腸管出血性大腸菌感染症について
腸管出血性大腸菌とは
腸管出血性大腸菌は、家畜やヒトの腸内に存在している大腸菌のうち、ヒトに下痢などの消化器症状や合併症を起こすものを「病原大腸菌」といい、その中で毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすものをいいます。
腸管出血性大腸菌は、菌の成分によりさらにいくつかに分類されていますが、その代表的なものが腸管出血性大腸菌「O157」「O26」「O111」などです。
腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜やヒトのふん便中に時々見つかります。家畜は症状がないことが多いので、菌を持っているかどうかは見た目では判断することはできません。
潜伏期間
2~5日(1週間以上のこともあります)
主な症状
全く症状がないものから、軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、時には死に至るものまで様々です。しかし、多くの場合(感染の機会のあった者の約半数)は、おおよそ2~5日の潜伏期間をおいて頻回の水様便で発病します。さらに激しい腹痛を伴い、「血便」となることがあります。発熱はあっても多くは一過性です。
これらの症状のある人の6~7%の人が、下痢などの初発症状の数日から2週間以内(多くは5~7日後)に溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重症合併症を発症するといわれています。HUSを発症した患者の致死率は、1~5%といわれてれいます。
激しい腹痛と血便がある場合には、特に注意が必要です。
感染経路
腸管出血性大腸菌の感染は、飲食物を介した経口感染であり、菌に汚染された飲食物を摂取することや、患者のふん便に含まれる大腸菌が直接・間接的に口から入ることによって感染します。
予防方法
ヒトからヒトへの感染予防の基本は手洗いです。排便後、食事前、下痢をしている子供や高齢者の排泄物の世話をした後などは石鹸と流水で十分に手を洗いましょう。
また、腸管出血性大腸菌は様々な食品や食材から見つかっていますので、食品の洗浄や加熱など衛生的な取扱いが特に大切です。腸管出血性大腸菌はサルモネラ属などのほかの食中毒菌と同様、加熱(75度で1分以上)や消毒薬により死滅します。
また、動物と接触することにより感染した事例もあることから、動物を触った後には手洗いを徹底し、必要に応じて手指消毒をしましょう。
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