県議会だより第125号(3) ピックアップ本会議(1)
行政
令和6年度当初予算編成
Q.厳しい財政状況の中で、重点を置いた取り組みは。
A.能登半島地震を教訓に、孤立集落へ物資を運ぶドローンの整備や住宅への感震ブレーカーの設置支援を図る。子ども・子育て分野では、男性の育児休業を促進する支援制度や不妊治療にかかる先進医療費の助成制度を創設する。その他、企業の新技術・新製品創出を支援する資金制度の創設、飼料自給率の向上に向けた輸入飼料の県産化、県内移住者への支援金拡充、プロスポーツチーム等と連携し食・医療・観光等とスポーツを融合した「スポーツの総合産業化」等に取り組む。
行政対応に関する再検証
Q.熱海土石流災害にかかる行政対応の再検証結果と今後の対応は。
A.各法令による行政対応の効果は限定的であり災害発生を抑止することは困難であったとの結論に至った一方、関係者間で情報共有や連携を図ることが最も重要な課題であると再認識した。再発防止に向け、盛り土行為の許可等にあたっては周辺の土地改変状況を踏まえて対処する。また、廃棄物混じりの土砂については、ドローンや衛星写真等を活用した監視も検討する。
能登半島地震発生後の初動対応
Q.知事の初動対応および中部9県1市連絡会議を欠席した判断は適切であったか
A.発災時、滞在中の軽井沢から危機管理監へ連絡し、県内で大きな被害が確認されていないことや災害対策本部運営要領に基づく情報収集体制であり、私は登庁の必要がないことを確認した。危機管理監等が即座に情報収集しており初動対応は適切であった。連絡会議の内容は現場の状況報告と支援体制の確認であり、実務を統括する危機管理監の代理出席で問題なかった。
教育
小規模な県立高校の学校運営
Q.生徒数が減少し小規模化する高校の運営支援策は。
A.各地区で開催する「県立高校の在り方に係る地域協議会」で、学校の特色化や配置の適正化、学校間連携等について検討する。また、1学級募集の高校をサポートするメニューの設置や、小規模校を探求拠点校として支援するほか、理数系人材を育成するカリキュラムを新設する。さらに遠隔授業配信センターを開設し、モデル校において専門的指導の充実を図るなど、小規模校の特色化を推進する。
不登校の子供たちへの支援
Q.2つの新規事業の内容と懸念される点への対応は。
A.「バーチャルスクールの設置」はどの機関の支援も受けていない子供が社会的自立のきっかけを作ることを狙いとし、オンライン交流等人とのつながりを重視したプログラムを行うことで仮想空間への依存が高まらないようにする。「フリースクール等への助成」は学びの場の安定性と質の向上を狙いとし、民間施設の利点である自由度や機動性が損なわれないよう補助対象経費を幅広く設定する。
文化・観光
清水港周辺のにぎわい創出
Q.クルーズ客を地元商店街等へ誘客する方策は。
A.新商業施設の開業に併せ、防潮堤と一体化した緑地を整備し、魅力ある水辺空間が誕生した。ここから新たな人の流れが生まれ商店街等への乗客の周遊が期待される。また周遊促進の取り組みを補助制度で支援しており、散策ルートや土産物等を多言語で紹介する地図やアプリの作成等に活用されている。さらに、マリンターミナルに隣接する緑地を地元商店の出店にも活用できるよう手続等を定めた。
産業
森林施業集約化の促進
Q.木材生産の観点に加え公益的機能発揮の観点からも森林施業の集約化を進める必要があるが、取り組みは。
A.小規模・分散した森林の集約化には、成功事例を見て施業に同意する所有者を増やすのが効果的である。このため、施業提案や意向確認等、所有者との合意形成から、作業道整備や間伐までパッケージで支援するモデル事業を創設する。これを市町や林業経営体に拡大し、全県で集約化を進め、環境・経済・社会が調和した森林づくりを図る。
農林業振興に資する研究体制
Q.生産現場の課題解決に直結する研究を充実すべきだが、今後の方向性は。
A.地球温暖化に対応した温州みかんやわさび等の品種開発、また二酸化炭素の吸収に優れた早生樹の育林技術や農地への炭素貯留方法の開発、ICTを活用したカーネーションの開花調節技術や果樹栽培での農薬や肥料の自動散布ロボットの研究開発、さらには廃棄される茶葉など未利用資源の加工技術の開発等を進めている。民間企業等と連携し研究体制を強化する。
物流産業の確立
Q.物流産業の確立に向けた県の体制と今後の展開は。
A.物流関連施策を連携させスピード感を持って実施するため、新たに各部局に物流対策推進官を設置し副知事の指示のもと政策を進める。具体的には物流効率化のためのロボット等による自動化支援やデジタル人材育成支援等のほか、物流拠点形成のための中継輸送拠点確保の仕組みの導入支援を行う。カーボンニュートラル対応では、低環境負荷車両の導入支援や再配達削減の意識啓発等を行う。
エアモビリティの産業化
Q.次世代エアモビリティの産業化の将来性と今後の取り組みは。
A.自動車産業で培った軽量化や精密加工の技術が応用できる有望な産業分野と認識している。さらなる産業化を図るには、駿河湾に面し飛行経路が広く確保できる旧三保飛行場など試験飛行を行う実証フィールドの拡充が重要である。市町と連携し、新たな実証フィールドを探索するとともに、機体開発や実証実験の支援を通じ、社会実装や関連産業の振興を図っていく。
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