3.熱海市伊豆山地区における土石流災害への対応
令和4年5月県議会臨時会知事提案説明要旨
【3.熱海市伊豆山地区における土石流災害への対応】
次に、熱海市伊豆山地区における土石流災害への対応についてであります。
これまでの行政対応の検証につきましては、今月13日、弁護士や学識経験者で構成する「逢初川土石流災害に係る行政対応検証委員会」から、本事案に対する最終報告をいただきました。
県として、法令等に基づき行政対応を行ったものの、結果として、甚大な災害の発生、それによる多くの方々の生命・財産を守ることができなかったことにつきまして、深く反省いたします。犠牲となられました方々、被害や心労を受けられました皆様に対しまして、今もって胸が張り裂けるような思いであります。
今回の検証結果や御提言をしっかりと踏まえ、全力を挙げて行政対応の改善を図ってまいります。
県では、既に、既存の根拠法令の問題点等の解消を図るため、盛土に関し、より実効性のある厳格な規制ができるよう、新たな条例を制定したほか、くらし・環境部に盛土対策課を設置し、盛土に対する監視・指導等の業務を一元化いたしました。
今後は、県の行政姿勢等の見直しを図るため、現場で生じる様々な課題について、現場に赴き、現場に即して、積極的に課題解決を図るよう、県庁内の組織文化や職員の意識改革を進めるとともに、市町や警察等との連携を強化してまいります。
また、県から市町への権限移譲事務につきましては、土木・建築などの技術面における指導監督の実効性等の観点から、再点検を行ってまいります。
今回のような災害は、二度とあってはならないものであります。県民の皆様の生命や身体、財産を守るため、県として、速やかに改善を進めてまいります。
逢初川源頭部付近で、崩落せずに現地に残っている土砂につきましては、今後の崩落防止のため、現在熱海市が、旧土地所有者に対し、土砂の撤去等の対策を講じるよう行政指導を行っております。また、県は、雨期前までの応急対応として、今月中の完了を目指し、熱海市と連携して、土砂内に浸透した水を集めるための排水管埋設等の対策を進めているところです。
逢初川全体の災害復旧に向けましては、国が上流部の砂防堰堤新設工事を、県が下流部における河川改修などを、熱海市の復興まちづくりとも連携し、計画的に進めてまいります。被災者の皆様が一日も早く通常の生活に戻れるよう、国や市などと一体となり、全力で取り組んでまいります。