県議会だより第121号(7) 沼津東高校新聞部からの「寄稿記事」です
「教育」をテーマに意見交換
今回、沼津東高校新聞部は、県議会議員との意見交換会という形で取材を行った。参加した部員は10人で、河原崎聖議員、良知駿一議員、牧野正史議員と、高校生にとって身近な「教育」をテーマに活発な意見交換が行われた。
「ICT教育の課題」 ~主体的で深い学びを目指すには~
令和4年度、静岡県は県立高校で個人所有のタブレット端末やノートパソコンを一人一台端末として授業で使用するBYOD(Bring Your Own Device)を全校に拡大した。使う端末や導入時期は各校で異なり、すでに授業で利用を始めた高校もある。現時点では、学校間や授業間で練度には差があると考え、議員に意見を求めた。議員は「確かに、一部の高校では、すでにオンライン授業などでタブレット端末を活用しているという面もあります」と述べた。タブレット端末については「多くの場合、生徒の方が先生よりもタブレット端末を使い慣れていると思うので、学びやすい形になるように、生徒が先生に提案するのもよいのではないでしょうか」と語った。
ICT教育の目的は、ICTの活用を通して、私たち生徒の学びがより主体的なものとなり、深まることにある。ICT活用能力の差は私たち生徒の間にも存在する。このような状況を踏まえた上で、授業の中でのICTのより良い活用のあり方を、先生方と私たち生徒が共に考え、互いに協力してさまざまな試行を重ねることが、ICT教育の成功につながると感じた。
「定員割れ」 ~地域に根差した県立高校の魅力の発信~
少子化が進行し、県立高校の定員割れが続いている。議員に意見を求めると、「県立高校ではトイレやエアコンの整備など、ハード面の充実を進めています。静岡県は全国的に見ると公立志向が強い地域で、多くの公立校には、自主自立の伝統があります。オンリーワンの取り組みや地域に根差した魅力化を図っていくことが大切なのではないでしょうか」と述べた。
過疎地域の高校では、統廃合を避けるために、全国から生徒を募集したり、地域の特色を生かしたオンリーワンの取り組みを進めるなどしている。
教育の機会均等や、地域の活性化など、県立高校が果たすべき役割は大きい。地域の核としての県立高校の魅力を、新聞・テレビ・SNS等さまざまなメディアで発信し続けることが大切だと思った。
「不登校」 ~それぞれが学びやすい場の提供を~
近年は、さまざまな理由で不登校になる生徒が増加している。不登校になっても、生徒の学びの場は確保されているのかを質問した。
議員は「現在、一人一台端末が普及しており、学習の機会の確保をすることはできますが、授業に出席した扱いにはなりません。学びたい人が学びたいことを学んでいけるよう、学習のハードルを下げていくことができるとよいと思います」と話した。静岡県はスクールカウンセラーを増員して、一人でも多くの生徒が登校できるように対応している。
意見交換会を通して、私たちは教育に関する問題について考えを深めることができた。これからも身近な問題をさまざまな角度から考察し、自らが何をすべきかを考えて、行動していきたい。
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