浜松視覚特別支援学校 ~フロアーバレーボールで輝く生徒たち~

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ページID1085901  更新日 2026年10月15日

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浜松視覚特別支援学校は、今年で創立105周年を迎えます。視覚に障害のある児童生徒が学ぶこの学校では、「豊かな心」「健やかな体」「たくましく生きる力」を大切にしながら、一人ひとりが社会で自立して生きる力を育んでいます。

そんな同校の注目を集める部活動が、「フロアーバレーボール部」です。視覚障害者の競技として日本のみで行われているスポーツで、同校のチームは全国大会での準優勝という輝かしい成績を収めました。

その道のりと、生徒たちの熱い想いを紹介します。

学校紹介

「豊かな個性を育む、視覚特別支援学校」

[写真1:校舎全景]
[写真1:校舎全景]

浜松視覚特別支援学校には、視覚に障害のある幼児児童生徒が通っています。

しかし、一口に「視覚障害」といっても、見え方や障害の程度は一人ひとり異なります。

浜松視覚特別支援学校では、その多様性を認め、各段階に応じた学習を展開しています。

 

幼小学部の授業風景
[写真2:幼小学部の授業風景]

◆ 幼小学部

「指は目である」という意識のもと、触って確認することなど、学習と身辺自立の基礎を育みます。


 


中学部授業風景
[写真3:授業風景]

◆ 中学部

「自分を知る」ことを大切にしながら、社会生活の基礎を築きます。点字ブロックでの歩行練習も、この時期から本格化します。


専攻科の実習風景
[写真4:専攻科の実習風景]

◆ 高等部 普通科

思い通りにいかないことと向き合い、自分ができること・できないことを理解することで、社会自立に向けて必要な力を育成します。

◆ 高等部 専攻科

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格取得を目指し、専門的な技術と知識を習得します。

 

生活環境を整える寄宿舎での生活

寄宿舎の生活風景
[写真5:寄宿舎の生活風景]

通学が困難な児童生徒や、生活力を高めたいと希望する生徒のために、寄宿舎が設置されています。現在11名の生徒が入舎しており、寮生活を通じて自立心と社会性を培っています。

 

フロアーバレーボールとは

日本で考案された競技・視覚特別支援学校では、最も盛んに取り組まれているスポーツ

試合風景
[写真6:試合風景]

フロアーバレーボールは、視覚障害者が参加できるよう工夫されたバレーボール競技です。日本のみで行われており、視覚特別支援学校では最もメジャーな競技の一つとされています。

 

(基本ルール)

チーム構成:6対6(男女混合で1つのチームを編成)

参加者:視覚障害者と晴眼者が共にプレーできます。(視覚特別支援学校の大会では、全員、視覚特別支援学校に在籍していることが条件となります。)

年齢層:様々な年齢の選手で構成

ボールの特徴:通常のバレーボールと同じ仕様です。

コート:コートの広さは長さ18m×幅9m。通常の6人制バレーボールコートを使用しますが、ネットは宙に張るのではなく、床とネットの間に30cmの隙間ができるように低く張られます。ボールはバレーボール用の白い革球を使い、床の上を滑らせるように転がして3打以内で相手コートへ打ち合います。

大会の様子
[写真7:大会の様子]

フロアーバレーボールの魅力と難しさ

選手たちが感じる魅力<障害の有無を超える>

部長の高等部1年生 鈴木さんは、この競技の魅力をこう語ります。

「前衛を後衛がどうカバーするか、6人の団結が大切です。仲良く切磋琢磨することが、そのままプレーに表れます。何より、障害のある人もない人も一緒にプレーできることが素晴らしいです。」

顧問の杉山教諭も、その点を強調します。

「この競技の最大の魅力は、障害のある人もない人も、男性も女性も一緒にプレーできることです。」

練習中の選手たち
[写真8:練習中の選手たち]

さらに、フロアーバレーボールの効果は競技にとどまりません。

競技を通じて培われる集中力、コミュニケーション能力、自己理解は、学習面にも好影響を与えています。

競技の難しさ(1)連携とコミュニケーション

しかし、この競技には大きな課題があります。

1つめは、連携とコミュニケーションです。

ボールに鈴等は入っていないため、ボールの動きだけでは、方向等がわかりません。そこで、前衛は後衛の指示に従ってブロックやアタックに備えた動きをとる必要があり、チームの連携が極めて重要になります。

 

鈴木さんも、その難しさを認めています。

「どう仲間を動かすか、コミュニケーション能力が試される。」

 

杉山教諭は、この課題に真摯に向き合うよう指導しています。

「日頃から『感謝の気持ち』を大切にするよう指導しています。仲間、チーム、親、先生など、周りの支えがあることを忘れずに。」

選手同士のコミュニケーション
[写真9:選手同士のコミュニケーション]

競技の難しさ(2)練習試合の確保

同校が直面するもう一つの課題が、練習試合の確保です。

視覚特別支援学校は全国的に校数が少なく、近隣県での練習試合も限定的です。静岡県内には3つの視覚特別支援学校がありますが、するが視覚総合特別支援学校にはフロアーバレーボール部がなく、沼津視覚特別支援学校は遠方のため試合が難しい状況です。

そこで同校は、愛知県岡崎市にある愛知県立岡崎盲学校と練習試合を実施。他県の生徒との交流の場にもなり、切磋琢磨することで貴重な刺激を受けています。

 

全国準優勝までの道のり

3年前の悔しさが、今の栄光につながった

全国大会の表彰式
[写真10:全国大会の表彰式]

浜松視覚特別支援学校のフロアーバレーボール部の成績は、年々向上しています。しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。

3年前、チームは一度も勝利を味わうことができず、大きな悔しさを抱えていました。

しかし、生徒たちは諦めることなく、その悔しさをバネにして練習を重ねました。その努力の結果が、今年の全国大会での準優勝という快進撃につながったのです。

 

鈴木さんは、その成長を実感しています。

「前回大会の悔しさを力に変えることができました。」

 

強さの秘訣 ~ 自主的な取り組み~

練習風景
[写真11:練習風景]

では、同校のチームが力をつけた理由は何でしょうか。杉山教諭は、こう説明します。

◆ 計画的な練習:週2日、1日2時間の練習を実施

◆ 寄宿舎生の自主的な努力:寄宿舎生は、余暇の時間も自主的に練習

◆ 前向きな姿勢:「自分からやりたい、楽しい」という生徒たちの気持ちが何より大切

体調管理の課題

夏の練習では、新たな課題が浮き彫りになりました。

体育館にエアコンがないため、暑さへの対応が困難な状況です。同校は、エアコンが設置されている西部特別支援学校の体育館を借りたり、こまめな水分補給で対応していますが、体調面の不安が残ります。

現在、扇風機とスポットクーラーは設置されていますが、さらなる環境整備が求められています。

 

今後の目標と展望

現在、フロアーバレーボール部には9名の部員が在籍しています。

全国66校が8ブロックに分かれて地区予選を戦い、勝ち上がった10チーム(各地区代表以外に、主幹校と前年度優勝校地区からもう1校出場し、計10校が集まりました)が全国大会に出場するこの競技で、浜松視覚特別支援学校は確かな足跡を残しつつあります。

鈴木さんの目標は明確です。

「来年度は優勝を目指します。そして個人としてもベスト6に入りたい。」

その輝く笑顔と力強い言葉から、次の全国大会への確かな覚悟が伝わってきます。

 

取材を終えて

浜松視覚特別支援学校のフロアーバレーボールチームが、今年度開催された「第10回全国盲学校フロアーバレーボール美ら風沖縄大会」で第2位の栄冠を手にしました。

体育館に響き渡る、力強いボールの音と、仲間を鼓舞する熱い声。生徒たちは互いに手を取り合い、声を掛け合いながら、一丸となって体を動かしています。その清々しく輝く姿は、日々のたゆまぬ努力の積み重ねの証です。

3年前の悔しさから始まった挑戦の物語。障害の垣根を超え、仲間とチームワークを信じ、前に進み続ける生徒たちの姿は、多くの人々に勇気と感動を与えています。来年の全国大会での優勝に向け、彼らの挑戦は続きます。

 

学校情報

浜松視覚特別支援学校

- 創立:105周年

- 所在地:浜松市中央区葵西5-9-1

- 学部:幼稚部、小学部、中学部、高等部(普通科・専攻科)

- 寄宿舎:あり

国家資格取得

- あんまマッサージ指圧師

- はり師

- 灸師

このページに関するお問い合わせ

教育委員会特別支援教育課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2942
ファクス番号:054-221-3558
kyoui_tokushi@pref.shizuoka.lg.jp