沼津駅付近鉄道高架事業についての質問

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ページID1042591  更新日 2024年3月26日

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Q1.事業の目的は?

A1.

 沼津駅周辺は、3ガード(三ツ目、あまね、のぼりみち)における朝夕の混雑や大雨時の冠水、線形不良による事故や、駅周辺の13箇所の踏切における交通渋滞や踏切事故、あまねガードの自転車押し歩きなど、都市構造に起因した多くの交通課題を抱えています。

 また、まちづくりの観点では、鉄道施設が中心市街地に立地しているため、南北市街地が分断されている状況です。

 本事業は、これら課題の抜本的な解消を目的にしており、鉄道を一定区間連続して高架化し、複数の踏切を一挙に除却することで、都市構造を改善し、都市内交通の円滑化、分断された市街地の一体化を図ります。

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Q2.事業の効果は?

A2.

 自動車交通に関しては、既設の3ガードが平面の4車線道路となり、これまでの踏切は除却され、鉄道と交差する幹線道路が整備されるため、南北交通の円滑化が図られます。

 歩行者・自転車交通に関しては、既設の3ガードが歩道付きの平面道路となり、他にも鉄道と交差する歩行者動線が増えるため、利便性が高まります。また、新たに出来る駅のコンコースは平面の自由通路となるため、南北の往来がスムーズになります。

 まちづくりの観点では、現在の沼津駅に存在する車両基地、貨物駅が移転し、南北の幅が今よりもスリムな駅となることにより、まちづくりに活用できる鉄道施設跡地が中心市街地に創出されるとともに、鉄道高架により生み出される高架下空間についても新たな土地利用が可能となります。

 また、鉄道と交差する南北動線が増え、往来が活発化することで、南北市街地の一体化と活性化が期待されます。

 その他、既設ガードの冠水や事故による通行止めの解消、交差道路が整備されることによる救急車や消防車などの緊急車両の円滑な通行、災害時の避難路の確保、駅ホームへのアクセス向上など、本事業により様々な効果の発現が期待されます。

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Q3.「沼津市中心市街地まちづくり戦略」との関係は?

A3.

 沼津市が令和2年3月に策定した「沼津市中心市街地まちづくり戦略(以下「まちづくり戦略」という。)」は、沼津駅付近鉄道高架事業を中心とする沼津駅周辺総合整備事業と連携しながら、中心市街地をヒト中心の魅力あるまちに再生し、多くの市民や来街者が集い、交流し、住まい、回遊する都市の顔とするために、まちづくり施策の方向性を示したものです。

 本戦略では、以下の4つの基本戦略が位置づけられています。

【基本戦略】

(1) 都市の魅力向上による中心市街地の再生と拠点性の回復

(2) 中心市街地に集積する施設の更新や既存ストックの利活用

(3) 公共交通の充実と歩いて楽しいまちづくり

(4) 快適な居住環境の創出による、まちなか居住の促進

 これらの戦略に基づき、沼津駅周辺総合整備事業の周辺部までを含めた区域を対象として、沼津市では現在、公共空間再編計画の策定や公共空間の利活用に関する社会実験、鉄道跡地の都市拠点機能の検討などに取り組んでいます。

 なお、まちづくり戦略は、国が推進するコンパクトシティ施策やウォーカブル施策が考え方のベースになっています。

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Q4.コンパクトシティ施策とどう関係があるの?

A4.

 “まちがコンパクトである”ということは、まちの機能が中心部に集約され、人口がその周辺にコンパクトに集積している状態のことを言います。

 まちがコンパクトになると、生活圏内に生活に必要な機能(買い物、病院、学校、娯楽施設など)が集積され、歩いて暮らしやすくなったり、中心部の商業を活性化できたりします。一方、行政は、まちがコンパクトになることで、道路などの公共施設の維持管理費用や各種自治体サービス費用が節約できるといった効果が期待でき、持続可能なまちづくりが可能となります。

 現在、沼津市では、コンパクトシティの考え方を一歩進めて、コンパクト化した中心市街地や集落などの拠点同士を公共交通ネットワークで結んだ“コンパクト+ネットワーク”という考え方を目指して、まちづくりを進めています。

 沼津駅周辺総合整備事業によるハード整備と沼津市中心市街地まちづくり戦略によるソフト施策によって、“コンパクト+ネットワーク”の実現を目指しています。

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Q5.鉄道高架の区間はどのように決めたの?

A5.

 沼津駅を中心として、都心部の交通課題の解決だけでなく、鉄道施設跡地等を利用した駅周辺の市街地整備が可能となる区間を選定しました。

 東側は、道路ネットワークの形成と車両基地跡地の面的整備を踏まえ、平町岡一色線(日吉踏切、高田踏切)までを高架区間(鉄道が道路と立体交差する区間)とし、高架化の始まりは大岡団地付近としました。

 西側は、市道沢田線(のぼり道ガード)以西は北側に工場群が立地し、高架化の効果が少ないことから市道沢田線までを高架区間とし、高架化の始まりは小諏訪付近としました。

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Q6.新車両基地はどんな施設なの?

A6.

 車両基地は、電車を留め置いたり、洗浄や検査をしたりする線路や点検庫や事務所などの建物がある施設です。同様の機能を有する現在の車両基地は、富士見町、杉崎町にありますが、これらの機能を片浜地区に移転します。

 車両基地の移転先の選定に当たっては、高架化計画との整合を図りつつ、なるべく沼津駅に近いこと、地域発展の障害にならないこと、周辺の土地利用、地形条件等を総合的に検討して選定しました。

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Q7.新貨物ターミナルはどんな施設なの?

A7.

 現在の貨物駅は、新中川の西側にあるコンテナの入換のための貨物駅施設や、そこから沼津駅までつながる貨物列車運行用の線路など、広い範囲に貨物駅施設が存在していますが、これらの施設を原西部地区に移転します。

 貨物駅の移転先の選定に当たっては、高架化計画との整合を図りつつ、東海道本線沿いの広い土地で道路条件や地形条件、安全な運行が確保できる鉄道線形等を総合的に検討して選定しました。

 現在の貨物駅は、貨車ごとの入換を頻繁に行う「解結荷役方式」ですが、新貨物ターミナルは、貨車は入換えずにコンテナホームから直接コンテナの入換を行う「着発線荷役方式(E&S方式)」を採用し、効率的な貨物駅となります。

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Q8.御殿場線が東海道線を上越しする計画としたのは?

A8.

 現在の沼津駅での列車運行機能の確保と車両基地への出入り等を考慮して高架後の配線を検討した結果、東海道本線の上下線ホームの間に御殿埸線ホームを配置し、御殿場線が東海道本線上り線を上越しして北側に下る計画が、高架面積が一番小さくなり事業費が最も安価となりました。

 これにより、駅利用者の乗り換えの利便性が向上し、御殿場線と東海道本線の直通運転がしやすくなるなど列車運行上のメリットもあります。

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Q9.高架橋の地震に対する安全性は?

A9.

 高架橋の計画は、平成7年の阪神・淡路大震災や平成23年の東日本大震災後に改訂された最新の耐震設計基準に基づいて、地震に対して十分な強度が確保できるよう設計していきます。

 東海道本線と御殿場線の高架区間については、約100メートル間隔で地質調査を行っていますが、表土の下の地質は粘性土、砂質土及びレキ質土が分布していることを確認しています。高架橋を支える支持層は、沼津駅付近では地盤から約10 メートル以深にあるレキ質土が適当と考えられることから、コンクリート杭等の基礎杭により高架橋を支える計画です。

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Q10.鉄道高架事業による生活環境への影響はないの?

A10.

 工事実施前の事前調査では、現況と比較して大きな環境の変化は生じないことを確認していますが、工事実施時には、騒音・振動対策としてロングレール(レールの継ぎ目が少ないレール)の敷設、騒音・振動の出にくい線路(弾性枕木直結軌道)などを採用する予定です。

 また、鉄道の高架構造物に沿って、騒音・振動、日照阻害等の緩衝帯の役割を担う6~9mの側道を設置します。

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Q11.人口減少が進む社会において、交通量は増えないのに既設ガードを4車線化する必要があるの?

A11.

 沼津市を含む東駿河湾都市圏では、将来道路網の検討にあたり、都市圏の人の動きを把握するためのパーソントリップ調査を実施し、概ね20年後の将来交通量を推計しています。

 第3回東駿河湾都市圏パーソントリップ調査(平成27年度)で実施した、将来の人口減少を考慮した交通量推計では、既設3ガードの路線は4車線化が必要な交通量であったことから、将来においても4車線化の必要性は変わりません。

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Q12.三ツ目ガードやあまねガードを改修し橋上駅化すればよいのでは?

A12.

 本事業は、沼津駅周辺が抱える南北市街地の分断、交通混雑、ガードの冠水、高さ制限、踏切の遮断や歩行者・自転車の移動制約などの多くの課題を抜本的に解消するための事業です。

 加えて、事業により移転する貨物駅・車両基地などの鉄道施設跡地や高架下空間など、新しいまちづくりへ活用できる空間が新たに生み出されます。

 ガードの改修と橋上駅化だけでは、課題の全てを解決することはできませんし、広大な鉄道施設が中心市街地にそのまま残るため、南北市街地を自由に往来できる一体的なまちづくりもできません。

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Q13.鉄道高架事業は将来への負担が大きいのでは?

A13.
 鉄道高架事業は、公共ニーズに基づいて県が事業の実施を決定した事業ですが、県と鉄道事業者が公民連携で整備し、整備後の鉄道高架施設のメンテナンスや施設更新は鉄道事業者が行う、いわば「公意・共設・民営」の事業です。一般的な公共事業(「公意・公設・公営」)とは異なり、整備後の鉄道高架施設の維持管理は、費用を含め鉄道事業者が全て賄うのが特徴です。

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Q14.鉄道高架事業の全体事業費は?

A14.

 全体事業費は、1,034億円です。

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Q15.沼津駅付近鉄道高架事業の費用便益比、算出方法は?

A15.

 令和4年度の事業再評価において算出した費用便益比(B/C)は1.1です。

 事業再評価では、事業の必要性に関する視点、事業の進捗の見込みの視点、コスト縮減等の視点を勘案して事業を評価しており、費用便益比は、事業の必要性に関する視点のうち事業の投資効果を表わす指標の1つになっています。

 費用便益比は、国土交通省が定める費用便益分析マニュアル<連続立体交差事業編>に基づき算出します。マニュアルでは、事業の実施によって発現する様々な事業効果のうち、現在の知見で金銭評価が可能な一部の便益(移動時間短縮便益、走行経費減少便益、交通事故減少便益)のみを計測しています。

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Q16.大規模な公共投資はまだ必要なの?

A16.

 将来を見据えた生活基盤の確保に必要な公共事業は必要不可欠ですが、現在、国においては、過去に整備した施設のメンテナンスや社会的課題解決に資する重点施策に則した事業に投資を絞っています。

 鉄道高架事業は、その重点施策の一つです。鉄道高架事業は、踏切による混雑などの交通課題だけでなく、都市構造の根本的な改善や土地利用の合理化にも資する事業であり、沼津市の中心市街地の課題を解決する手法として、Q13でも示したように「公意・共設・民営」の合理的事業であることから、次世代に遺す持続可能なストックとして有効なものと考えています。

 なお、沼津市の最新の財政見通しにおいても、鉄道高架事業によって市財政が破綻するようなことはないとの分析結果が出ています。

 また、公共投資には、民間投資を引き出す「誘い水」としての間接的経済効果が期待できるという側面もあり、実際に、鉄道高架事業の本格稼働に合せた民間投資の動きが活発になっています(令和4年度現在)。

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Q17.大規模な公共事業よりも社会保障が重要ではないの?

A17.

 財務省によれば、現在の日本の財政は、公共事業費よりも高齢化率の拡大に伴い必要となる社会保障費の急激な増加が、構造的問題になっています。

 この構造的問題は、持続可能な社会を次世代に引継ぐために皆さんひとりひとりが真剣に考えていかなければならない課題と考えます。

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Q18.工事はどのように進めるの?

A18. 

 鉄道高架事業の大まかな施工手順として、現在の沼津駅周辺に存在する貨物駅施設、車両基地施設を移転させ、施設移転後の跡地に高架構造物を建設していく順序で工事を進めていきます。

 まず、高架工事の前提となる貨物駅施設の移転工事から着手していきますが、令和4年1月から貨物駅移転先の原西部地区において新貨物ターミナルの造成工事と調整池築造工事に着手しています。令和5年10月に、新貨物ターミナルの鉄道施設工事に着手しました。令和6年夏に新車両基地の鉄道施設工事に着手する予定です。

 また、新車両基地のアンダー道路となる都市計画道路片浜西沢田線は現在、道路工事を施工中です。高架本体工事についても、貨物駅、車両基地の移転工事に合わせ、順次着手していく予定です。

 現在の事業工程は、令和9年度末に新貨物ターミナルの供用開始、令和12年度末に車両基地の供用開始、令和16~22年度に東海道本線、御殿場線の高架化への切換え、令和23年度に事業完了を予定しています。

事業スケジュール

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Q19.なぜ鉄道施設の用地を行政が買収しているの?

A19.

 鉄道高架事業は、鉄道と交差する道路の諸課題を抜本的に解消するために鉄道を一定区間連続的に高架化する事業です。このため、行政が事業主体の都市計画事業道路事業として鉄道高架事業を行っています。

 行政は、新たに整備する鉄道高架施設のための用地を、取得した用地と従前の鉄道用地とを交換することで、従前の鉄道用地に側道などの公共施設を整備します。

 結果、行政は、道路などの公共施設用地を取得することになります。車両基地や貨物駅の跡地も、同様に沼津市のまちづくり用地になります。

 高架用地の権利者の皆様には、貴重な土地や建物を提供していただくことになりますが、何卒事業に御理解、御協力をお願いいたします。

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Q20.鉄道高架事業による法律上(都市計画法上)の制限は生じるの?

A20.

 鉄道高架事業(高架本体用地)の事業地内における土地の権利者の皆様には、次の点に留意をお願いします。

 土地・建築等の制限(都市計画法第65条)

 事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物の建築、その他工作物の建設等を行う時には、沼津市長の許可を受けなければなりません。

 先買い権の発生(都市計画法第67条)

 土地・建物を有償で譲り渡そうとする時は、予定価格や譲り渡そうとする相手方などを静岡県知事に届け出なければなりません。

 なお、土地区画整理事業地区内においては、土地区画整理法上の制限がありますので、詳しくは沼津市沼津駅周辺区画整理事務所(055-352-2660)にお問い合わせください。

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このページに関するお問い合わせ

沼津土木事務所
〒410-8543 沼津市高島本町1番3号東部総合庁舎6階・8階
電話番号:055-920-2202
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