県議会だより第123号(3) ピックアップ本会議(1)
行政
知事の責任と進退
Q.給与減額をもって不適切発言等に対する県民や県政混乱への責任を果たしたと考えるのか。また、今後の身の処し方は。
A.不適切発言等により県民の皆様に不信の念を抱かせたことをお詫びする。給与減額は自らに課すべきと考えたペナルティだが、それのみで責任は果たせない。「知事の心得五箇条」を肝に銘じて実践し、常時公人を強く意識し自らを戒めている。辞職勧告を受けた身であることを肝に銘じ、力の及ぶ限り県民のために尽くしていく。
万機公論の実践
Q.知事は独断専行発言をやめ、「万機公論に決すべし」を真に実践すべきだが、どう考えるか。また、今後不適切発言をした場合の覚悟は。
A.今後も常に万機公論を旨とし、県内各地の現場に赴き、現場から学び、現場に即した政策を議論する現場主義を堅持するとともに、県民の皆様にとって最善の結論を模索しながら県政運営に取り組む。既に辞職勧告決議を受け退路を断っている。もし今後、不適切発言があり県民に迷惑をかけるようなことになれば、辞職する覚悟はある。
逢初川土石流災害に係る対応
Q.行政対応に関する再検証については、二度と同様の災害が起こることがないよう丁寧に行うべきと考えるが、現状と今後の見通しは。
A.7月に庁内の検証委員会を設置し、砂防法や森林法など六法令に係る行政対応について再検証作業を進めている。現在、事実関係を踏まえて論点を整理するとともに、当時の担当職員への聞き取りを行っている。今後は、それらを基に行政対応の妥当性を検証・評価した上で、再発防止の観点から対策等を検討し、検証結果として取りまとめる。
産業
SHIPの今後の展望
Q.SHIPによるスタートアップへの支援や、行政と民間が共に社会課題に取り組む仕組みづくりへの方策は。
A.SHIPへの「ワンストップ相談窓口」の設置や、産学官金関係者のネットワークのハブ機能をSHIPに持たせ多様な交流機会を創ることでスタートアップを支援する。また、スタートアップが持つ革新的なアイデアが本県の抱える社会課題の解決につながるようさまざまな機会を創出することで、志のあるスタートアップの夢を本県で実現できる環境整備に取り組む。
用語解説:SHIP
県内のデジタル化やイノベーションの創出を目的に設置された交流の「場」のことで、Shizuoka Innovation Platformの略。ICTやデジタル技術の知識を習得したり、組織を越えた協業・共同研究、新規事業のきっかけとなる交流を支援する。令和5年3月に設置された。
用語解説:スタートアップ
一般的に、新たなビジネスモデルを築き、社会に変革・イノベーションを起こして、短期間で急成長を目指す企業のことを指す。
安全・安心
社会インフラの老朽化対策
Q.県民の安全・安心の確保や社会経済活動の基盤となる道路や河川等の社会インフラの老朽化対策は。
A.これまで、「社会資本長寿命化行動方針」に基づき、事後保全型管理から予防保全型管理に軸足を移し補修等を行ってきた。高度成長期に一斉に建設された社会インフラが更新時期を迎える中、老朽化対策をさらに効率的に行うため、3次元点群データを活用したAIによる点検データの分析等により、劣化状況のより迅速な把握、点検日数の短縮などを図っていく。
警察活動の在り方
Q.変容する社会情勢を背景に複雑化・多様化する事件事故等への初動対応は。
A.令和5年3月に通信指令システムを更新し、パトカー車載カメラからの現場状況の瞬時確認や、地理情報との連携により、きめ細かな指令が可能となった。また、4月から全国で運用を開始した「110番映像通報システム」では、通報者のスマホで撮影した動画等を受信し、現場の状況がより早く正確に把握できるようになった。これらの仕組みを最大限に活用し、効果的な初動対応を行う。
原子力災害時の広域避難計画
Q.県民の安心安全のため、避難計画の実効性向上にどう取り組むか。
A.北陸など降雪地域への避難対策では、避難途中に自家用車を一時的に駐車場に預けバス等に乗り換えて避難できるよう関係者と協議している。また、要配慮者が災害時に一時的に屋内退避できるよう社会福祉施設等の放射線防護対策等を進めている。避難経路等における関係機関との協力体制強化や渋滞対策では、避難情報の確実な伝達や避難状況の即時集約を行うシステムの開発を進めている。
人工衛星を活用した盛り土監視
Q.山間区域でモデル実施している盛り土監視の効果と今後の可能性は。
A.今年と昨年の衛星画像の比較解析により、複数の地形改変箇所が抽出できた。森林伐採等の情報を重ね解析精度を高めることで、不適切盛り土の早期発見や効率的な監視が可能となる。現在の光学衛星画像では正確な盛り土高の把握等に制約があるが、電波を利用する衛星データの活用により、微細な地表面の変動の把握や盛り土開始時期、盛り土量の特定等も可能なため、活用の可能性を研究する。
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