しずおか文化財ナビ 庚申塚古墳
- よみ
- こうしんづかこふん
- 指定区分、指定種別
- 県指定/記念物 ・ 史跡
- 指定日
- 1959年4月14日
- 員数
- 一基
- 所在地
- 静岡県富士市東柏原新田庚申山西213-1,2
- 一般公開有無
- 有
- 駐車場の有無
- 無
- 公開情報
- 私有地があるため、古墳内への立ち入りは不可。外観の見学は可能。
文化財の説明
【指定資料】 双方中方墳、長径約四〇米、高約三・五米。
【紹介資料】 庚申塚古墳は、浮島沼と駿河湾を隔てる田子の浦砂丘上、標高5m程に立地し、東方150m程には、市指定史跡「山の神古墳」(前方後円墳)があります。
本墳は「双方中方墳」という、全国的にも極めて珍しい形を呈し、その規模は、東西長軸40m、高さ3.5m程を測り、墳丘には径10~20cm程の浜石による葺石が施されています。残念ながら墳丘の南端は東海道線によって削平されていますが、双方部の状況は良好な状態で遺されています。しかし、未発掘のため、詳細は明らかではありません。
本墳が立地する田子の浦砂丘上には、前述した、山の神古墳が隣接しているほか、古墳時代初期(4世紀)と平安時代(9~10世紀)の集落跡として知られる三新田遺跡や東田子の浦駅北側に広がる柏原遺跡が在り、古代官道の「柏原駅」との関わりが指摘されています。また、山の神古墳では、周溝の調査が実施され、周溝内より出土した埴輪片には、人物の顔を表した埴輪が出土しています。
これらの遺跡が立地する田子の浦砂丘は、富士川から運ばれた土砂が海流によって運ばれて造られていますが、先に紹介した三新田遺跡をさかのぼる遺跡は確認されていません。
(静岡県教育委員会1998『静岡県文化財ガイドブック 原始・古代の史跡』より)