令和5年12月定例会意見書(令和5年12月21日可決)

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ページID1058814  更新日 2023年12月22日

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診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬及び保育等の公定価格の適切な改定を求める意見書

令和5年12月21日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 厚生労働大臣
  • 内閣官房長官
  • 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策)

本文

 少子・高齢化が急速に進展する中、国民が将来への不安を感ずることなく住み慣れた地域で、良質な医療、介護、障害福祉サービス、保育等が受けられる体制を構築することは極めて重要である。
 しかし、医療機関、介護事業所、障害福祉サービス事業所、保育施設等では、長期化したコロナ禍で感染対策に係る諸経費の増加に加え、電気代・ガス代・燃料費等の光熱費や食材費等、あらゆる費目での物価高騰を受け、運営状況は著しく逼迫している。また、昨今、他の産業における賃上げが進み、医療・福祉・保育関係従事者と全産業平均との賃金格差が拡大しており、人材の確保がより困難な状況となっている。
 医療機関、介護事業所、障害福祉サービス事業所、保育施設等の収入は、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬及び保育等の公定価格などで定められており、患者・利用者負担へ転嫁することは困難である。
 よって国においては、医療機関、介護事業所、障害福祉サービス事業所、保育施設等における物価高騰対策への支援及び人材確保に向けた処遇改善を図るため、来年度に実施予定の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の同時改定と保育等の公定価格の改定において、経営実態調査等により把握した物価高騰の影響や賃金の状況を反映した適切な改定を実施するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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地方空港の国際定期路線再開に向けた支援の強化を求める意見書

令和5年12月21日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 国土交通大臣

本文

 新型コロナウイルス感染症の水際対策が緩和された令和4年10月以降、海外からの旅客需要は急速に高まり、令和5年10月時点で訪日外国人旅行者数はコロナ禍以前の水準を上回るまでに回復している。地方空港における国際定期路線の運航に伴うインバウンドの増加は、経済的な波及効果をもたらし地域の活性化に大きな成果を上げてきており、路線再開に対する地域の要望は大きい。
 しかしながら、地方空港によっては、就航先相手国との調整や航空会社内の調整等によりコロナ禍以前の水準まで回復していないのが現状である。また、搭乗手続や飛行機の誘導、貨物の積卸し等、地上で航空機の離発着に不可欠な業務を行う人材であるグランドハンドリングは、コロナ禍で業務が激減し離職等により従事者が減少したことにより、需要が回復した現在は、深刻な人手不足が生じており、一部の中堅的人材に業務が集中し長時間労働が常態化するという新たな問題も発生している。
 一方、国は、訪日誘客支援空港に認定した地方空港に対し、着陸料の補助や運航再開等経費の支援などを行っており、コロナ禍で大きな打撃を受けた航空会社に対して運航経費を軽減するための支援を実施することは、路線再開に向けた大きなインセンティブとなっている。本県においてもこの制度を活用した一定の効果が現れてきているが、引き続き制度の確実かつ継続的な実施及び補助額と補助対象期間の上限の引上げなど、さらなる制度の拡充が望まれる。
 よって国においては、地方空港におけるグランドハンドリング人材の確保に向けた支援及び国際定期路線の早期再開と再開後の路線維持に向けた航空会社に対する運航支援を強化するため、各支援制度の拡充と十分な予算措置を講ずるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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おたふくかぜワクチンの早期定期接種化を求める意見書

令和5年12月21日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 厚生労働大臣

本文

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、無菌性髄膜炎、脳炎・脳症等の神経の合併症を伴うリスクや、約1,000人に1人の割合で聴覚障がい(難聴)を起こすリスク、さらに精巣炎・卵巣炎・膵炎を起こすリスクや、妊婦が感染した場合は流産のリスクもある重い感染症である。日本耳鼻咽喉科学会の調査では、2015年から2016年の2年間に少なくとも300人でおたふくかぜの罹患後に聴覚障がいの後遺症が現れたと報告されている。
 この疾患を予防するおたふくかぜワクチンは、その効果と安全性が確認されており、日本小児科学会でも接種が推奨されている。また、おたふくかぜワクチンは2009年時点で世界118か国で定期接種が行われており、このワクチンの1回接種を実施している国では、おたふくかぜの発症者数は88%減少し、2回接種を実施している国では、99%減少しているというデータも存在する。
 おたふくかぜワクチンの接種率が向上することにより、おたふくかぜの流行の防止、脳炎・脳症、聴覚障がい等の重篤な合併症及び後遺症の発症者の減少並びに家庭内感染の防止といった効果や、これらの結果として、医療費の削減につながることも期待される。
 しかし、現在、乳幼児へのおたふくかぜワクチンの接種は、予防接種法上の定期接種に位置づけられておらず、接種は任意となっている。おたふくかぜワクチンは2回の接種が推奨されているが、費用は1回につき5,000円から7,000円程度掛かり、乳幼児の保護者の経済的負担が大きい上、ワクチン接種の必要性が十分認識されているとは言い難い状況もあり、接種率は30%から40%程度にとどまっている。
 よって国においては、おたふくかぜを予防接種法上のA類疾病の「集団予防を図る目的で予防接種を行う疾病」に位置づけ、おたふくかぜワクチンの早期定期接種化を実現するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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認知症との共生社会の実現を求める意見書

令和5年12月21日

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 厚生労働大臣

本文

 

 我が国における認知症高齢者の数は、2025年に約700万人、65歳以上の人の約5人に1人が、認知症になると見込まれている。こうした中、令和5年6月に、認知症の方を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会の実現を目指して「共生社会の実現を推進する認知症基本法」(以下「認知症基本法」という。)が成立した。
 認知症は誰もが発症し、誰もが認知症の介護者となる可能性があることから、共生社会の実現には大きな期待が寄せられているが、認知症の方が尊厳を保持しつつ希望を持って家庭や地域の中で暮らしていくためには、周囲の正しい知識と理解が不可欠であり、保健医療や福祉サービス等の充実、予防や介護等の研究はもとより、生活における障壁の除去など、多岐にわたりきめ細やかな施策を講ずることが重要である。
 よって国においては、認知症との共生社会を実現するため、下記の事項について積極的に取り組むよう強く要望する。

  1. 認知症基本法の円滑な施行に向け、施行後に設置する「認知症施策推進本部」などの準備に万全を期すとともに、認知症に対する差別や偏見の解消のため、省庁横断的かつ総合的な取組を推進すること。
  2. 地方自治体の認知症施策推進計画の策定について、専門人材の派遣などの支援を実施するとともに、認知症の方が施策の計画から評価まで参画できる体制を整備すること。また、各自治体の自由度の高い事業展開と予算措置の在り方を検討すること。
  3. 認知症の方の労働意欲に応えるため、相談体制を充実させるとともに、事業者の理解促進と労働環境の整備を図ること。
  4. 相談から訪問介護、通所、ショートステイまでオールインワンで介護サービスを提供する小規模多機能型居宅介護サービス事業について、見守り体制の整備も含めて拡充し、認知症の方の家族等の負担軽減を図ること。
  5. 身寄りのない認知症の方に関して、本人の意思を最大限に尊重し柔軟に寄り添い支える成年後見制度や身元保証等の在り方について検討すること。
  6. 認知症への正しい理解を深めるため、国民への啓発や学習機会の創出を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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このページに関するお問い合わせ

静岡県議会政策調査課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
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