令和6年度日本語指導者・学習支援者養成講座【吉田町】

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ページID1065223  更新日 2024年12月4日

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第1回 オリエンテーション 多文化共生の地域づくりと初期日本語教室

6月9日(日曜日) 吉田町中央公民館ホール 受講者49名

講師

  • 静岡県立大学 教授 高畑 幸 氏
  • 吉田町企画課 主任 小原 華津 氏
  • 静岡県多文化共生課 主査 平田 春奈

「静岡県における地域日本語教育実態調査(2019年)結果報告」から、県内の外国人において最も多い在留資格は「身分資格」である現状によって、日本語教育が義務付けられておらず、学習機会が保証されていない層へのアプローチの大切さ、日本語学習によるインセンティブの必要性、外国人住民と日本人住民のつながりを生む多文化共生の拠点としての日本語教室が求められていることを学びました。その後、県の方針と施策についての説明に続き、令和6年度にモデルとして初期日本語教室を開催する吉田町より、「吉田町はじめてのにほんご教室」と題し、吉田町における外国人住民についての現状、教室の目的と教室に参加するに当たってのキーワードについてお話いただきました。多くの受講者が熱心に講話に耳を傾け、質疑応答も大変活発に行われました。

写真:第1回講座の様子

写真:第1回講座の様子2

第2回 地域日本語教育と対話交流型日本語教室

6月23日(日曜日) 吉田町中央公民館ホール 受講者43名

講師

東海日本語ネットワーク 副代表 米勢 治子 氏

終了までに長時間の学習が必要な教授型の日本語教室は、学習者の多様な生活スタイルに適さないため、教室を1回完結にすることや、日本語が全くできない学習者にも対応できる人材が必要であることなどを伺いました。また、協働によるコミュニケーションによって、お互いの事を知り、人間関係を構築する日本語教育が大切であることや、「日本語」そのものではなく内容に着目したコミュニケーションをとることで相互理解が生まれ、対等な関係が築けること、学習者が教室外の社会とつながること、が対話交流型日本語教育の意義であることを理解しました。グループワークでは、参加者が、支援者、学習者、観察者(一部)に分かれて、お互いのことばが分からない人との交流活動を体験しました。少ない情報で相手をより理解しようとする姿勢を各グループで見ることができ、多くの学びを得ることができました。

写真:第2回講座の様子

写真:第2回講座の様子2

第3回 やってみよう!対話交流型活動 教材『はじめまして!日本語』の理解

6月30日(日曜日) 吉田町中央公民館ホール 受講者36名

講師

袋井市「はじめての日本語ひろば」地域日本語教育コーディネーター 髙山 晃 氏

「やってみよう!対話交流型活動 教材『はじめまして!日本語』の理解」について、教材を使った活動についてレクチャーいただくなかで、活動のステップはなぜ必要か、対話交流型活動で何をしたいのか、などをお話いただきました。ワークショップでは、日本語が分からない人との交流(対話)を体験するため、実際の教室で使用するワークシートを使い、支援者役と学習者役になり、ペア対話とグループ対話を行いました。その後、グループでアクティビティごとの目的とやりたいことについて話し合い、参加者全員で共有することで、より深い学びを得ることができました。参加者からは、実際にワークショップを体験して、伝わらないもどかしさを感じたが、両方の立場を経験することで、学習者に教えるのではなく意図がわかることばを使うことが大切、という声もありました。

写真:第3回講座の様子

写真:第3回講座の様子2

第4回 活動計画を立てる(1) ・コンセプトを考える ・コースデザインの作成

7月14日(日曜日) 吉田町中央公民館ホール 受講者24名

講師

富士宮市「はじめての日本語」地域日本語教育コーディネーター 吉川 直子 氏

「活動計画を立てる(1)・コンセプトを考える・コースデザインの作成」と題し、初期日本語教室のコンセプトを考えるプロセスやコースデザインのポイントなどを、令和5年度の富士宮市の例を挙げながらお話いただきました。グループワークでは、実際に、「吉田町 はじめてのにほんご教室」開催にあたり、どのような教室にしたいかをグループ内でひとつのフレーズにまとめ、発表しました。また、決定したコンセプトを達成するために必要なカリキュラムやコースデザインについて、グループ内でまとめて発表し、参加者全員で共有したことにより、より明確なイメージが湧き、参加者それぞれの吉田町に対する想いや希望が溢れる回になりました。

写真:第4回講座の様子

写真:第4回講座の様子2

第5回 活動計画を立てる(2) ・活動進行表の作成

7月28日(日曜日) 吉田町中央公民館ホール 受講者31名

講師

富士宮市「はじめての日本語」日本語指導者 渡邉 佳代子 氏

実際の活動進行表に沿って、教室の進め方を学びつつ、対話活動に入る前のアイスブレイクの目的と重要性や、活動進行表が時間通りに進まなかった時の対処方法など、講師自身の経験も織り交ぜながらお話いただきました。次に、対話活動につながる提示1.、2.を実際の吉田町のコンセプト等をふまえ、グループ内でまとめて一つの活動進行表を作成するワークショップを体験しました。他のグループの活動進行表を見て回り、気づいたことを付箋に書いて貼るギャラリーウォークをし、参加者全員で共有することにより、様々な角度から地域や学習者のことを改めて考えることができました。

写真:第5回講座の様子

写真:第5回講座の様子

第6回 日本語能力判定のテスター養成講座

8月4日(日曜日) 吉田町中央公民館ホール 受講者21名

講師

愛知県立大学 外国語学部 国際関係学科 講師 千葉 月香 氏

日本語能力判定とは、生活者としての外国人の日本語能力や、対話交流型日本語教育の成果を把握するとともに、歩み寄りのヒントを得たり、判定結果をもとに、社会の考え方を変えるために行うテストであることを理解し、対象者判定テストの目的や構成、レベル分け、方針等について学びました。また、とよた日本語学習支援システムは、能力が高いことを判定するのではなく、生活に最低限必要な日本語能力を習得できる仕組みづくりのための判定だということもお話いただきました。判定の説明を聞き、テストの様子を動画視聴した後、資料の使い方についてレクチャーを受けながら、ペアで「インタビュータスク」、「ロールプレイタスク」、「絵を見て話すタスク」を実践しました。落ち着いて対話しながらも判定シートに記入したり、対象者の様子をよく見ながら判定を行う事に対し、テスターには経験やトレーニングが必要だ、との意見や、外国人に対して日頃からやさしい日本語を心掛けたりゆっくり話す癖が付いているので、正確な判定をするために、ふつうの日本語を意識しなければ、との声もありました。

写真:第6回講座の様子

写真:第6回講座の様子2

第7回 学びを促進するファシリテーション講座 -対話交流型初期日本語教室における日本語支援者の心づかいとファシリテーションの基礎

8月25日(日曜日) 吉田町中央公民館ホール 受講者37名

講師

有限会社タイキなくらし 取締役 鈴木 まり子 氏

ファシリテーションの意味、対話活動における姿勢、ファシリテーションの効果について学び、対話型日本語教室のファシリテーターは学習者を主役とし対話や学びを促進することが役割であり、そのことが多文化共生社会の実現の促進につながることを理解しました。実際にファシリテーターを体験するまでにグループサイズを、1人、2人、3人と段階的に変えていく手法によって、より活発な話し合いになり、質疑応答の時間も主体的に学ぶことができました。その後に行われたグループワークでは、3人のグループを作り、「今日学んでみて、その学びを現場でどう生かしたいか」というテーマで、ファシリテーター、主役、板書の3つの役割を交代しながらファシリテーションを体験しました。参加者からは、この講座に参加してよかった、日本語教室の場ではもちろんだが普段の生活にもいかして使っていきたい、などの声が多くあがり、学んだことを自分事として捉え、対話をよりよいものにしていこうとする姿勢が見受けられ、「ファシリテーションを学び、対話交流型の学びの場づくりに活かそうと思う」という、この講座の目標(ゴール)に多くの参加者が到達することができたようでした。

写真:第7回講座の様子

写真:第7回講座の様子2

第8回 振り返り・まとめ

10月20日(日曜日) 吉田町片岡会館 受講者21名

講師

地域日本語教育総括コーディネーター 鈴木ゆみ

第1回から第7回の講座で学んだ内容について、吉田町で開催中の初期日本語教室の実践を踏まえて意見交換をしました。はじめのうちは、教室に来ること自体にも勇気が必要だったが、次回はどういうふうに活動しよう?と考えられるようになったという受講者や、教えないということを意識したい、教えないことが学習者の主体的な学びにつながるといった意見もあり、一緒に悩み成長していこうとするサポーターの姿勢も垣間見えました。最後に、「わたしのチャレンジ」と題し、今後目指したいことや想いを書き出し、本講座の感想と合わせて一人一言ずつ話しました。

 

写真:第8回講座の様子1

写真:第8回講座の様子2

このページに関するお問い合わせ

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〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3316
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