海外からの“旬な”お便り/県民だより2022年12月号
静岡県では、お互いに助け合い、信頼関係を築き、国際的に存在感のある地域を目指す「地域外交」に取り組み、観光、経済、教育・文化など幅広い分野で交流を進めています。
海外駐在員や本県と交流のある国・地域の方からの旬な現地情報を、毎月お届けします。
コロナ禍で海外に行く機会が減った今、”旬な”お便りで世界に触れてみてください!
差出人
髙須 はるな(たかす はるな)さん
JICA海外協力隊2022年度1次隊カメルーン派遣/浜松市出身
6年間県内の公立小学校に勤務し、現在はJICA海外協力隊としてカメルーンに派遣されています。「1度きりの人生、やりたいことを全力でやる!」をモットーに、カメルーンの小さな村の小学校で子供たちや先生と共に毎日奮闘しています。そんなカメルーンでの刺激たっぷり、魅力たっぷりの毎日を皆さんにもお届けしたいと思います。
ドキドキわくわくのカメルーンライフ
2022年7月28日、日本から飛行機を乗り継いで約20時間、ついにカメルーンに到着しました。コロナの影響で派遣が2年延期になったため、待ちに待った瞬間でした。カメルーンは、アフリカ中部の大西洋沿岸に位置し、面積は日本の1.3倍ほどです。日本の小学校では「アフリカ大陸はリーゼントのヤンキーに見えるでしょう。リーゼントの生え際あたりがカメルーンです。」と教えていました。またカメルーンは文化や民族、自然、気候などが多様で「アフリカのミニチュア」と呼ばれています。
私が派遣されている村は、首都「ヤウンデ」から車で約1時間の「ンフー」という村です。地図で探すのも一苦労なほど小さな村ですが、人々は皆元気で活気に満ち溢れています。小学校で現地の教員と協力しながら授業を行ったり、よりよい指導法や教材の提案をしたりすることがンフーでの私の活動です。パワー全開で笑顔いっぱいの子供たちはいつも私に元気をくれます。
ンフーはどこを探してもスーパーがありませんが、その代わり大きな青空マルシェがあります。所狭しと並んだパラソルの下でマダムたちが野菜や果物、服や靴などの日用品、生きている鶏(その場で絞めてくれる)などを売っています。先日鶏1羽を買って、絞めるところから見学し、家に持って帰って自分で丸々さばいてみました。日本のスーパーで自分が手に取る当たり前の鶏肉のパックは当たり前じゃないこと、命をいただいて自分が生かされていることを身をもって実感する良い経験になりました。
カメルーンでは、日常的に停電や断水が起こります。特に私が住む地区は1か月以上断水することもあり、そうなると水道の蛇口は何の役にも立たない飾りに思えてきます。仕方がないので家から100mほど離れた井戸に水を汲みに行きます。井戸に行くと、家のお手伝いで重い水を何度も往復して運ぶ子供たちと毎回顔を合わせます。自分が使う分の水を運ぶだけでヒーヒー言っている私なので、子供たちを見習おうといつも思います。最近は、ペットボトル3本分の水で水浴びをできるようになりました。
カメルーンにはおいしい食べ物がたくさんあります。フランス領であったからか、フランスパンが道で売られています。よく見かけるのは焼きそばパンならぬ「パスタパン」です。フランスパンに切り込みを入れてそこに味付けしたパスタをぎっしり詰めてくれます。また、「ベニエ」と呼ばれる揚げドーナツのような食べ物もよく売っています。砂糖がたっぷりまぶしてあるスイーツベニエから、キャッサバやとうもろこしの粉を生地に混ぜて「ピマン」と呼ばれる辛いソースをつけたおかずベニエまでたくさんの種類があります。家で朝ごはんを食べたのに、道に売っている「パスタパン」を買い食いし、その後揚げたての「ベニエ」まで買ってしまう毎日です。
カメルーンという異国の地で自分とは異なる考えや文化を持った人と出会い関わること、今まで知らなかったものやことを知って経験することで、自分が少しずつ変化している気がします。カメルーンでの何気ない毎日にはたくさんのドキドキとわくわくが詰まっています。刺激たっぷり、魅力たっぷりのカメルーンでの日々は、きっと私の人生の中でかけがえのない大切なものになると信じています。
このページに関するお問い合わせ
知事直轄組織知事戦略局広聴広報課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2231
ファクス番号:054-254-4032
PR@pref.shizuoka.lg.jp