ダニ媒介感染症について
日本紅斑熱について
日本紅斑熱は、日本紅斑熱リケッチアを有するマダニ類に咬まれることで感染します。国内では1984年に徳島県で発見され、九州、四国、中国地方などの西日本南部さらに近畿、中部、関東地方の温暖な地域に報告が多く、夏から秋にかけて発生が多くなります。
症状等
発症は、2~8日の潜伏期間を経て、高熱とともに小豆大の紅斑が四肢に多数出現します。掻痒感、疼痛がないのが特徴で、発疹は速やかに全身に広がりますが、体幹部より四肢末梢部に多い傾向があります。3~4日目をピークとして2週間ほどで消退します。
抗生物質の投与で速やかに全身状態が改善することが多く、一般的に予後は良好です。しかし、治療開始が遅れた場合、血小板減少から播種性血管内凝固症候群、多臓器不全などによる死亡例もあります。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルスを有するマダニ類に咬まれることで感染します。国内では2013年に山口県で初めて発生が確認されて以降、西日本を中心に毎年60~90人程度の患者が確認されています。
症状等
マダニに咬まれてから6日~2週間程度の潜伏期間を経て、主に原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。時に頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こします。
SFTSに直接有効な薬剤やワクチン等はなく、症状に応じた対症療法が主体となります。
ダニ媒介感染症の予防方法
マダニが媒介する感染症を予防するためには、マダニに咬まれないようにすることが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意が必要です。
農作業、レジャーや庭仕事など野外で活動する際には、次のことに気を付けてください。
- 長袖、長ズボンなどを着用して皮膚の露出を避け、帽子や手袋を着用し、首にタオルを巻く、ズボンやシャツの裾などを入れ込んでマダニの入り込みを防ぐ。
- 服は明るい色のもの(マダニを目視しで確認しやすい)や化学繊維のもの(マダニが付きにくい)を着用する。
- 屋外活動後は、体や服をたたき、マダニに刺されていないか確認する。
- 帰宅後は、すぐに入浴して身体をよく洗い、マダニに刺されていないかを確認(特にわきの下、足の付け根、手首、ひざの裏、胸の下、頭部(髪の毛の中))し、衣類を洗濯する。
- DEET(ディート)という成分を含む虫よけ剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があるといわれている。
吸血中のマダニを見つけた場合は、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したりマダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、できるだけ医療機関(皮膚科)で処置してください。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められて場合は、医療機関で診察を受けてください。
マダニ類は、主に森林や草地などの屋外で生息しており、家庭内(衣類、寝具、食品など)に生息するダニとは種類が異なります。
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