令和元年度 黄綬褒章受章者（技能功労）の紹介

春の受章者（50音順・敬称略）

岩上 勝（浜松市）株式会社三創楽器製作所

チェンバロ製作に長年従事して培った優れた知識・技能を有している。大型のチェンバロは部品点数が千点以上にもなるが、氏は部品の加工や完成品の組立などすべて手作業で行う。西洋の楽器であるチェンバロを日本風土に合うよう材料・製法を工夫し、製作する技能は全国随一である。また、ライアー、ショルダーハープといった新しい楽器を製作し、新たな音楽文化に貢献している。さらに、後進の指導・育成にも尽力している。

新貝 晃一郎（静岡市）新貝ふとん店

一貫して布団仕立て技術の研鑽を重ね、敷布団製作の台張り綿組みの技法を考案し、作業内容を大幅に改善した他、綿の角作りにおける形状の考案など、業界における第一人者として活躍し、高い評価を得ている。また、全国寝具技能士会連合会副理事長などを務め業界の発展に貢献し、中央技能検定委員として技能士の輩出にも尽力する他、技能グランプリ大会の競技委員として運営に携わり、全国の寝具技能士の指導的立場で活躍している。

秋の受章者（50音順・敬称略）

戸塚 順一（御前崎市）有限会社戸塚組

建築とび工として長年従事し、とび作業の中でも曳家工事の取り扱い数は300件を超えている。ワイヤロープの絡み防止や昇降時間の短縮等、自ら工夫した道具で作業の効率化と安全性を高めたばかりでなく、曳家作業で培った技術を足場にも活かして数々の工事の効率化を実現した。また、静岡県鳶工業連合会若鳶会の役員や会長を歴任し、業界の発展に貢献した。

松浦 源（静岡市）株式会社松浦工業

建築板金工として伝統的な神社仏閣などの銅板屋根工事を始め、大型銅板屋根工事施工に関する技能に卓越し、特に、自ら考案した新工法を駆使して効率的な大型屋根施工法を確立し、広く業界に普及させた功績は高く評価されている。また、静岡県板金工業組合の技術リーダーとして、長年、若手後継技能者の育成に努めるとともに、現在は、組合理事長として業界の発展に寄与している。