HTLV-1母子感染対策事業
HTLV-1について
HTLV-1とは
HTLV-1は、Human T-cell Leukemia Virus type 1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)の略称のことです。
主な感染経路は、母子感染、性行為感染です。感染力は極めて弱く、日常生活を介して感染することはありません。
HTLV-1の感染に伴って起こる可能性のある疾患として、成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)、HTLV-1関連脊髄症(HAM)、HTLV-1関連ぶどう膜炎(HU)などがあります。
しかし、感染しても直ちに発症するわけではありません。ほとんどの方は生涯、関連疾患を発症することなく過ごされています。
HTLV-1抗体検査について
HTLV-1は感染すると、細胞内で遺伝子を作り、細胞とともに生き続けます。
感染によって作られる抗体を検査(血液検査)することで、ウイルスの存在を調べることができます。
検査は妊娠30週までに妊婦健康診査にて行われます。
抗体陽性と判定された場合、HTLV-1に感染していることを意味し、そのような方を「キャリア」と言います。
赤ちゃんの栄養方法の選択
HTLV-1に感染しているお母さんが赤ちゃんに母乳を与え続けた場合、母乳に含まれる感染したリンパ球を介して、赤ちゃんの5~6人に1人がHTLV-1に感染するといわれています。このことを「母子感染」といいます。
赤ちゃんにうつさないための方法は以下の3つとなります。
1.母乳を全く与えず、ミルクで育てる
2.90日未満の短期間のみ母乳を与え以降はミルクを与える(短期母乳栄養)
3.-20℃以下の家庭用冷凍庫で24時間以上冷凍後、解凍して温めた母乳を与える(凍結母乳栄養)
1が最も有効な方法といわれていますが、約3%は赤ちゃんにHTLV-1がうつってしまうことが報告されており、これは胎盤からの感染などによるものと考えられています。
また、1と2の方法の間では、赤ちゃんの感染率に大きな違いがないことがわかりましたが、一度赤ちゃんに母乳を与えてしまうと90日たった後にミルクに切り替えるのが難しいという欠点があります。母乳を与える期間が90日を超えて長期化してしまった場合、その期間が6か月以下であっても感染リスクが約3倍上昇すると考えられています。
3は、母乳を凍結・解凍処理することによりHTLV-1に感染したリンパ球が破壊されることで感染能力を失い、赤ちゃんへの感染を予防すると考えられています。しかしこの方法は、直接授乳できないため、搾乳や衛生面の配慮など、ミルクよりも手間がかかってしまうという欠点があります。
1~3のどの栄養方法を選択するか、かかりつけの産婦人科医、助産師、保健師などとよく相談しましょう。
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