農地・農業用施設の防災減災対策

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ページID1064066  更新日 2024年7月5日

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近年、大規模地震・津波、風水害、土砂災害等の自然災害が増加しています。農山村地域における県民のかけがえのない生命や財産を守るため、自然災害に備えるための整備を確実に進めていきます。

防災重点農業ため池の整備

農業生産を支えるため池を自然災害から守り、地域の安全安心な暮らしを守る!

防災重点農業用ため池って?

農業用ため池は貴重な用水源ですが、自然災害により決壊すると下流の住宅や公共施設に甚大な被害を及ぼす可能性があります。決壊時の流水が及ぶと想定される範囲に住宅や学校、病院などの施設があるものは、「防災重点農業用ため池」に指定し、重点的に対策を講じています。

中遠地域の取組

2020年10月に「防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法」が施行され、本県では「静岡県ため池防災工事推進計画」を策定し、地震・豪雨及び劣化対策を進めています。

中遠地域管内では307箇所の防災重点農業用ため池を中心に、地震耐性、豪雨耐性等照査を実施し、必要な対策工事を実施しています。

ため池整備前後の写真

ため池整備前(上内田大谷池)

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田んぼダム

農業生産だけじゃない!田んぼは地域の防災インフラ。貯留機能を強化して、洪水被害の軽減を図ります。

田んぼダムとは

近年の気候変動により水害が頻発化・激甚化しています。田んぼがもともと持っている「水を貯める機能」を有効活用し、大雨が降った時、一時的に田んぼに雨水を貯めることで、排水路や河川の水位が急に上がることを抑えます。

田んぼの雨水貯留効果を高めるため設置する調整板には複数のタイプがあります。

調整板(穴形状)

調整板(スリット形状)

中遠地域の取組

最も早く着手した袋井市のほか、掛川市でも田んぼダムの取組が始まっており、磐田市・菊川市・御前崎市では導入に向けた検討が行われています。水田の区画拡大等の農業基盤整備と合せて田んぼダムを導入することにより、農業の生産性を向上しながら、田んぼダムの効果をより高めようとする地域もあります。

田んぼダム説明図

田んぼダムの効果説明図

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湛水防除事業

豪雨・水害から農村地域を守る。排水機場や調整池の整備を進めています。

排水機場・調整池とは

排水機場

降雨により河川の水位が高まり、支線水路(又は小河川)からの排水が不可能な場合、ポンプにより強制的に排水を行い、内水氾濫による浸水被害を軽減します。

調整池

雨水や河川水を一時的に貯留し、下流の河川流量の急激な増加を軽減します。この効果は、豪雨時の河川流量のピークを減らすことができるため、「ピークカット」と呼ばれ、浸水被害の軽減に役立っています。

中遠地域の取組

中遠農林管内には磐田市・袋井市・掛川市を中心に、湛水防除事業等で設置された27の農業用の排水機場があり、令和4年度台風15号等の豪雨時には、地域の浸水被害軽減に役立ちました。最近では、排水機場の耐震化、老朽化した施設の更新整備、遠隔監視操作化等の機能強化のための事業が行われています。

柴田山調整池(磐田市)

大池川排水機場(磐田市)

遊水池(袋井市)

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排水機場の遠隔監視制御

迅速な対応を可能とする排水機場の遠隔監視制御。人口減少社会にも備えます。

遠隔監視制御とは

農村地域の人口減少や高齢化により、排水機場の管理人確保が困難となっています。こうした課題に対応するため、遠隔監視を導入し、排水機場のカメラ映像や水位計データ等を、市役所等の離れた箇所に設置したパソコン等で確認できるようにします。また、遠隔制御の導入により、排水機場のポンプを離れた箇所から操作できるようになり、操作の安全性や即応性が高まります。このようなシステムによる集中管理や遠隔監視制御により、管理者の負担軽減を図ります。

中遠地域の取組

中遠農林事務所では、令和6年度から磐田市3機場(浜部・中瀬・浜新田)、袋井市4機場(袋井・鳥羽野・江之端・浅羽)の遠隔監視制御化の事業に取り組んでいます。また、掛川市においても遠隔監視制御のための事業化検討を進めています。

浜部排水機場(磐田市)

袋井排水機場(袋井市)

江之端排水機場(袋井市)

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原野谷川農地防災ダム

自然の脅威から農業・農村を守り、安全安心な暮らしを目指します。

原野谷川農地防災ダムってどんなダム?

原野谷川ダムは、昭和45年に設置された掛川市丹間にある農業地防災ダムです。昭和38年の豪雨により原野谷川流域では農地に甚大な被害がありましたが、ダム設置以降は、洪水被害が軽減されました。普段は水を貯めずに、洪水調整専用のダムとなっています。中遠農林事務所では毎年、ダム管理のための訓練を行っています。

原野谷川農地防災ダム

どうやって洪水を調整しているの?

ダムには穴が開いており、普段は水を貯めずに穴から水を流しています。大雨時は、穴から出る水量よりも、上流から流れ込んでくる水量が大きくなるので、段々とダム湖へ水が貯まることになります。(自然調節方式といいます。)ダムでは一時的に水を貯めて、下流河川の水量を緩和することにより、洪水被害を軽減しています。

ダムのイメージ図

令和4年9月の15号台風では、ダムは満水となりました。満水となると、ダムに流入した水量がそのまま下流に流れ出ます(下流の川の流量が増えます)。その際はサイレンを鳴らしますので、川に近づかないようご注意ください。

豪雨被害の様子(昭和38年)

完成当時(昭和46年)

訓練の様子

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このページに関するお問い合わせ

静岡県中遠農林事務所 農村計画課
〒438-8558 磐田市見付3599-4
電話番号:0538-37-2290
ファクス番号:0538-37-2294
nourin-chuen-nouson@pref.shizuoka.lg.jp