第28回伊豆文学賞 入賞作品決定

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ページID1068828  更新日 2025年1月20日

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文学のふるさと伊豆・東部をはじめ静岡県内を題材とする文学作品を公募した第28回伊豆文学賞の入賞作品が次のとおり決定しました。

1 審査結果

入賞作品のあらすじは「7 入賞作品のあらすじ」のリンクをご覧ください。

(1)小説・随筆・紀行文部門

小説・随筆・紀行文部門

作品名

種別

作者名

居住地

最優秀賞

ノイジー・ブルー・ワールド

小説

ナガノ・イズミ

(ながの・いずみ)

静岡県駿東郡長泉町

優秀賞

青菜屋敷

小説

春野 礼奈 

(はるの れな)

東京都調布市

佳作

台風の後に

小説

北河 さつき

(きたがわ さつき)

静岡県富士市

佳作

権現の返り言

小説

星山 健

(ほしやま けん)

兵庫県宝塚市

(2)掌篇部門

掌篇部門

作品名

作者名

居住地

最優秀賞

 

Resonance Resilience

秋元 祐紀

(あきもと ゆうき)

静岡県静岡市

優秀賞

柿田川湧水

大岡 晃子

(おおおか あきこ)

静岡県駿東群長泉町

優秀賞

一分間の瞑想

岡田 あさひ

(おかだ あさひ)

静岡県掛川市

優秀賞

流島 水徒

(るじま すいと)

静岡県御殿場市

優秀賞

熱海の灯

内藤 ひとみ

(ないとう ひとみ)

東京都練馬区

優秀賞

桜舞う季節まで

初又 瑚白

(はつまた こはく)

静岡県伊豆の国市

2 最優秀賞受賞者のコメント

(1)小説・随筆・紀行文部門 ナガノ・イズミ

受賞の知らせを聞いて

最優秀賞に選ばれると全く予想していなかったので、とても驚いております。大変光栄です。

応募の動機、静岡県との関わり

 伊豆文学賞は、私が初めて応募し、賞を頂いた文学賞です。静岡県は私の生まれ育った土地ですが、普段そのことを意識することは稀です。曲がりなりにも、静岡を舞台にひとつの小説を立ち上げることは、地元について改めて考えるきっかけを与えてくれました。

作品に込めた思い

 [海」が今作のキーワードです。海は、私にとって重要なモチーフのひとつです。ふらりと海を見にいくことがたまにあるのですが、海を眺めていると、疲弊するようで安心するような、不思議な感覚にいつも襲われます。それはなぜなのか。これについて考えるために、今回の小説を書いたような気がしています。

(2)掌篇部門 秋元 祐紀

受賞の知らせを聞いて

 最優秀賞に選んでいただき、大変光栄です。ありがとうございます。お電話をいただいた後も、自宅に受賞のお知らせの手紙が届くまで実感が湧かず、ふわふわしていました。一人称独白体、意識の流れが好きなので、何を書くかと共に、いかに書くかという点も今後も追究していきたいです。

応募の動機、静岡県との関わり

 静岡県には楽器メーカーが多くありますが、吹奏楽コンクールのパンフレットを見るたびに吹奏楽人口が減少してきたと実感しています。生まれ育った静岡の皆さんに吹奏楽に興味を持ってもらうとともに、新型コロナウイルス感染症の爆発的流行から数年たった今だからこそ言葉にできることを、今、残しておきたいと思い、作品を書き上げました。

作品に込めた思い

 吹奏楽部に所属していた中高生時代の半分くらいは「苦しい」「辞めたい」と思っていましたが、音を通して会話をし心に触れ、一つの大きなうねりを生み出す瞬間が年に1,2回あり、その喜びと快感に呪われて15年以上吹奏楽の演奏を細々と続けています。新型コロナウイルス感染症のもと、”不要不急”という標語が日本を席巻しましたが、あの出来事を経て、”要”でも”急”でもないものが人間を人間らしく生かすのだと改めて思いました。性格も意見も熱量も違う者同士が交わることで衝突もありますが、その先に自分一人では見えない景色があるというのは、吹奏楽に限らず、人間社会の真理である気がします。これからも、学校がそうしたことを経験できる場所であり続けてほしいと願っています。

3 最優秀賞作品についての審査員コメント

(1)小説・随筆・紀行文部門 (審査員:村松 友視)

 すごく軽快な今風な言葉で語りかけられているが、描写や心模様が緻密で工夫が凝らされている点が評価できる。元文芸編集者の感触としては、作者を訪ねて次の作品を依頼したくなるような作品であった。まだまだ先が見たい。期待がもてる作者だ。

 

(2)掌篇部門 (審査員:今村 翔吾)

 作品としては、まだまだかなり荒いものであるということ。物語の形も何とか留めているかという印象を受けたが、それを補ってあまるものがある。それは文章の中に光るものがあるということ。これは技術ではなく、作者の本音に拠るものであろうと思う。作品には大なり小なり作者の想いが籠もっている。作者は技術こそ荒削りだが、その想いが他を圧倒していたのではないか。技術を管の太さ、想いを水量に譬えるならば、まだ管はさほど広くはないのに、水量が極めて多いため、しかと噴出しているようなもの。まだ伸び代も感じて期待が出来る。

 

4 審査員

(1)小説・随筆・紀行文部門

村松 友視(作家、第87回直木賞受賞)
嵐山 光三郎(作家、第58回読売文学賞受賞)
太田 治子(作家、第1回坪田譲治文学賞受賞)
諸田 玲子(作家、第26回新田次郎文学賞受賞)

(2)掌篇部門

村松 友視(作家、第87回直木賞受賞)
中村 直美(株式会社交通新聞社 常務取締役 コミュニケーションデザイン事業部長)
今村 翔吾(作家、第166回直木賞受賞)
 

5 賞

(1)小説・随筆・紀行文部門

  • 最優秀賞 賞金 100万円
  • 優秀賞 賞金 20万円
  • 佳作 賞金 5万円

(2)掌篇部門

  • 最優秀賞 賞金 5万円
  • 優秀賞 賞金 1万円

6 募集結果

(1)応募総数

446編(小説203編、随筆33編、紀行文15編、掌篇195編)

(2)年代別応募数

年代別
部門 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代 不詳 合計
小説・随筆・紀行文

4

13 20 24 35 63 62 24 2 4 251
掌篇 23 16 18 28 33 25 29 19 1 3 195
合計 27 29 38 52 68 88 91 43 3 7 446

(3)居住地別応募数

居住地別
部門 静岡県 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 愛知県 その他都道府県 合計
小説・随筆・紀行文 117 39 22 5 11 9 48 251
掌篇 91 24 21 8 7 4 40 195
合計 208 63 43 13 18 13 88 446

7 入賞作品のあらすじ

次のリンクをクリックすると「あらすじ」ページを表示できます。

このページに関するお問い合わせ

スポーツ・文化観光部文化局文化政策課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2252
ファクス番号:054-221-2827
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