避難所の実態を考えよう
避難所を運営するために、あなたの力が役立ちます。ぜひ、自主防災組織の活動にご協力ください。
あなたが今、自主防災組織の役員でなくとも、できることがあります。
普段からできること
まず、自主防災組織が進める各種台帳整備や地域の安全確認、避難場所・避難所の情報収集、資機材の備蓄などに協力することがその一つです。
自主防災組織の対応が進んでいない部分は、その促進を図ることも必要かもしれません。その時には役員任せにするのではなく、自ら積極的にその役を買って出ることが大切です。
自主防災訓練に参加することも重要でしょう。先進的な自主防災組織では、要配慮者を近隣住民で避難誘導する訓練などを始めているところもあります。こうした機会をとらえて、地域の課題を意識し、防災力を高めていくことが、効果的な対策に結びつきます。
また、実際の避難所運営にあたっては多くの人材を必要とします。あなたが協力できる事柄があれば、あらかじめ人材台帳に登録しておくことが大きな助けになります。
あなたが幸いにして避難所での生活をしなくて済んだ時にも、できる限り避難所の運営を支えてあげて欲しいと思います。隣人愛を発揮してください。
辛いのはお互い様です。難しいことですが、お互いの思いやりで避難生活を乗り切りましょう。
では次に、あなたを含む自主防災組織として、普段から準備できることを具体的に考えてみましょう。
「世帯台帳」の作成
これは、あなたの世帯の家族構成や緊急時の連絡先などを記入していただくものです。
最近は近所づきあいが希薄になっています。近所の方は、あなたの世帯がどのような家族構成かご存知と思いますか?プライバシーにかかわることでもあり、むしろ知られたくないと思われているでしょうか。
でも、ひょっとして寝静まった夜中に突然地震がおき、あなたは口も利けない状態で救出されるかもしれない。その時、まだ他に誰か生埋めになっている家族がいるのかどうか、誰もわからないとしたらどうでしょう。
あるいは、平日の昼間に突然地震が起きたとして、あなたの家族が大怪我をしつつ救出されたとき、あなたの勤務先を誰も知らないとしたら、どうやって、誰が連絡をとってくれるのでしょう?
そう考えれば、そうした事項が記載された、しっかりした世帯台帳を作っておくことの大切さがおわかりになるでしょう。
世帯台帳の役目はそれだけではありません。避難所開設後、避難所でただちに作成しなければならない避難者名簿も、世帯台帳があれば、それにもとづいて避難者のリストアップが可能ですから、必要な救援物資の手配などに直ちに役立てられますし、もしその台帳が人材の把握までできるようなものになっていれば、地域の隠れた人材を探し出すことが迅速に行われ、避難所運営の大きな力になります。
「避難行動要支援者名簿」の作成
寝たきりの高齢者や障害のある人は、避難生活には大きな困難を伴うと思われます。
自主防災組織は、そういう方に対し避難所で出来る限りの配慮を行う必要が生じます。そうした時のために、どのような配慮が必要なのか、事前に把握しておかなければなりません。
特に、介護を要するような状態の方には、医薬品や介護機器など緊急物資の手配、あるいは介護の補助のためのボランティアなど支援者の要請といったことが避難所運営上必要になると思われます。そうした配慮のためにも、あらかじめ要配慮者のうち特に一人で避難行動等がとれない者についての「避難行動要支援者名簿」への登録がぜひとも必要になってくるのです。
「避難生活計画書」の作成
そして自主防災組織では、避難所の運営に当たって必要な情報をあらかじめ整理する「避難生活計画書」というものを作ります。その作成にはたくさんの情報を集め、なおかつ避難所を共にする他の自主防災組織との情報の交換や共有、施設管理者との調整など、大変な手間がかかるものです。これらを役員任せにするのではなく、あなたも積極的に協力をしてあげてください。あなたの力が必要です。
避難所でできること…特に要配慮者に対して
寝たきりの高齢者や病人の介護、乳幼児の世話は普段でも大変なものですが、避難所では、それを大所帯の生活の中でしなくてはなりません。普段介護してくれる同居家族がいない方はもちろん、家族だけでは介護が困難と思われる世帯も、対策を考える必要があります。
以下は、避難所で要配慮者に対して配慮したい基本的な項目です。
- 場所決め(早い者勝ちではなく、要配慮者を優先)
- 歩きやすい通路を確保(通路の確保:田の字型配列が最適)
- 視覚障害の方は、壁伝いにトイレに行ける場所に
- 聴覚障害の方には、筆談用具を(筆記用具や用紙、ホワイトボード&ペンなど)
- 補助犬(盲導犬など)への心遣い(迷惑がらない、手を出さない)
- 女性へのプライバシー配慮
- 子供のおむつ交換所、授乳場所、夜泣き対応
- 食物アレルギーへの配慮
あなたの力をご提供ください!
避難所の運営は人の力が頼りです。あなたにできる事がきっとあるはずです。あなたの持っている資格や経験、また特に資格など必要がない仕事もたくさんあります。あなたにできる事を考えてみてください。
もしあなたが、いざという時に避難所運営に協力してもよい、とお考えでしたら、ぜひその意志を表明してください。
不幸にして被災し、個人や家族の力だけではどうしようもないことも、お互いに支えあうことで軽減されます。しかし、そうした避難所の運営も、誰かがやってくれるものではありません。地域に住む全ての人々がその活動を支え、平常時も含めてできる限りの協力をしていくことが、とても大切なことなのです。
避難所の運営は、人の力(マンパワー)が頼りです。
特別な資格や経験などの有無にかかわらず、多くの人の協力が大きな力となります。いろいろな経験・資格・技能などをお持ちであれば、さらに大きな助けとなることは間違いありません。
このような職業をご経験の方は、特に大きな助けとなります。
こうした資格や技能を特に持たなくてもできる仕事がたくさんあります。例えば、炊き出しは料理が得意な方、施設の設営や営繕は日曜大工が得意な方、幼児学童の世話は子供好きの方とか、そのほか救援物資の仕分け、情報の整理事務など、どんなことでも助かります。避難生活を少しでも円滑に行うため、自主防災組織のメンバーの一人として、積極的な参加をお願いします。
その意思を表明するのは難しいことではありません。
自主防災組織の世帯台帳の作成の時などに、資格・特技をひとこと添えるだけでいいのです。
その情報をもとに自主防災組織の役員は「人材台帳」というものを作ることができます。
普段から自主防災の特別な仕事を引き受けてもらおうというわけではなく(防災訓練の時などには協力をお願いするかもしれませんが)、避難や救出救護の支援とか、避難場所が運営を開始する時、ぜひあなたの力をお貸しください。
このページに関するお問い合わせ
危機管理部危機情報課
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