令和3年6月県議会定例会知事提案説明要旨3-1
令和3年6月県議会定例会知事提案説明要旨
【3.命を守る危機管理】(1)新型コロナウイルス感染症への対応
はじめに、命を守る危機管理についてであります。
新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、東京都、愛知県など10都道府県に発令されていた緊急事態宣言は、沖縄県を除き、まん延防止等重点措置等に移行されました。本県におきましても、県民の皆様の御協力により感染者数が減少し、県西部地域を中心に続いていた厳しい病床の逼迫が緩和されましたことから、県の警戒レベルを「5の特別警戒」から「4の県内警戒、県外警戒」に引き下げたところです。しかし、デルタ株など新たな変異株の流行が懸念されていることに加え、今後、夏休みなどにより人流が拡大する機会が増加することで、再び感染が拡大局面を迎えるおそれがあるなど、依然として予断を許さない状況であります。
県民の皆様には、手指消毒やマスクの着用、三密はもちろん、一密であっても避けていただくなど新しい生活様式の励行のほか、職場の休憩室や寮などの共同生活、学生同士の会食など最近の感染拡大の事例を踏まえた感染防止対策の徹底をお願いしているところです。今後も、県内外の感染状況や医療提供体制等を常時把握・分析し、県民の皆様に分かりやすい情報提供・注意喚起を行うことで、感染拡大の抑止に努めてまいります。
ワクチン接種につきましては、医療従事者への接種がほぼ完了し、市町において、高齢者への接種が本格化しています。県では、高齢者への接種に対する支援を強化するため、県内4か所、具体的には、伊豆の国市の「順天堂大学医学部附属静岡病院」、富士市の「ふじさんめっせ」、吉田町の「吉田町総合体育館」、掛川市の「掛川B&G海洋センター」に、県が運営する広域接種会場を開設いたしました。4会場で、7月末までに合計5万5,800回の接種を実施してまいります。
各市町の精力的な取組と医療従事者の皆様の多大なる御協力の結果、県下の35市町全てにおいて、7月末までに、65歳以上の希望する高齢者へのワクチン接種が完了する見込みとなりました。今後は、65歳未満の県民への接種に向けた準備が本格化してまいります。これまでのワクチン接種における課題を踏まえ、その改善を図りながら、私が先頭に立って、市町や関係機関、職域接種を行う企業などとともに、円滑なワクチン接種を進めてまいります。
病床の確保につきましては、県内の医療機関に御協力をいただき、4月末に策定した新たな病床確保計画を上回る582床を、受け入れ可能な病床として確保いたしました。しかし、5月の大型連休後に感染が再拡大して以降、病床の占有率が注意すべき水準で推移してきたことから、宿泊療養施設や後方支援病院の確保を進め、入院治療が必要な患者への医療提供体制の充実を図ってまいります。
軽症者等の宿泊療養施設につきましては、富士市で新たに1施設を確保し、今月21日から運用を開始いたしました。これにより、県全体で5施設、630室程度の体制が整備されました。後方支援病院につきましては、各医療機関、福祉施設の御協力により、97施設、356床を確保しており、感染症患者を受け入れている病院からの転院を円滑に行うことで、病床逼迫の緩和に努めてまいります。