あなたの「富士山物語」(夢が実現富士の見える暮らし/松崎盛樹)

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ページID1019335  更新日 2023年1月13日

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夢が実現富士の見える暮らし/松崎盛樹

私が十四歳中学三年生のころ、修学旅行で訪れた静岡県の富士五湖めぐりや三保の松原、日本平、昭和三十年代から四十年代当時の群馬県からの修学旅行は、静岡県内が定番でした。駿河湾の海と魚の香り、茶畑の緑も、どれも初めて見る光景に胸が踊りました。特に印象に残っているのは、バスの窓から生まれて初めて見る富士山の姿でした。雄大な富士山に仲間たちと歓声を上げ飛び跳ねました。走るバスの窓ごしに見る富士山が右に左に変わると、バスの中の私たちも右に左に移動して富士山を追いかけました。その度にバスもこれまた右に左に揺れ先生に叱られた。

群馬県生まれの私たちにとって、感動の旅日記でした。

二泊三日の静岡での修学旅行もアッと言う間に終わり、帰るバスの中から富士山を眺め「大人になったら、富士山の見える静岡で暮らしたい。」と、だんだん遠くなる富士山に小さな胸に夢を抱いた私でした。

歳月は過ぎ、大人になった私は、縁あって静岡県に生まれ育ったひとりの女性と出会い、さらにめでたくも結婚。そして一男一女の親となり、現在は静岡市内に定住、息子や娘の成長記録の中で、決まって富士山を背景にした写真が多い。私どもの暮らしの中で、富士山は切っても切れない大切な宝ものなんです。あの日バスの中で初めて見た富士山、そして富士山の見える暮らしを夢に見た修学旅行での想いが、偶然にも今実現していることに心から感謝しながら、きょうもわが家の三階の窓から富士山を眺め、あの日あの頃を思い出している私です。
富士山ありがとう、あなたが結んだ富士山の見える暮らしです。

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