令和2年度静岡県文化奨励賞 授賞式の開催
令和2年10月15日(木曜日)、静岡県庁本館特別会議室で授賞式を行いました。
昨年までは5月に別館21階展望ロビーで多くのお客様をお呼びして授賞式を開催していましたが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大のため、10月に延期させていただき、関係者のみの出席により開催しました。
静岡県文化奨励賞は、芸術や学術を通じ、本県の文化の振興と向上に寄与する個人又は団体の活動を静岡県が奨励するもので、令和2年度で59回目となる伝統ある賞です。
授賞式では、今年度受賞者の1団体2名に川勝平太静岡県知事から賞状と副賞が授与されました。受賞された沼津市芹沢光治良記念館、染織家の稲垣有里さん、染色家の鈴木緑さんからは、受賞の喜びや、周囲の支えへの感謝、今後の活動への意欲などを挨拶で語っていただきました。
受賞者の皆様、誠におめでとうございます。今後ますますの御活躍をお祈り申し上げます。
令和2年度受賞者の紹介
沼津市芹沢光治良記念館【沼津市】
(概要)
昭和45年5月に芹沢光治良の心友、岡野喜一郎(元スルガ銀行会長)氏が財団を設立し、「芹沢文学館」として建設され運営された。平成21年4月に一般財団法人井上靖文学館から沼津市に寄贈され、同年10月に「沼津市芹沢光治良記念館」として開館した。
(活動の状況)
作家芹沢光治良に関する企画展や館外での事業(出前講座、図書館職員研修、文学講演会等)を実施し、沼津市内で生まれ育った文人であり、沼津市名誉市民でもある芹沢光治良の業績と人物を紹介している。
芹沢光治良関連資料の整理・保存及び市内の学校、自治会等への各種広報活動にも力を入れている。
また、2階市民ギャラリーを一般開放し、市民等による沼津の文化に関する展示やコンサート等を開催することで、地域文化の発展に寄与している。
<主要実施事業>
主な企画展
- 平成21年 芹沢光治良沼津から世界へ展
- 平成22年芹沢光治良肖像展
- 平成22年芹沢光治良と東京展
- 平成23年芹沢光治良とパリ展
- 平成23年 芹沢光治良作家への道展
- 平成24年『巴里に死す』展
- 平成25年芹沢光治良と日本ペンクラブ展
- 平成25年『人間の運命』展
- 平成26年光治良と神展―最晩年の作品から―
- 平成27年光治良と戦争展
- 平成28年光治良と少女小説展
- 平成29年光治良と林芙美子展
- 平成30年光治良と沼津展
- 平成30年光治良と中国展
- 令和元年光治良と川端康成展
平成23年 文学講演会『芹沢光治良の欧州体験』以後、毎年開催
平成25年 沼津市制施行90周年記念事業第6回沼津文学祭『芹沢光治良と沼津』(文化講演会、出張展示、協同展示、文学散歩、市民演劇、朗読会及びコンサート、図書刊行)
平成28年生誕120周年記念事業(映像制作、上映会、出前講座、紙芝居、朗読会、図書刊行)
稲垣有里(いながきゆり)【静岡市駿河区】
(経歴)
静岡市出身。女子美術大学芸術学部工芸科織専攻卒業後、同大名誉教授の寺村祐子氏に師事し、植物染織について学ぶ。平成12年に静岡市内に工房「染織ユトリ」を開設。染織家として着物を中心に作品を発表している。令和元年から女子美術大学芸術学部工芸科講師。公益社団法人日本工芸会東海支部研究会員、静岡県工芸家協会副会長、静岡県女流美術協会会員、するがクリエイティブ会員。
(活動等)
平成18年デンマークの日本大使館で個展、平成27年にはアフリカのルワンダで女性の就労支援のため機織りと糸紡ぎを教え、バナナ繊維による国際市場への販路を開拓するなど、グローバルな活動も行っている。
平成24年静岡市クリエーター支援センターへの入居をきっかけに、自身の考案した風呂敷(実用新案3099509号)を用いた認知症改善プログラムを考案。静岡市産学交流センターの平成24年産学共同研究委託事業では、「認知症改善プログラムの研究開発」を静岡福祉大学及び地元のデイサービス運営会社と行った。
平成27年には静岡駅前の葵区紺屋町にアトリエを構え、子どもから高齢者まで、世代・性別・障害を超えて染織・手芸を学び楽しめる場所を提供している。
平成30年から静岡県工芸家協会副会長兼事務局として会の運営を支え、静岡県の工芸文化の普及に貢献している。
(受賞歴)
- 平成10年第24回静岡県工芸美術展 工芸家協会会長賞
- 平成11年第25回静岡県工芸美術展 文化協会会長賞
- 平成21年第24回国民文化祭 文部科学大臣賞、静岡県芸術祭 芸術祭賞
- 平成22年平成22年度静岡市芸術文化奨励賞
- 平成23年 第42回東海伝統工芸展奨励賞ほか多数
鈴木緑(すずきみどり)【静岡市葵区】
(経歴)
静岡市出身。多摩美術大学美術学部デザイン科染織デザイン専攻卒業後、家業の染色工房で父から草木染ろうけつを伝授され、染色家として活動。カルチャー教室講師や県立高等学校の美術、工芸の非常勤講師も務める。現在、一般社団法人現代工芸美術家協会本会員、静岡県女流美術協会理事、静岡県工芸家協会常任理事、するがクリエイティブ会員等。
(活動等)
駿府城下で江戸時代末期から続く老舗紺屋「紺友染色工房」の5代目。大学で様々な染色技術を学んだが、現在は渋木というヤマモモの植物染料を使ったろうけつ染めで、繊細で優しく、深い染めに取り組む。全てが手作業で、筆や刷毛の動き、ろうや染料の温度・濃度で、一点一点に個性が生まれる作品を制作している。
染色家として精力的に活動し、展覧会での数々の受賞歴、展示履歴を持つ。一方、教育活動においても、染色という貴重な分野の指導を高校生やカルチャー教室にて行い、伝統技術の伝承に尽力している。
静岡県女流美術協会においては、理事(事務局)として会の運営を支え、会員の信頼も厚く、会の活動を牽引している
(受賞歴)
- 平成13年第40回日本現代工芸美術展初入選(東京都美術館)
- 平成14年第41回日本現代工芸美術展現代工芸賞・現代工芸新人賞(東京都美術館)
- 平成19年平成19年度静岡市芸術文化奨励賞
- 平成20年日展初入選(国立新美術館)
- 平成21年平成23年、平成24年日展入選(国立新美術館)
令和2年度静岡県文化奨励賞受賞者が決定しました
令和2年度静岡県文化奨励賞受賞者は次の3者(1団体と2個人)に決定しました。
受賞者
- 沼津市芹沢光治良記念館(沼津市) 活動分野:文学普及
- 稲垣有里氏(静岡市駿河区) 活動分野:美術(染織)
- 鈴木緑氏(静岡市葵区) 活動分野:美術(染色)
授賞式
授賞式は、10月15日(木曜日)午前11時から、県庁内会議室で開催します。今年度は、新型コロナウイルス感染症予防のため、関係者のみで実施します。(終了しました)
このページに関するお問い合わせ
スポーツ・文化観光部文化局文化政策課
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