わさびについての豆知識
わさび
日本原産のアブラナ科の植物。夏でも涼しく、清涼な湧水地の清流の中で育ちます。
学名は、Eutrema japonicum Koidz.、漢名は山葵です。
わさびは、栽培方法により「水わさび」と「畑わさび」に分けられます。
「水わさび」は生食用に、「畑わさび」は主にわさび漬けなどの加工用に利用されています。
静岡県では、「水わさび」が中心に生産されています。
わさびの効能(辛味成分)
わさびの辛味成分は、揮発性のからし油(イソチオシアネート)類です。わさびの細胞内の、「からし油配糖体」が、すりおろしなどにより物理的に破壊されると、わさびに存在する酵素の働きにより「からし油配糖体」の加水分解が起こり、からし油が生成する。
わさびのからし油のうち、約90%を占めるもっとも多量なものは「アリルからし油」です。生わさび100g当たりおよそ0.3g含まれます。
また、「アリルからし油」以外にも、多くのからし油があります。例えば、沢わさびの独特の風味である「沢の香り」は、ω-メチルチオアルキルからし油によります。
1882年、コッホらがアリルからし油などの辛味成分の殺菌性を報告して以来、わさびは、ビタミンB1の合成増強能、ビタミンCの安定化能、食欲増進作用、抗寄生虫作用、消化吸収作用など多くの活性が明らかにされています。
元静岡県立大学の森田教授は、世間を騒がせた「病原性大腸菌O157」に対し、わさびは高い抗菌力があることを明らかにしています。加えて黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌など各種の食中毒起因細菌に対しても極めて高い抗菌作用を持ち、さらに、がんを誘発するとされる焼け焦げ物質等を分解するため、がん予防の一手段となることも認めています。
また、静岡県立大学の木苗教授は、茶とわさびの成分の相乗効果について研究されており、混合するとさらに、がんに対する予防効果が高まることが有望視されています。また、生体内での脂肪分の酸化が進むと、老化や疾病の原因となるが、わさびはこれを防ぐ抗酸化活性も持っていることを明らかにしています。
わさびの主な機能性
- 抗菌・抗カビ作用
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食中毒菌(腸管出血性大腸菌O157、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌等)に対する抗菌効果
- 抗虫作用
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大衆魚介類に高率に寄生する線虫の幼虫の活動を抑制
- 抗ガン作用
- ヒトの胃ガン患者のリンパ節転移由来細胞の増殖を著しく抑制
- 血栓予防作用
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わさび独特の「沢の香り」の主成分(西洋わさび、粉わさびには存在しない成分)による効果で、血液中の血小板の凝集を抑制し、血液凝固を防ぐ
- 消化管吸収促進作用
- 消化管の細胞間結合(における透過性)を上昇させ、消化吸収を促進する
- 骨増強作用
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実験で、マウス頭頂骨の骨量増進作用があったことから、骨粗鬆症に有効と期待される
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