(1)イノベーション事業等(イ)安全・安心
令和6年2月県議会定例会知事提案説明要旨
【3.人づくり・富づくりを着実に推進する取組】(1)イノベーション事業等
次に、「安全・安心」のうち、バーチャルスクールによる学びの機会の確保についてであります。
不登校児童生徒の多様な学びの機会を確保するため、仮想空間上の学びの場となるバーチャルスクールを新たに設置いたします。来年度はシステムの構築・試行を行い、令和7年度の運用開始を目指してまいります。気軽にアクセスできる仮想空間のメリットを生かし、児童生徒が興味のある学びや交流の場を自ら選択できる環境を整え、社会的自立を支援してまいります。
次に、使用済み紙おむつの再資源化のモデル構築についてであります。
高齢化の進展に伴い、使用済み紙おむつの排出量の増加が見込まれています。使用済み紙おむつの再資源化を推進し、焼却処理によるCO2排出量の抑制に取り組みます。具体的には、保育施設や介護施設等から回収し、新技術を活用した再生処理をした上で、再生資源として活用するまでの、市町の一連の先駆的な実証実験を支援いたします。その結果から循環方式を抽出し、導入地域を段階的に拡大いたします。令和12年度までには、県人口の半数以上において、新たな「静岡モデル」が導入されるよう、取組を進めてまいります。
次に、道路メンテナンスのDXについてであります。
県土の活力・交流を支える道路インフラは、今後、同時期に大量の更新が発生することから、そのメンテナンスについて省力化・効率化を進めることが必要であります。このため、3次元点群データやAI等のデジタル技術を駆使して、道路の異常箇所を抽出し、効果的な補修手法を解析するなど、自治体として全国初となる効率的な維持管理手法を確立してまいります。まず、来年度は、下田市の県管理道路で表面の3次元データを取得し、解析いたします。その結果をもとに、段階的に補修計画の立案システムを構築することで、令和9年度の全県展開につなげてまいります。
次に、聴覚障害児療育モデルの構築についてであります。
先天性の難聴は、早期発見、早期治療に加えて適切な療育が重要でありますが、我が国では、人工内耳装用児の療育手法等が確立されていないことが課題であります。このため、県立総合病院と連携し、難聴児療育の先進国オーストラリアの中核的機関「シェパードセンター」の療育手法を、全国で初めて取り入れてまいります。令和9年度までかけ、シェパードセンター職員から直接の指導を受けながら、難聴児ごとの特性や発達過程に応じた療育を実践するとともに、その効果を検証し、令和10年度からの本格稼働を目指します。難聴児が確実に、聞こえと音声言語を習得する、全国のモデルとなる療育体制を構築してまいります。