静岡から世界へ!ふじのくにセルロース循環経済国際展示会を開催
未来を変える新素材”CNF”とは?
セルロースナノファイバー(以下、CNF)は、木材などの繊維をナノレベルまで細かくした素材です。「鉄の5倍の強度で重さは鉄の5分の1」と言われており、自動車部品への応用が期待されています。その他にも、身の回りの食品や化粧品、マグカップ等の日用品でも製品化が進んでいます。また、環境面においても、製品(自動車等)の軽量化によるCO2排出量の減少や、プラスチック等の石油資源の使用量の削減など、持続可能な社会の実現への貢献も期待されています。
静岡県は、CNFの原料であるパルプが豊富にあることに加え、「産業のデパート」とも称されるように、応用先となる産業も幅広くあるため、セルロース素材を活用した産業振興に全国に先駆けて取り組んでいます。
ふじのくにセルロース循環経済国際展示会
展示会の概要
静岡県では、環境に優しく、脱炭素や循環経済の実現に寄与する植物由来の新素材「セルロース素材」の可能性に着目し、全国に先駆けて製品化や関連産業の集積を進めています。
その一環として、10月16日(木曜)と17日(金曜)の2日間、「ふじのくにセルロース循環経済国際展示会」を富士市のふじさんめっせで開催しました。この展示会は、セルロース素材を活用した製品・技術に関する国内最大級のイベントで、当日は過去最多の128の企業や団体が出展し、2日間で約2,000人の方が来場されるなど、「セルロース素材」に対する産業界や県民の期待や関心の高さが感じられる結果となりました。
「陸・海・空」のモビリティが大集合
セルロース素材の普及の最大の鍵を握っているのは、モビリティ分野への応用です。今回の展示会では、「陸・海・空」の各分野のモビリティが10台以上勢揃いした迫力満点の展示となり、社会実装に向けて着実に前進していることが感じられました。
大阪・関西万博の展示をふじさんめっせで再現
また、今回、ナノセルロースジャパンが6月10日から16日まで大阪・関西万博で実施した「うわっ、うわっ、うわっ、ナノセルロース」の再現展示も行いました。
モビリティ、化粧品、ヘルスケア、電子材料、食品、生活の6分野での製品展示のほか、セルロースの機能性を体感できるコーナーを設け人気を集めました。セルロースに日頃から馴染みのない方にとっても、この素材が持つ高い機能性や用途展開の幅の広さなどを感じていただけたものと思います。
次はフランス・パリへ!
来年3月には、世界最大の複合材料展示会である「JEC World 2026」に、静岡県ブースを設置し、県内企業3社と共同出展します。今年の同展示会に足を運んだ静岡大学の西村特任教授によると、既にヨーロッパの関係者は、県が昨年度制作したコンセプトカー「しずおかもくまる」をYouTubeで視聴して知っているそうです。現在、出展各社と英語で製品情報を発信する準備も進めているところです。環境意識の高いヨーロッパで、県内企業のセルロース製品がどのように受け入れられるか、今から楽しみにしています。
再生時間:3分53秒
静岡県産木材等を使用したコンセプトカー「しずおか もくまる」
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