県議会だより第123号(4) ピックアップ本会議(2)
文化・観光
ヴァンジ彫刻庭園美術館
Q.閉館後の施設活用や地域との連携をどう進めるか。
A.令和5年6月に周辺3市2町と策定した「クレマチスの丘広域的活用構想」の実現に向けて、施設を県の新たな文化施設として活用することを検討している。具体的には、県立美術館やSPAC等県事業のサテライト実施や、子どもや障害のある方の芸術体験、静岡がんセンターの患者等への癒やしの場の提供など公益性の高い事業のほか、民間の発想を取り入れた多目的な活用などを通じ、にぎわいの場の創出を検討する。
世界文化遺産富士山
Q.世界文化遺産登録10周年を迎えた富士山を守り、後世へ継承していく方策は。
A.山小屋など現地の受入環境や登山者の意識が大きく変化しているため、望ましい富士登山の在り方の実現を目的とした管理計画を令和7年に改定する。構成資産の普遍的価値を次世代へ伝えていくため、富士山世界遺産センターを拠点に学術研究や教育普及活動をさらに深め、SNSを活用した発信力の強化や、歴史的意義、文化的価値を体感していただくための山麓地域の周遊促進等に取り組む。
パラスポーツの推進
Q.「ふじのくにパラスポーツ推進コンソーシアム」と連携した障害者スポーツの拠点整備等への取り組みは。
A.拠点整備に向け、本県の実情に合った機能・整備方針を盛り込んだ基本構想を令和5年度に策定する。またアスリート強化に向け、パラスポーツ体験会にコンソーシアムの会員である医師や理学療法士に参加いただく。さらに裾野拡大に向け、情報発信や相談機能の充実を目的に令和5年11月に開設される「ふじのくにパラスポーツ情報センター」の周知を図る。
用語解説:ふじのくにパラスポーツ推進コンソーシアム
東京2020パラリンピックのレガシーを継承し、パラスポーツ振興を図るため、令和5年8月に設立。官民連携による組織は全国初。
台湾との交流
Q.東アジア情勢が緊迫している今だからこそ、これまでの交流が途切れないよう、より強固なものにするべきであるが、その方策は。
A.平成25年に台湾駐在員事務所を開設して以来、観光・スポーツ及び民間交流や青少年交流などを進めてきた。コロナ禍においてもオンライン観光商談会の開催や県産品の商談支援、高校生同士の交流等を継続してきた。アフターコロナで交流再開が本格化する中、全県を挙げて観光・通商分野における連携強化や航空路線の復便に取り組む。
くらし・環境
県営住宅入居基準等の見直し
Q.人口減少、少子高齢化が進み住宅に困窮する世帯が多様化する中、県営住宅の入居基準等の見直しは。
A.住宅セーフティネットとしての役割を果たすことができるよう、現在60歳以上としている単身入居者の年齢制限の撤廃や、子育て世帯が優先的に入居できる制度における子の年齢を小学生以下から高校生の年齢までに対象を広げることを検討している。また、身寄りのない方が入居できないことのないよう連帯保証人制度についても見直しを検討している。
医療・福祉
難病患者への支援
Q.経済的な負担や日常生活の制約等、多くの困難を抱える難病患者への支援策は。
A.医療費を公費負担の対象とするほか、生活相談や就労支援等を行ってきた。今後は、医療費助成の対象外である軽症者への支援として、福祉サービスの利便性向上を図るため、国が令和6年度から予定している登録者証の発行に向け、システムの改修等を行う。また、在宅で人工呼吸器を装着する難病患者が風水害の予想時に事前に避難入院ができるよう、対応可能な病院の増加等を図る。
医療的ケア児・者等への支援
Q.医療的ケア児・者や、重症心身障害児・者への今後の支援策は。
A.現在、在宅の重症心身障害児・者の保護者負担軽減を目的とした医療型短期入所サービスの導入促進や、支援に携わる人材の養成を進めている。令和5年度からは、県医療的ケア児等支援センターに保育・福祉・教育等の分野に精通したアドバイザーを配置し、助言や出張相談を行っている。今後は各地域の医療的ケア児等コーディネーターとのネットワークづくりを図り、相談体制を強化する。
用語解説:医療的ケア児等コーディネーター
医療的ケア児等が地域で安心して暮らしていけるよう、個々の医療的ケア児等に対する保健、医療、福祉、教育等の各種支援を総合的に調整する人。
教育
教育現場での生成AIの利用
Q.生成AIは便利な反面、生徒の探求的な学びなどを阻害する恐れがあるが、教育現場でどう向き合うか。
A.生徒の利用に際しては、基礎知識や注意点等をまとめたチラシを配り、情報漏えいなどリスクへの対応方法が身につくよう適切に指導する。生徒が主体的に考え、意見を出し合って探究を深められるよう、情報収集や新たな視点に気付かせる教材とするなど活用方法を検討する。また、市町教育委員会に対し、利活用についての情報提供や研修などの支援をしていく。
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