リニア中央新幹線静岡工区/県民だより2023年8月号
田代ダム取水抑制案
田代ダム取水抑制案とは
田代ダムは、東京電力リニューアブルパワー株式会社(以下「東京電力RP」という。)が発電用水を大井川から取水し、山梨県にある発電所まで水路で送るためのダムです。
リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事では、山梨県側から掘削する先進坑が県境を越えて静岡県側の先進坑とつながるまでの期間、静岡県から山梨県へトンネル湧水が流出(県外流出)します。
田代ダム取水抑制案は、「工事の一定期間、発電のための取水を抑制し、県外流出する量と同量を、同時期に、大井川に還元する方策」として、令和4年4月にJR東海が県専門部会で提案したものです。
▲出典:第7回地質構造・水資源専門部会 資料5
田代ダム取水抑制案の実現可能性
主に2つ(渇水期の取水抑制、東京電力RPの確約)の課題があります。
①冬場や渇水期に、県外流出するトンネル湧水と同量を田代ダムで取水抑制できるのか
取水の抑制によって県外流出する量と同量を大井川に流すためには、河川流量が減少し、利用可能量が低下する冬場や渇水期においても十分な利用可能量が存在しなくてはなりません。
今後、JR東海から提供のあったデータ・解析結果について、県専門部会で詳細に確認することが必要です。
②東京電力RPが「田代ダム取水抑制案」に協力する確約が必要
田代ダム取水抑制案は、令和4年4月にJR東海から提案され、県地質構造・水資源専門部会において実現可能性について対話を継続していますが、実際に取水抑制する東京電力RPの協力意向が確認できていません。
令和5年3月、JR東海は、東京電力RPと田代ダム取水抑制案に関する協議を開始するにあたり、大井川利水関係協議会に対し了解を得たいとする3つの前提を示しました。
協議会々員から3つの前提に対し修正を求める意見があったことから、事務局である県が意見を取りまとめて後日回答することとし、4月14日、県は、「一定の修正をすることで了解する」という協議会の決定をJR東海に通知しました。
その後、4月26日に、JR東海から県に対し、「一定の修正」内容の認識を確認する文書が提出されたため、改めて協議会々員と意見調整を行い、6月14日、「3つの前提を再修正することで了解する」という協議会の決定をJR東海に通知しました。
これを受け、6月22日、JR東海は、関係者の了解が得られたとして、東京電力RPと田代ダム取水抑制案についての協議を開始したことを発表しました。
詳細は、「リニア中央新幹線建設工事に伴う環境への影響に関する対応」へ
→リニア中央新幹線整備工事に伴う環境への影響に関する対応
WEB県民だよりでは、リニア中央新幹線整備に関する県の対応などを連載でお伝えします。
県民の皆さまからの質問にお答えします
「田代ダム取水抑制案」について質問です。
JR東海は6月22日、関係者に確認が取れたため、ダムを管理する東京電力リニューアブルパワー株式会社(以下「東京電力RP」という。)と協議を開始したと発表しましたが、これはどういうことですか。
田代ダム取水抑制案は、令和4年4月にJR東海から提案されたものですが、実際に取水抑制を行う東京電力RPの協力意向は確認できていませんでした。大井川利水関係協議会は、令和5年3月にJR東海から示された、東京電力RPと田代ダム取水抑制案についての協議を開始するにあたっての3つの前提について、「一定の修正をすることで了解する」と決定し、事務局である県がJR東海に通知しました。 これを受けて、JR東海が東京電力RPと協議を開始したことを発表したものです。
問い合わせ/県環境局 TEL/054(221)2421 FAX/054(221)2940
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