平成29年度静岡県文化奨励賞
授賞式の開催
平成29年5月23日(火曜日)、静岡県庁別館21階展望ロビーで授賞式を行いました。
芸術や学術を通じ、本県の文化の振興と向上に寄与する個人又は団体の活動を奨励する静岡県文化奨励賞。
受賞式では、静岡県文化協会会長鈴木壽美子様、木苗教育長をはじめ、受賞者の関係者、過年度受賞者など多くの皆様の御出席のもと、受賞者2名1団体に川勝平太県知事から賞状と副賞が授与されました。
川勝知事は、受賞された作曲家でピアニストの斉藤恒芳さん、高校教諭で書道家の池谷天外さん、「劇団からっかぜ」の功績を称え、「奨励賞の名のとおり、後身のご指導もふまえ、今後も宜しくお願いします」と、式辞を述べました。
受賞者挨拶では、受賞の感想と併せて、活動や作品についての紹介や演奏が披露されました。
受賞者の皆様の、今後の活躍にもご注目ください!
平成29年度受賞者の紹介
斉藤恒芳(さいとうつねよし)【東京都新宿区(伊豆市出身)】
7歳からクラシックピアノ、9歳から作曲を始める。ピアノを柴田淑子他、作曲を渡辺善治他、リコーダーを吉澤実に師事。
平成2年東京芸術大学・音楽学部作曲科卒業。同大学在学中にヴァイオリニスト葉加瀬太郎、ベーシスト竹下欣伸と共に、クライズラー&カンパニーを結成。同年日本レコード大賞特別賞受賞。海外のアーティストと共演するなど、国際的に活躍する。
平成8年グループ解散後は薬師丸ひろこ、渡辺美里などアーティストへの楽曲提供や編曲・プロデュースやTV「時空転抄ナスカ」等の劇伴音楽、牧阿佐美バレエ団「ガーシュインの夢」、ミュージカル「アルジャーノンに花束を」、ロックオペラ「ハムレット」等多数の舞台音楽を手掛けるなど、幅広く活躍している。
平成27年、クライズラー&カンパニーが19年ぶりに再始動し、日本武道館公演を含む全国ツアーを開催し、大成功のまま幕を閉じた。
近年ではリコーダーのための楽曲、宝塚歌劇団など多数の舞台音楽、また「蒼穹のファフナー」などのアニメ作品にいたるまで、クラシックに限らずあらゆるジャンルの音楽を担当し、プロデュース・アレンジ・楽曲提供と様々な音楽を追及し続けている。
本県においては、静岡音楽館AOI「AOIリコーダー講座」の受講生が中心となって平成22年に発足したリコーダーグループ「MYROS」を始め、リコーダーオーケストラに数多くリコーダー曲を提供し、県内のリコーダー愛好家の多くが斉藤氏の楽曲を楽しんでいる。
受賞暦
平成11年宝塚歌劇団宙組公演「激情」で文化庁芸術祭優秀賞受賞
池谷天外(いけがやてんがい)【三島市】
榛原高校在学中に書の道に興味を抱き、昭和56年に東京学芸大学教育学部書道科に進学し本格的に書と関わる。進学と同時に山崎大抱に師事する。昭和60年に大学卒業、同年に静岡県教育委員会で高等学校教員として採用されて以降、書家として毎日書道展や独立書展、抱一書展などに出品して県内外で活躍するとともに書道教育の第一線で多大な実績を挙げている。
書家としての功績
平成3年山崎大抱没後、篆刻家稲村龍谷に師事し、書の道を極めるべく研鑽を続けた。平成元年に26歳で第41回毎日書道展で毎日賞を受賞したのを皮切りに平成20年第60回毎日書道展で会員賞、平成21年若手書家の登竜門である第12回國井誠海賞、平成24年独立選抜書展会員賞を受賞して、全国区でその力量を認められている。県内においても静岡県芸術祭で奨励賞を3回受賞して芸術祭委嘱作家になっている。
池谷氏の書はいわゆる造形美術としての書の王道をいくもので、王羲之や顔真卿、空海に代表される伝統を継承しつつ、造形書(大字書)や漢字書、篆刻、現代文など様々な書体や素材を自在に用いて創作する間口と奥行きの深さを持つものである。
書道教育者としての功績
一貫して書道芸術の教諭として松崎高・吉原高・榛原高・沼津西高で多くの生徒に書写・書道教育の指導を行い、人材の育成と書道芸術の普及発展において多くの功績を積んでいる。一例として平成27年の第44回学生書道コンクール(毎日新聞社主催)において、文部科学大臣賞(第一席)をはじめ、沼津西高の生徒5人が入賞を果たしており、同校の実力を全国にアピールするとともに池谷氏の指導力の高さを裏付けている。他校との連携や交流も積極的に推進し、県内の高校書道のレベル向上に寄与している。
静岡県の文化芸術への貢献
静岡県書道連盟に所属し、ふじのくに芸術祭(静岡県芸術祭)の実行委員を5回務めるなど、静岡県の文化振興事業に積極的に参加し、その運営を中核となって推進している。また、静岡県高等学校教育課程検討委員を務めるなど書写書道教育の第一線で活躍している。
劇団からっかぜ【浜松市西区】
昭和29年、浜松演劇愛好会のメンバーにより、村越一哲、真船豊作「龍のおとしご」を上演し、それが契機となり昭和30年劇団を創立。第1回浜松市芸術祭に、伊藤貞助作「村の保守党」を吉田勝海演出で参加、以後一時期を除き浜松市芸術祭に一貫して参加した。社会性の高い演劇を志しており、これまで数々の公演を行なっている。
平成16年には創立50周年記念で井上ひさし作、演出布施佑一郎で「闇に咲く花」の上演と記念レセプションを開催した。本作品で静岡県芸術祭賞を受賞しており、芸術祭演劇コンクールでは、奨励賞も含め数多く受賞をしている。
昭和59年に新しく稽古場の建設を開始し、この間芝居を創りながら劇団員の手で平成元年、稽古場(アトリエ)を完成する。アトリエを所有している劇団は少ないことから、静岡県西部の劇団にも稽古場と公演場所を提供し、地域全体の演劇文化向上に貢献している。
浜松市内の高校演劇部に対して、公開講座を開催する等の地域貢献や長年の意欲的な活動に対し浜松市教育文化奨励賞、平成21年度に知事表彰を受賞している。
活動暦
- 平成19年「こんにちは母さん」
- 平成21年「カモメに飛ぶことを教えた猫」
- 平成24年「ら抜きの殺意」
- 平成26年「ドリームエクスプレスAT」他多数
表彰暦
静岡県芸術祭賞(大賞)昭和46、60年、平成10、16、19、24、26、28年
浜松市芸術祭はままつ演劇・人形劇フェスティバル2006第1回最優秀賞
浜松市教育文化奨励賞(平成15年長年の意欲的な活動に対し)
静岡県知事表彰(平成21年)
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