しずおか文化財ナビ 木造地蔵菩薩坐像(富士市)
- よみ
- もくぞうじぞうぼさつざぞう
- 指定区分、指定種別
- 国指定/有形文化財 ・ 彫刻
- 指定日
- 1982年6月5日
- 員数
- 1躯
- 所在地
- 静岡県富士市松岡489
- 一般公開有無
- 有
- 駐車場の有無
- 有
- 公開情報
- 8月15日午前中のみ公開
所有者情報
- 瑞林寺
- 〒416-0909 静岡県富士市松岡489
- 電話番号:0545-61-1449
指定内容
像内に宝篋印陀羅尼、仏頂尊勝陀羅尼等及び治承元年八月、大仏師法橋口慶の銘がある
左手に宝珠、右手に錫杖を執り、右足を前方に外して坐る等身の地蔵菩薩像である。頭・躰幹部を正中線で矧寄せる二材から彫成し、肉薄く内刳りを施して頸部を割離し、これに左右外側部、両足部と袖を含む左右の前膊部を矧寄せ、両手先を矧付ける。材は桧で、表面に布貼サビ下地が残り、玉眼を嵌入している。
平滑に整えた素地の像内には、ほぼ全面に及ぶ墨書が認められる。その中心をなすのは、梵字及び漢訳の宝篋印陀羅尼、梵字仏頂尊勝陀羅尼、地蔵真言、大日如来三身真言等で、右膝裏に書かれた造立記によって、治承元年(一一七七)八月彼岸中に法橋□慶を大仏師として本像の製作が始まり、有慶、明賢、宗慶等が小仏師としてこれに加わったことや、他に漆工藤原成重、守安、入道有西等十人余の僧俗がこの作善に結縁したことがわかる。
本像の、上躰が高く両膝部の深い構成をはじめ、控えめながら写実的な肉付や質感がよく表れた衣襞は、鎌倉時代慶派の諸例に通ずるものであり、大仏師法橋□慶は、同年十二月十七日、法橋に叙せられた康慶に比定する可能性がある。
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