4 県政の概要
令和6年6月県議会定例会知事提案説明要旨
4 県政の概要
続きまして、当面する県政の課題について諸般の報告を申し述べます。
はじめに、リニア中央新幹線建設と、大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全との両立についてであります。
今月4日に斉藤鉄夫国土交通大臣と面談し、リニア中央新幹線に関する本県の取組状況や課題をお伝えするとともに、JR東海への指導をお願いいたしました。また、翌5日には、JR東海の丹羽俊介社長と初めて面談し、本県の基本姿勢を伝えるとともに、改めて本県と約束したリスク管理の徹底と、県専門部会の指摘に対する真摯な対応を要請したところであります。また、今後、対話を速やかに進めるためにJR東海の協力も要請しました。
今月7日には、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会の総会に初めて出席いたしました。私からは、リニア中央新幹線の必要性は理解し、推進する立場であるものの、大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の問題は蔑ろにできず、これらの両立に向け、スピード感をもってJR東海との対話を進めていくという本県の基本姿勢を説明するとともに、国に対し、JR東海への指導を改めて要請いたしました。
また、総会において、山梨県の長崎幸太郎知事から、静岡空港新駅を含めた、リニア開業を契機とした総合的な高速交通の将来像に関する報告がありました。実現すれば本県の経済発展、観光振興など多岐にわたって非常に効果があるものと認識しております。県内市町の御意見も伺いながら、リニア開業後の長期的視野のもとに検討してまいります。
今月12日、国の第3回モニタリング会議が開催されました。本県とJR東海との対話の状況等が報告され、その着実な進展が確認されました。
山梨県側から県境に向けた高速長尺先進ボーリングにつきましては、静岡県内の地下水が山梨県側へ流出することの懸念に対し、山梨県及びJR東海と協議を重ねてまいりました。また、今月7日、長崎知事と面談した際、このボーリング調査について、両県がしっかり連携することを確認いたしました。先ほど申し上げたとおり、岐阜県内の井戸等の地下水位低下について、JR東海の追加の対応策などが確認でき、対話を進めることができる状況になりました。こうした中、昨日、本県、山梨県及びJR東海の三者間において、健全な水循環の回復措置が必要であること、静岡県側から山梨県側へ新たに流出する水量の推定は、山梨県内のボーリング等の掘削と並行して行うこと、について合意いたしました。今後は、ボーリングが県境に到達する前までに、県内でのボーリングの実施について、大井川流域市町や利水関係者の了解を得るための手続きを進めてまいります。
引き続き、リニア中央新幹線の建設と、大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全の両立を図るため、国と協力してJR東海との対話を進めてまいります。
次に、富士山静岡空港についてであります。
令和5年度の搭乗者数は、前年度に比べて46%増の51万3千人となり、回復基調が続いているところです。
国内線では、全日本空輸が、札幌線及び沖縄線において、来月1日から、約5年ぶりに通年運航を再開いたします。また、国際線では、北京首都航空が、杭州線において、来月10日から、4年5ヶ月ぶりに週2往復で運航を再開するなど、国内線、国際線ともに運航の拡充が続いております。
また、今月1日には、県議会の皆様や、地元市町をはじめとする関係の皆様の御臨席を賜り、開港15周年の節目を祝う記念式典を開催いたしました。平成21年の開港以来、750万人を超える多くの方々に御利用いただきました。御利用者や関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。本県の空の翼をさらに大きく広げ、交流の花を咲かせるよう、運営権者である富士山静岡空港株式会社や市町、関係団体等の皆様と連携し、台湾などの就航路線の完全復活と、東南アジアなどを対象とした新規路線の開設を目指し、積極的に取り組んでまいります。
次に、浜名湖花博2024についてであります。
浜名湖ガーデンパークとはままつフラワーパークの両会場で開催された浜名湖花博2024は、目標を上回る約100万人もの来場者をお迎えし、今月16日、大成功のうちに閉幕することができました。ひとえに県議会の皆様、関係者の皆様の御協力の賜物であり、心から感謝申し上げます。
今回の花博は、花緑に加えて、食と農、芸術文化など、暮らしを彩る要素を盛り込んだことに加え、デジタル技術を活用するなど、時代に合った新しい形で開催いたしました。その結果、県内外から幅広い年代の方々が会場を訪れ、本県の花きをはじめ、関連産業や最新技術の素晴らしさを実感していただくことができたものと考えております。
今後は、浜名湖花博2024を契機として、県民の皆様にSNS等を活用して花のある暮らしを具体的に提案するほか、会場で展示したマーガレットなど県産花きの商談会を開催するなど、新たな需要創出や販路拡大を図り、花き産業の更なる振興につなげてまいります。