平成27年度静岡県文化奨励賞

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ページID1018902  更新日 2023年1月11日

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授賞式の開催

平成27年5月26日(火曜日)、静岡県庁別館21階展望ロビーで授賞式を行いました。

静岡県文化協会副会長佐藤典子様、木苗教育長をはじめ、受賞者の関係者、過年度受賞者など多くの皆様の御出席のもと、受賞者2名1団体に川勝平太県知事から賞状と副賞が授与されました。

松谷卓さん

音楽(ピアノ、作曲)で受賞された松谷卓さんは、テレビ番組のテーマソングや映画音楽、CMソングの作曲・編曲などの全国的な活躍のみならず、地元でのコンサート活動や国民文化祭等の県内行事での楽曲提供など静岡県にも大いに貢献されているその活動が評価されての受賞となりました。「音楽を必要としている人に音楽を届けたい」とおっしゃった松谷さんは、式の中でおなじみ「大改造!!劇的ビフォー・アフター」のテーマソングの生演奏も披露してくださいました。


戸崎さん演奏

音楽(チェンバロ)で受賞された戸﨑廣乃さんは、チェンバロという鍵盤楽器の演奏を通じて国内外で活躍されています。また、美術館での絵画の関連演奏や、舞踊団との共演など、創造的な活動にも力を入れていらっしゃいます。自ら「青葉音楽会」の会長を務めていらっしゃる戸﨑さんは、昭和50年に受賞されたお母様と二世代に渡る受賞となりました。和風の素敵な装飾が施されたチェンバロの演奏は、まさに聴衆の心の琴線に触れるものでした。


富岳館高農業クラブ研究発表

学術(農業)で受賞された県立富岳館高等学校農業クラブはキノコ班の12名を代表して、飯島さん、刈谷さん、大石さんの3名が出席しました。キノコの成長物質で作ったAHXチップをトマト栽培に実用化し功績を挙げた研究実績は、既に様々な研究大会などでも高く評価されています。3人の息がぴったりと合った研究発表は、とても高校生が取り組んだとは思えない高度な内容で、参加者を驚かせていました。そして静岡の農業の明るい未来を担う彼らの姿が非常に頼もしく感じられました。

受賞者の皆様の、今後の活躍にもご注目ください!

平成27年度受賞者の紹介

松谷卓(まつたにすぐる)【東京都武蔵野市(藤枝市出身)】

松谷卓さん

静岡県立藤枝東高等学校2年に在学中の平成7年に、静岡音楽館AOI主催「静岡の名手たち」のオーディションに合格した。平成9年には静岡音楽館AOIにてピアノ・リサイタルを開催し、同館からCD「松谷卓ピアノ・リサイタル」をリリースした。平成10年にエポックレコードから「EPOCH1./PLATFORM」をリリースしプロデビューを果たしている。その後、テレビCM音楽(京セラ、JR東海、ミニストップ他)や舞台音楽(「天国の本屋」他)等を数多く手がけ、平成14年にテレビ番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」の音楽が話題となり、CD「ビフォー・アフター」はロングセールスを記録している。

テレビでは、他に「二人の食卓」、「極上美の饗宴」、「パナソニック・ビエラCM」などの作曲・編曲を手がけている。また、映画音楽でも目覚しい活動をしており、「いま、会いにゆきます」、「タッチ」、「県庁の星」、「そのときは彼によろしく」、「神様のカルテ」、「僕等がいた」等多くのヒット映画の音楽を担当している。

また、コンサート活動にも熱心に取り組んでおり、全国ツアーも数多く開催し、平成21年10月には静岡音楽館AOIでコンサートを開催した。

こうした全国的な活動の一方で、平成14年には志太ミュージカル《TAKERU》を作曲、平成18年には静岡県立美術館主催のロダン館コンサートに出演するなど、静岡県内でも活躍の場を広げている。平成21年の第24回国民文化祭・しずおか2009では静岡県実行委員会からの依頼を受けてテーマソング「夢奏~ユメカナ~」を作曲し、音楽による大会機運の盛り上がりに協力した。

最近の活動では、平成25年にNHK静岡放送「たっぷり静岡」「ニュースしずおか845」のテーマ曲を担当、NHK-Eテレ「課外授業ようこそ先輩」に藤枝市立岡部小学校卒業生として出演、平成26年3月には静岡市清水文化会館マリナートでコンサートを開催するなど静岡県内の音楽文化の普及に大きく貢献している。

戸﨑廣乃(とざきひろの)【静岡市葵区(静岡市出身)】

静岡市葵区に生まれ、3歳から母親の手ほどきにより音感教育を受け、ピアノを始めるとともに静岡市児童合唱団に入団した。上野学園大学チェンバロ専門卒業・同大学専攻科修了後、英国王立音楽大学に留学し卒業した。その後、ドイツ国立ケルン音楽大学にて国家演奏家資格を取得した後、活動の拠点を日本に移し、静岡音楽館AOIコンサートシリーズなど静岡県内はもとより仙台、東京、名古屋、広島等全国各地でソロリサイタルを行っている。演奏活動については、国内外で幅広く活躍している。ソロリサイタルのほか、静岡交響楽団やチェコ・フィル八重奏団らとチェンバロ協奏曲を演奏しており、各地の音楽祭や愛知県芸術劇場コンサートシリーズ等に出演している。また、イギリス、ドイツ、ブルガリア、韓国等の世界各地で現地音楽家やオーケストラと共演しており、平成23年7月にはロンドンにてバロック・ヴァイオリンの名手C.マッキントッシュ氏らと「東日本大震災復興支援コンサート」を開催している。

戸﨑廣乃さん

一方、自らが会長を務める青葉音楽会での活動にとどまらず、グランシップ、静岡音楽館AOI、静岡科学館等県内外の様々な場面で、幅広い層に向けて音楽の魅力を広め、音楽教育を通した豊かな人間形成を推進している。

また、静岡県立美術館をはじめ、国立新美術館、国立西洋美術館、愛知県美術館、名古屋市美術館、名古屋ボストン美術館等において展示作品との関連演奏を数多く行い、絵画と音楽を繋げる活動にも取り組んでいる。

さらに、数多くの演奏グループを主宰し、ムジカ・パシフィカJPN(平成9年結成)では、SPACや佐藤典子舞踊団との共催・協力による企画を実施するなど、ジャンルを超えたコラボレーションによる新たな舞台芸術の創造に取り組んでいる。

  • 平成8年ARCM Advancedディプロマ(英国)
  • 平成10年最高栄誉賞付芸術家ディプロマ(ケルン)
  • 平成12年ドイツ国家演奏家資格

静岡県立富岳館高等学校農業クラブ【富士宮市】

富岳館高等学校は、富士宮農業高等学校を前身とし創立115年を迎える伝統校である。平成14年4月に現在の校名に改称、単位制総合学科に改編した。農業クラブ(キノコ研究班)は農業の学びを教育課程とする「生物生命系列」の研究班である。

富岳館高農業クラブのみなさん

近年、キノコが新たな植物成長調整物質(2-アザヒポキサンチン・AHX)を生成し、この物質は環境ストレスに強い性質を植物に与えることが発表された。この点に着目し、「AHXが植物に高温ストレス耐性を与えることができる」のであれば、AHXを活用し温暖化(夏の高温化)に負けないトマト生産が可能になると考え、次のとおり実証研究に取り組み成果を得た。(1)朝霧高原でサンプリングした野生のキノコ(シバフタケ)から、AHX(AOHを含む)の抽出に成功した(静岡大学農学部協力)。(2)高温ストレス条件下におけるAHXの効果をトマトの発芽率と根の成長測定により検証し、成長促進だけでなく高いストレス耐性(耐暑性)の効果を確認した。(3)AHXを取り入れた媒体として製紙業の廃材であるペーパースラッジに着目し、AHXチップを考案し開発した。(4)開発したAHXチップによる栽培レベルでの効果を検証し、栄養成長と生殖成長を高め、糖度も高まることを確認した。(5)AHXのメカニズムについては、高温時に蒸散量と根の呼吸活性を抑制することで植物体内(トマト等)の水分ロスを防ぐとともにAHXチップを農業法人や地元トマト農家に試験導入し、経営レベルでその効果を検証した。

本研究の成果は、複数の国際的・全国的研究発表会や大会等で最高賞を受賞するなど高い評価を得ている。

  • 平成26年3月「つくばサイエンスエッジ2014」最高賞
  • 平成26年7月「グローバルサイエンスリンク・シンガポール」最高賞
  • 平成26年11月 京都大学「テクノ愛2014」グランプリ他

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スポーツ・文化観光部文化局文化政策課
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