屋根修繕工事の訪問販売業に対し、業務停止命令及び指示を実施
次の事業者は、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売(以下「訪問販売」という。)を行うに当たり、法第3条、法第5条第1項第1号及び法第6条第1項第6号に規定する違反行為を行ったことから、当該事業者に対し、法第8条第1項の規定に基づき、当該事業者の行う業務の一部を停止すべき旨の命令をし、法第7条第1項の規定に基づき、違反行為の検証及び再発防止策及びコンプライアンス体制の構築について報告するよう指示を行った。
令和6年2月21日
静岡県知事川勝平太
1事業者の概要
- 名称
フジ工務店株式会社 - 所在地
静岡県藤枝市瀬戸新屋440番地の12 - 業務内容
屋根修繕工事の訪問販売
2不利益処分の内容
- 業務停止命令
令和6年2月22日から令和6年8月21日までの間、静岡県内における訪問販売に係る次の業務を停止すること。- ア フジ工務店株式会社(以下、「同社」という。)の行う訪問販売に係る役務提供契約の締結について勧誘すること。
- イ 同社の行う訪問販売に係る役務提供契約の申込みを受けること。
- ウ 同社の行う訪問販売に係る役務提供契約を締結すること。
- 指示
- ア 同社は、次の行為を行っていたが、このような行為は法により禁止されているので、違反行為の発生原因について、それぞれの違反行為につき、調査分析の上検証し、その検証結果について、令和6年3月22日までに、静岡県知事まで文書で報告すること。
- (ア)法第3条に規定する勧誘目的等の明示義務に違反する行為
- (イ)法第5条第1項第1号に規定する役務提供契約の内容を明らかにする書面交付義務に違反する行為
- (ウ)法第6条第1項第6号に規定する役務提供契約の締結を必要とする事情に関する不実告知
- イ アの違反行為の再発防止に向けた、再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築し、当該再発防止策及び当該コンプライアンス体制について、令和6年7月22日までに、静岡県知事まで文書で報告すること。
- ア 同社は、次の行為を行っていたが、このような行為は法により禁止されているので、違反行為の発生原因について、それぞれの違反行為につき、調査分析の上検証し、その検証結果について、令和6年3月22日までに、静岡県知事まで文書で報告すること。
3処分の根拠となる法令の条項
法第7条第1項及び第8条第1項
4不利益処分の原因となる事実
- 同社は、静岡県藤枝市瀬戸新屋440番地の12に登記上の本店を置き、屋根修繕工事等の役務提供を主な事業として行う事業者であり、消費者宅を訪問して、屋根の点検等により、屋根瓦のズレ等を指摘するなどして屋根工事等の契約を勧誘し、役務提供契約を締結している。同社が行う事業は、法に規定する訪問販売に該当すると認められる。
- 同社は、法に規定する訪問販売による屋根修繕工事等の役務提供契約を行うに当たり、消費者に対し、次の3.から5.までに掲げる法に違反する行為に該当する行為を行っており、訪問販売に係る取引の公正及び役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認められる。
- 同社は、消費者宅を訪問するとき、その勧誘に先立って、「近くで工事をやっていたら瓦が浮いているように見えた」、「今度、そこで工事に入る予定なんですけど。工事車両が出入りしてうるさくなるので挨拶に来た。」などと告げるのみで、有償の屋根修繕工事の契約の締結について勧誘をする目的である旨を明らかにしていない。これは、法第3条の規定に違反する行為である。
- 同社は、法改正のあった令和4年6月1日以降、電子メール等の電磁的記録によるクーリング・オフ通知が法的に可能となっているにもかかわらず、貴社は、静岡県内の消費者に対し、「※クーリング・オフにおける書面、文書は特定商取引法の解釈上、電子メール等ではなく、紙媒体の書面等に拠るものでなければならないとされています。」と記載されている役務提供契約の内容を明らかにする書面としての「工事請負契約書」を使用し、交付した。また、契約書面の担当者名は、戸籍上の氏名で記載するべきであるが、代表取締役が担当者となった場合は偽名を使用し、かつ名字のみを契約書面に記載している他、従業員は本名であっても名字のみを契約書面に記載している。これは、法第5条第1項第1号の規定に違反する行為である。
- 同社は、契約の締結を勧誘するに際し、消費者方の屋根を点検した後、「瓦の漆喰がボロボロになっている。瓦を固定している針金がグラグラしている。このままだと雨漏りで屋根が腐る。」などと消費者に告げ、屋根工事を必要とする確証がないにもかかわらず、あたかも工事をしなければ、雨漏りがするかのように不実のことを告げている。これは、法第6条第1項第6号の規定に違反する行為である。
5主な取引の手口
訪問販売を行うに際し、その勧誘に先立って、消費者に対し、屋根工事等の契約を勧誘する目的である旨を明かにしない他、会社名及び氏名を告げない。
契約締結に際し、役務提供契約の内容を明らかにする書面(以下、「契約書面」という。)において、クーリング・オフは紙媒体によることとし、電子メール等による場合は不可とする旨記載し、消費者に交付する。また、契約書面の担当者欄は戸籍上の氏名で記載すべきところ、代表取締役が担当者となる場合は、偽名を使用し、かつ名字のみを契約書面に記載するほか、従業員は自身の名字のみを契約書に記載している。
必要のない屋根工事について、あたかも工事が必要であるかのように事実と異なることを告げて、契約の締結を勧誘する。
6取引事例
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