静岡県を仮想空間ビジネスの先進地域に
県は、令和6年度から、仮想空間デジタルクリエイト分野の人づくり・仕事づくりの取組を進めています。
もう今更紹介するまでもなく、デジタルツインやメタバースに代表される仮想空間分野は、成長が著しい分野であり、製造業や建設業、観光業や教育など、様々な領域で、ビジネスが広がっています。令和4年度の情報通信白書によれば、国内の仮想空間ビジネス市場規模は、2027年には、2022年度比14倍の2兆円を超えると見込まれています。
一方で、仮想空間を含むデジタル人材不足は深刻で、経済産業省は、2030年には、79万人が不足する可能性を明らかにしています。
こと、仮想空間の構築に必要なゲーム開発技術を持つデジタル人材獲得競争は激化し、昨年来、大手ゲームメーカーが相次いで賃上げを発表し、初任給を一気に3割近く引き上げるという企業も現れています。
こうした中で、県は、2019年から、県土の3次元点群データを取得・蓄積し、1分の1スケールの静岡県を仮想空間上に再現できる環境を整備するなど、仮想空間分野で先進的な取組を進めてきています。この環境を、教育機関に役立て、あるいは、県内企業が仮想空間ビジネスに新規参入するきっかけにしてもらえないかと考えました。人材獲得は、企業にとって重要な経営戦略となってきていますから、人材を求める企業を、静岡県に誘致することも考えられます。
実は、静岡県には、仮想空間の教育機関として優れた実績を有する静岡理工科大学グループがあります。全国に先駆けてゲームクリエイト科を設置した静岡産業技術専門学校など、仮想空間に関連する学部・学科を持つ1大学4専門学校を擁し、本分野の人材育成を積極的に進めています。
そこで、6月に、同グループと県との間で、寄附講座を設置し、3次元点群データも活用してもらいながら、仮想空間分野の人づくりや仕事づくりに取り組んでいただくための協定を締結しました。
今後、この協定に基づき、同グループの関連校では、デジタルクリエイト人材のための新しいプログラムを開発し、ビジネスの最先端にいる専門家等を講師に招いた講座を展開いただくことになります。
また、来る8月29日には、今後のプログラム開発に携わる指導者を招いて、公開講座も開催されるほか、9月以降には、仮想空間をテーマに、学生と県内企業等との交流・共創を図るコミュニティが立ち上がるとのことです。ここに集う意欲ある若者達と企業との間でどんなシナジーが生まれてくるのか、是非期待していただきたいと思いますし、広くこのビジネス分野に興味のある皆さんのご参加をお待ちします。
この取組の全容は、この場でもまた続報したいと思いますが、まずは、学校法人静岡理工科大学の杉浦理事長様をはじめ、御関係の皆様方の多大なる御尽力にお礼申し上げながら、始動する仮想空間デジタルクリエイト分野の人づくり・仕事づくりを紹介させていただきます。
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