気候変動による影響への適応

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ページID1016103  更新日 2023年2月9日

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※温暖化防止活動推進員など、リーフレットを用いて啓発活動を行う方向けの資料です。

地球温暖化による気候変動の影響は、農作物の品質低下や局地的豪雨、熱中症搬送者数の増加など、県内でも既に現れ始めています。また、国連の機関等によると、今後さらなる気温上昇が予測されています。

そこで、温室効果ガスの排出を減らす地球温暖化進行の「緩和」と、気候変動影響への「適応」を、気候変動対策の車の両輪として進める必要があります。

このたび、県は、気候変動の影響による被害の回避・軽減を図るため、「静岡県の気候変動影響と適応取組方針」を策定しました。

今後は、適応取組方針に基づき気候変動への適応を推進するとともに、静岡県気候変動適応センター等を通じて気候変動の影響や適応に関する情報を発信し、県民・事業者の皆様による適応の取組を支援していきます。

(静岡県気候変動適応センター:気候変動の影響や適応に関する情報の収集、提供等を行う拠点として、静岡県環境衛生科学研究所内に確保)

以下、この適応取組方針の抜粋や、特に県民・事業者の皆様が適応の取組を行うにあたり、関係する情報を紹介します。

県内の気候変動の現状と将来予測

これまでに、県内の年平均気温は、100年あたりの推計値で、静岡市+2.2℃、浜松市+2.1℃、三島市+2.4℃と気候変動の影響により気温が上昇しています。(ヒートアイランドの影響含む。統計期間静岡市:1940年~2017年、浜松市:1940年~2011年、三島市:1031年~2017年。)

21世紀末の県内の年平均気温は、20世紀末と比べて概ね3℃上昇すると予測されています。

これを現在の静岡市にあてはめると、年平均気温は現在の16.5℃から19.5℃程度になり、現在の屋久島と同程度の気温になるとともに、年間で最も暑い8月の平均気温は、現在の約27℃から約30℃になることを意味します。

(各地の気温変化のグラフや真夏日等の情報も掲載されています。)

主な気候変動の影響と県の適応策

本県の主要産業であるミカン・茶や、世界農業遺産であるワサビ、本県固有の生態系である南アルプス・富士山の生態系などについて、気候変動による影響が現れています。

また、豪雨・土砂災害や、熱中症などが増加し、県民生活に多大な影響を及ぼす可能性があります。

これらに対応し、農産物については高温耐性品種の開発・普及や、自然生態系の保護、ハード・ソフト一体となった治水・土砂災害対策、緑化活動や熱中症予防対策などの適応策を推進します。

農林水産業(ミカン)

主な影響

浮皮の発生による品質低下、貯蔵時の腐敗の発生

写真:浮き皮が発生した温州みかん

主な適応策

高温耐性品種・長期貯蔵技術等の開発・普及

写真:浮き皮発生が少ないミカン

自然生態系(高山)

主な影響

富士山への維管束植物の侵入、南アルプスの高山生態系の衰退

写真:富士山へのイワノガリヤスの侵入

主な適応策

南アルプス等でのニホンジカンの食害防止対策や外来種防除、保護対策の担い手育成

写真:南アルプス(三伏峠)の防護柵設置状況

自然災害(河川)

主な影響

局地的豪雨・洪水・強い台風による災害の発生リスク増加

グラフ:静岡県における時間雨量

主な適応策

河川整備や貯留施設強化などハード対策と危機管理型水位計等を活用した情報発信などソフト対策を組み合わせた総合的な治水対策の推進

イラスト:豪雨災害対策アクションプランの施策体系

健康(暑熱)

主な影響

ヒートアイランドの進行とあわせ、熱中症リスク増

グラフ:静岡県内の熱中症搬送者数と猛暑日日数

主な適応策

熱中症予防の普及啓発、緑化活動促進によるヒートアイランドリスク低減

写真:地域と連携した園庭の芝生緑化

県民・事業者の皆様に期待される適応の取組

イラスト:気候変動の影響に適応しよう!

気候変動の影響は多岐に及び、暮らし方は事業形態・内容などにより大きく異なるため、自主的に取り組んでいただくことが期待されます。なお、県は、市町や関係団体などと連携して、気候変動影響及び適応の周知に努め、県民・事業者の適応取組を支援していきます。

ここでは、特に身近に起こりうる気候変動の影響と適応策について紹介します。

豪雨・土砂災害などへの適応

イラスト:避難

局地的豪雨や台風の大型化などにより、洪水や、土砂災害が増加すると予測されています。

災害に備え、お住まいの地域のハザードマップや避難経路などを確認しておきましょう。

<その他の例>

  • 避難訓練への積極的参加、水・食料・簡易トイレなど備蓄の強化、防災情報取得と災害時の適切な避難
  • 大型台風などによる停電に備え、太陽光発電設備の自立運転方法の確認、懐中電灯・電池式ラジオ・電池・カセットコンロなどの備蓄
  • 災害に強い住宅の選択・リフォーム、窓・屋外工作物の補強

暑熱(熱中症)への適応

イラスト:熱中症

気温の上昇により、熱中症の危険性が高まります。

あらかじめ、熱中症の危険性を確認しておくとともに、室内・屋外問わず、こまめな水分補給・塩分補給などにより、熱中症を予防しましょう。屋外では、男性も日傘を活用したり、日陰でこまめな休憩をとることも有効です。

<その他の例>

  • 屋外活動時には国などが発信する熱中症注意情報を確認【参考:熱中症予防情報サイト(環境省)】
  • 窓・天井などの断熱性能を向上させた上で、適切な冷房の使用【参考:エコ住宅キャンペーン(環境省)】
  • グリーンカーテン・すだれなどによる日射遮蔽、外気温などをふまえた換気、敷地内の緑化など、住まい方の工夫【参考:グリーンカーテンプロジェクト(環境省)】

その他の個人による適応の取組

事業者による適応の取組

事業者の皆様は、事業形態・内容をふまえ、災害発生時に備えたBCP(事業継続計画)の策定など気候変動の影響への備えのほか、暑熱対応製品の開発など、ビジネス機会と捉えた対応も期待されます。

<その他の例>

  • 暑熱環境下の従業員に対する熱中症対策(温度等環境センサー・警報の設置、休憩場所の設置、定期的な休憩・水分補給の徹底など)
  • 気象環境に依存しない自動管理型栽培システムや災害の発生予測・警報システムなどの暑熱対策技術の開発
  • 高温耐性品種の育成、遮熱塗装・遮熱材など暑熱対応製品の開発

<お知らせ>

  • 令和元年6月29日(土曜日)からふじのくに地球環境史ミュージアムにおいて、気候変動の適応に関する展示が常設展に追加されました。身近な影響の事例を参考に、気候変動や適応について、私たちができることについて考えてみませんか?
  • 平成31年2月11日(月曜・祝日)に「気候変動の影響と適応シンポジウムin東部」を開催しました。120人の方々に御参加いただき、会場はほぼ満席となりました。ありがとうございました。

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