西岸及ヒ南岸ノ一部ヲ占メ田子ノ島ヨリ石廊崎ヲ經テ竹麻村ノ東端ニ至ル間ノ海岸ニシテ斜長石英粗面岩石英安山岩輝石安山岩及ビ凝灰岩ヲ主體トシ地質関係ノ頗ル複雜多様ナルニ加ヘテ伊豆半島中波濤ノ最モ激甚ナル部分ニ屬シ太平洋岸稀ニ見ルノ勝景ヲ作成シタルモノナリ該海岸ハ風景上及地質上堂ヶ嶋海岸波勝海岸石廊崎海岸ノ三部ニ分ツヲ適當トス堂ヶ嶋海岸ハ白色ノ浮石質凝灰岩ヨリ成レル液蝕海岸ニシテ岩上ニ松樹茂リ嶋列ノ間ニ静カナル海灣ヲ抱キ大小ノ島嶼其ノ附近ニ散點シテ奥ノ松嶋ニ似タル所アリ又天窓洞ノ如キ頗ル特色アル洞窟ヲ藏セリ其ノ南ノ波勝海岸ハ大部分淡青灰色ノ石英安山岩ヨリ成リ北部ニハ暗灰色ノ集塊凝灰岩現ハレ其ノ石英安山岩ハ岩質堅硬ナルヲ以テ波勝崎雲見淺間崎間ニ雄大無比ノ大絶壁ヲナシ其ノ一部ノ赤褐色ヲ呈スル部分ヲ波勝赤壁ト云ヒ景中ノ王座ヲ占ム又其ノ附近ニ千貫門ノ大洞門アリテ景趣ヲ添フ南部ノ石廊崎海岸ハ大部分ガ暗黒色ノ輝石安山岩質ノ集塊熔岩ヨリ成リ石廊崎ノ大岩壁簑掛嶋ノ奇巖手石彌陀窟ノ奇勝等其ノ間ニアリ又斜長石英粗面岩輝石安山岩、トラキ安山岩等ノ諸岩交雜シ諸種ノ岩脈之ヲ貫イテ島嶼岬角岩窟小灣ノ出入多ク變化ニ富メル海岸風景ヲ構成セリ松崎以南波勝崎ニ至ル間ノ山■ニハ翠松ノ影ヲ碧波ニ涵スアリ岩石ノ赭色ト相俟テ色彩交雜ノ美ヲ極ム彌陀窟辯天嶋附近ノ松林モ亦大ニ景趣ヲ添フルヲ見ル
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