卓越した技能者(厚生労働大臣表彰)令和2年度 被表彰者一覧
(50音順・敬称略)
天野 又一(浜松市中区) 洋生菓子製造工
所属:浜松調理菓子専門学校
洋菓子製造に長年従事し、幅広い知識の習得と技能の研鑽に努め、ピエス・モンテ(大型工芸菓子)製作に欠かせないアメ細工に「絞りアメ」という新たな技法を考案して表現方法の幅を広げた。チョコレート製品製造においても、新しい効率的なテンパリング技法を開発し、洋菓子製造技術の向上に貢献している。
また、菓子業界団体や学校教育における指導者として、後進を育成し、日本の洋菓子業界の発展に尽力している。
新井 吉雄(静岡市葵区) 漆工
所属:あらい漆工房
木地呂塗りや卵殻塗りなどのほか、蒔絵など加飾の技法を駆使した駿河漆器の伝統的な上塗技法である「珊瑚塗り」「錦塗り」などの変塗技法を多数習得し、長年の研究努力と卓越した技術によって、「緑錦の変塗り」という新たな技法を生み出した。透明感ある緑色に幾つかの斑紋が見られ、緑の濃淡の深みと銀の輝きが特徴的で、駿河漆器を代表する変塗技法となっている。
また、業界団体の後進育成に積極的に取り組み、技術の伝承に尽力している。
池谷 克也(焼津市) 機械修理工
所属:日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 清水事業所
空調機・冷凍機の心臓部である圧縮機の鋳物製造から量産化及び品質向上に永年携わり、高度な技術が必要な高品質鋳物素材では外注メーカーに助言・指導を行うなど、安定供給に貢献している。また、圧縮機製造現場の計画的な設備保全の推進、部品及び設備の寿命改良や故障の未然防止に取り組み、生産効率向上にも大きく貢献している。
現在は豊富な経験と卓越した技能により、人材育成・後進への技能伝承に手腕を発揮している。
猪爪 康之(伊東市) 日本料理調理人
所属:株式会社一燈庵
日本料理人として長年従事し、日本古来の天然醸造調味料を駆使した野菜料理の技能に優れる。伊豆半島産のワサビや干し椎茸などの食材を用いた野菜料理や調理法の考案により、地域振興に貢献している。
また、日本古来の食文化である庖丁儀式、茶道等、日本食文化の伝承や、小学生を対象とした授業の講師、調理技術技能評価試験の試験委員等を通じて、後進の育成にも尽力している。
佐野 義光(富士宮市) 宮大工
所属:光建業株式会社
宮大工として昭和28年より67年間、社寺建築を手掛ける中で、規矩術や木割りの技能を習得し、設計から完成まですべて自分の手で仕上げている。社寺仏閣の屋根では、反らせると同時に軒先も隅に向けて反り上がるように施工するが、隅が反ると軒先が短く見えるため、それを修正する方法を規矩術の中に取り入れて施工する工法を考案した。
現在は、長年の棟梁としての技術を伝えるべく、後進指導にも力を注いでいる。
竹下 銑三(袋井市) 紳士服注文仕立職
所属:トヨモト洋服店
紳士服製作に70年以上従事して培った高度な知識と技能を持ち、特に機能性の良い肩作りにおいて秀でた技能を有している。肩入れは裁縫工程のうちで最も重要な個所と位置づけ、怒肩、撫肩など、一人ひとり異なる体型に合った、着心地の良い服を仕上げることが出来る。
副会長を務める静岡県洋服技能士会での技能検定の取得推進や、職業訓練校での指導等を通じ、後進の育成に尽力している。
多田 信男(岩手県北上市) 清酒製造工
所属:磯自慢酒造株式会社
麹菌・酵母などを巧みにコントロールする優れた技能を持つ。静岡酵母に適合する突き破精麹を造る方式を考案し、静岡型の酒(綺麗で丸い酒)に仕上げ、平成20年のG8北海道洞爺湖サミット、平成28年のG7伊勢志摩サミットのシェルパ会議晩餐会乾杯酒に取り上げられる等、静岡県産酒の知名度向上に貢献した。
また、毎年酒造期の初期に行う講習会では講師を務め、後進の育成にも尽力し、県産酒全体のレベルアップに努めている。
山崎 正人(浜松市中区) 自動車板金工
所属:スズキ株式会社 試作・金型工場
30年以上試作車両製造における板金部品の製作・修正に従事している。ボデー外板形状における0.01ミリ単位での歪みを感じ取り、修正を行う技能を有するとともに、最新の技術・設備を用いて製作した簡易叩き台を活用し、効率よく板金部品を製作するなど工法の改善を図り、試作車製造に貢献している。
また、職場での技能指導や技能五輪全国大会に出場する若年技能者の指導を行い、後進の育成に貢献している。
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