あっせん事例(詳細)セクハラ・パワハラ5
勤務先の所長から受けたパワハラがもとで休業に至った従業員(正社員)が、分社化によって設立された別会社への転籍を求めてあっせん申請を行った事例(個人と会社の間のトラブル)。
申請者
労働者側
事案の概要
正社員である労働者Aは、B社事業所長から暴言、侮辱等のパワハラを受け続けた上、工期が短い小工事以外は担当職を与えられない状態が続いた。Aは仕事を休みがちになり、担当する小工事が終わってからは一切仕事を与えられず、うつ状態になり病院へ通院し、出社が困難になった。その後B社が保守部門を独立させ分社化したため、Aは、所長のパワハラを受けないようにこの別会社への転籍をB社に願い出たが、別会社であるから不可能と回答された上、B社の関東地区事業所への異動を提案された。Aはこれを拒否し、2か月間の病気休暇を申請するとともに、あっせん申請に及んだ。
労働者側の主張
分社化により設立された別会社への転籍及びその会社の県内支店への転勤を希望する。別会社といっても、経営陣等はB社と同じで、実質的には同一会社であるから、転籍が不可能なはずはない。転籍できない場合、原因はパワハラにあるので、休業補償として6百万円余の金銭の支払いを求める。
使用者側の主張
分社したばかりで転籍等を行う体制が整っていない上、分社した別会社には別資本が入っており、転籍には会社間の協議が必要となる。(Aの希望する)別会社では、保守管理の専門知識が必要だが、Aは工事従事者であり、転籍の対象外だった。また、パワハラの相談は、分社後に受けていた。
結果【解決】
事務局調査実施時、B社は転籍の実現に難色を示したが、自主解決に向けてAと再度話し合う意向を示しており、後日、両当事者が労働委員会事務局に出頭し、Aの希望どおり、転籍と県内の同社事業所への勤務が決定した旨の解決報告書がAから提出され、事件は解決した。
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