リニア中央新幹線静岡工区 第8回地質構造・水資源部会専門部会の開催
7月20日に静岡県中央新幹線環境保全連絡会議 第8回地質構造・水資源部会専門部会を開催しました。
「大井川水資源利用への影響の回避・低減に向けた取組み」として、以下の3つの項目について対話を行いました。
議事
大井川水資源利用への影響の回避・低減に向けた取組み
- 発生土置き場について
- 水質・水温のリスク管理及びモニタリングについて
- 県外流出量と同量を大井川に戻す方策等について
概要
(1)発生土置き場について
JR東海から、これまで国の有識者会議などで示されていた発生土置き場である「燕(つばくろ)沢」「藤島沢」に加え、新たに「剃石(すりいし)発生土置き場」の計画が示されました。
委員からは、盛土の安全性や自然由来の重金属などを含む発生土への対応についての質問や、「燕沢は発生土置き場として適地かどうかの評価がされていない」などの意見がありました。
(2)水質・水温のリスク管理及びモニタリングについて
JR東海から、トンネル湧水や発生土置き場における水質・水温管理の方法、想定されるリスクへの対応などについての説明がありました。しかし、水温や水質の想定や具体的な浄化方法などが示されず、委員からは、「湧水の温度がデータとして示されていない。相当高い温度の湧水が出てくる可能性もあり、データを用いた検討が必要」との指摘がありました。
(3)県外流出量と同量を大井川に戻す方策等について
JR東海から、トンネル湧水の県外流出対策として田代ダムの取水を抑制する方策の実現性を検証するため、実際に県外流出量を補填するだけの河川流量があるのか、検討結果が示されました。
しかし、JR東海の検討結果は、(1)河川流量は月1回の測定結果を使用し、河川流量が最も少ない日でも県外流出量と同量を補填できるとしている (2)東京電力が冬期に最低限必要な取水量を考慮していないといった問題があり、部会長から「基礎データを揃えた後に専門部会で検討を進めたい」との意見がありました。
その他
JR東海は、大井川の水資源に関する同社の取り組みを紹介する冊子を大井川流域などの11駅に配架し、一般から広く意見などを募集することを7月13日から始めました。このことに対して、県や流域市町、利水者は「冊子を作成・公表すること自体は良い」とする一方で、田代ダムの取水抑制策の実現性の問題や大井川の水は減らないとした解析結果の不確実性についての記述が不十分で誤解を与えるとして、「国の有識者会議が求めた双方向のコミュニケーション」に沿うものではないとの懸念を示しました。
令和4年7月26日現在の情報です。
詳細は、「リニア中央新幹線建設工事に伴う環境への影響に関する対応」へ
県民だよりでは、リニア中央新幹線整備に関する県の対応などを連載でお伝えします。
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