新成長研究
新成長戦略研究とは
新成長戦略研究は、「静岡県の試験研究機関に係る基本戦略」に基づき、本県の新たな成長に貢献することを目的として、研究計画の策定から成果の社会還元まで、産学官によるプロジェクトチームを構成して戦略的に進める研究事業です。
静岡県では平成23年度から新成長戦略研究を実施しています。
静岡県新成長戦略研究成(令和5年度完了課題)
令和5年度に完了した新成長戦略研究の成果を公開しています
首都圏へ供給拡大!!イチゴ生産を革新する「超促成」「超多収」「高収益」システムの開発
本県のイチゴは、野菜の中で最も産出額が大きく、熊本県、長崎県に次いで全国第5位の産出額を誇っている。主なマーケットである首都圏においても「静岡県産イチゴ」の品質に対する評価は高く、高価格で取引されているが、出荷量は横ばいで、市場が求める時期に必要量を供給できていない状況にある。また、生産現場では、近年の温暖化の影響から病害虫の被害が多くみられ、生産ロスのリスクも増加している。
そこで、本研究では、市場ニーズに対応する産地づくりを目標に、新作型の開発による収穫時期の拡大や収穫量を増大させる革新的栽培技術の開発、省力的で農薬のみに頼らない新たな病害虫対策技術の開発によるイチゴの超多収安定生産技術の確立に取り組んだ。
浜名湖のアサリ漁業の再生に向けた資源増殖研究開発展開
浜名湖のアサリ漁獲量は2019年に6千トンあったが、2020年には707トンまで急減した。そこで、アサリの減少要因を明らかにし、漁業者自ら実施可能な対策を提案することを目的とした。
人とコミュニケーションを図る次世代車載装置用樹脂レンズの開発
人とクルマの円滑な意思疎通は、安心安全な交通社会の実現には必要不可欠である。路面にピクトグラム(意味を持つ図形)を投影して、運転手や歩行者に情報を伝達する「コミュニケーションライティング」は数年以内に製品化が検討されている新しい車載照明の機能の1つである。
その機能の実現に有用な製品化技術の1つとして、工業技術研究所では、国内外の機関と連携して、小型で光学性能に優れるマイクロプリズムアレイの設計技術およびその成形方法(熱ナノインプリント、切削加工)を確立した。本プロジェクトでは、法規化が検討されている、逆走や車線逸脱の警告に使用されるVマークを開発技術のベンチマーク対象とした。
〔マイクロプリズムアレイ(通称:MPA)〕
(政策課題指定枠)大径材の有効活用と製材人工乾燥工程の省エネ・効率化に向けた γ線測定による事前選別技術の開発
県内のスギ・ヒノキ人工林の9割が利用可能な40年生を超えており、大径材と呼ばれる直径の大きい材の割合が増加しています。大径材を有効に活用する方法として、断面の大きい梁・桁などの横架材への利用が考えられますが、国産材のシェアはごく僅かです。
国産材の利用が低調な一つの要因として、スギ材の乾燥の難しさがあります。スギは含水率(材中の水分の割合)のバラツキが大きいため、一律に乾燥するとそのバラツキによって、出荷段階で基準(15%・20%等)を満たさない不合格品が多く発生してしまうことが挙げられます。
そこで、本プロジェクトでは、人工乾燥工程に入る前段階で含水率の規格外品を選別する測定技術として、当センターとマイクロメジャー株式会社が共同で開発した装置を用いて手間の少ないγ(ガンマ)線測定による選別の検証を行いました。
(政策課題指定枠)環境と豚にやさしい生産性向上技術の開発
地球温暖化による気温の上昇は豚の受胎率や増体率を低下させ、養豚経営の生産性を著しく下げる。この対策として豚舎への冷房装置の導入が効果的であるが、従来のエアコン導入では消費電力が大きく、屋外機の排熱により農場全体の温度上昇が懸念される。そこで低コスト、かつ、環境に配慮した豚舎の空冷システムを新たに開発する必要がある。
また、堆肥化工程等で発生する、温暖化係数の高いガスN2O(一酸化二窒素)を抑制する技術開発が求められている。
(政策課題指定枠)ブルーカーボンオフセット・クレジットの申請を可能にする 藻場現存量の簡易評価手法の開発研究
脱炭素社会の実現に向け、海藻などに取り込まれた炭素である“ブルーカーボン”が世界的に注目されているなか、国内では、漁業者等が造成した海藻によって貯留されるカーボン量を、資金にできるクレジット制度の試行が始まった。今後、この制度を活用していくためには、制度への申請に必要なブルーカーボン量を図1の式から算出する必要があるが、漁業者自らの調査は技術的に困難なだけでなく、ダイバー等への経費負担も課題となっており、藻場等の分布面積を簡易かつ低コストに評価できる手法の開発が求められている。
(政策課題指定枠)サステナブルファッションに寄与する廃棄衣料を利用した製紙技術の開発
近年、ファッション産業では、ファストファッションの台頭により、短いサイクルでの衣料の大量生産、大量廃棄が行われており、二酸化炭素の大量排出などで環境に多大な負荷を与えていることから、環境負荷を考慮した持続可能なファッションへの取組として「サステナブルファッション」が急速に広まっている。
本研究では、廃棄繊維を有効活用する一つの手段として、遠州地区の織物工場の製造工程から排出される不要な端材などを紙の原料としてリサイクルするための研究開発を行った。開発したリサイクル紙は廃棄繊維の排出元の事業者などに活用してもらうことで繊維循環型のモデルケースを示し、サステナブルファッションの取組を推進することを目的としている。
これまでの新成長戦略研究成果集
- 新成長戦略研究成果集(令和4年度完了課題) (PDF 6.1MB)
- 新成長戦略研究成果集(令和3年度完了課題) (PDF 15.8MB)
- 新成長戦略研究成果集(令和2年度完了課題) (PDF 4.9MB)
- 新成長戦略研究成果集(令和元年度完了課題) (PDF 3.1MB)
- 新成長戦略研究成果集(平成30年度完了課題) (PDF 7.2MB)
- 新成長戦略研究成果集(平成29年度完了課題) (PDF 8.0MB)
- 新成長戦略研究成果集(平成28年度完了課題) (PDF 5.2MB)
- 新成長戦略研究成果集(平成27年度完了課題) (PDF 8.7MB)
- 新成長戦略研究成果集(平成26年度完了課題) (PDF 5.0MB)
- 新成長戦略研究成果集(平成25年度完了課題) (PDF 3.2MB)
- 新成長戦略研究成果集(平成24年度完了課題) (PDF 4.1MB)
- 新成長戦略研究成果集(平成23年度完了課題) (PDF 3.5MB)
平成22年度以前の重点研究
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