子育て支援者の皆さんへ|つながるネット
Q 質問1:否定的感情の社会化とは
否定的感情の社会化とは?
(平成27年度「家庭教育支援員養成研修会」で、参加者から出された質問)
A 回答
第2回「家庭教育支援員養成研修会」の白井博美臨床心理士の説明にありました否定的感情の社会化についてお答えします。
感情の社会化とは、身体感覚としての感情が言葉とつながり、言葉によって他者と共有できるようになるプロセスのことをいいます。「うれしい」「楽しい」などの肯定的感情は、大人によって歓迎されやすく感情の社会化が自然に進みやすいのですが、現代日本では否定的感情の社会化に困難を抱えた子どもがたくさんいます。
子どもが「痛い」「嫌だ」等の否定的な感情を出すことは自然なことです。概して大人は「痛くない」「大丈夫」等、その場を繕うような対応を取りがちですが、そのようにしていくと、子どもは否定的な感情を出すことが悪いことだと認識するようになります。また、否定的な感情を出せない子どもは、人との関係性を持てないようになることがあります。
子どもには、否定的な感情も言葉にして、コミュニケーションをとるよう働きかけたいです。子どもが否定的な感情を出し、メタ認知※1を発揮することで、折り合いをつけたり、自分をコントロールしたりすることができるようになることが、社会化された状態になります。
この社会化の過程で、保護者は、子どもの否定的な感情に左右されずに、落ち着いて子どもを受け止め続ける必要があります。(白井臨床心理士確認)
- メタ認知とは、自分が対象を認知している状態を認知しようとすることです。
ここでいう認知とは、思考、知覚、行為などを指します。現在進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握する能力を「メタ認知能力」といいます。
Q 質問2:ファシリテーターは、どの程度なら自分の子育てや家庭教育のことを話題にしてもよいのか
「ファシリテーターは、参加者から意見を引き出すことが役割であるので自分のことはあまり話すべきではないとの指導があったと思う。では、ファシリテーターは、どの程度なら自分の子育てや家庭教育のことを話題にしてもよいのか」
(家庭教育支援員の方からいただいた質問)
A 回答
結論から申しますと、状況に応じて自己開示をします。ポイントは、参加者の意見や思いを評価するような自己開示にならないように配慮をするということです。「こんな方法もあるよ」「私も失敗してね」「どうしたらいいかなあ」というスタンスの自己開示なら、参加者自身が自分を振り返り、自分の子育てを考えることができます。
一方、「こうしなさい」というスタンスの自己開示は、そんなこと言ったってできないよという拒否反応となって返ってきます。
ファシリテートは、ひとつの結論を導き出すのではなく、参加者それぞれが満足する話し合いをめざすものです。そのためには、参加者の意見をよく聞いてその良さを引き出し、参加者一人一人の主体的な気づきや学びを促進させるようにしなければなりません。
言うは易く行うは難しですが、保護者のために心がけていきたいと考えています。
Q 質問3:アイスブレイクをしながらの楽しい自己紹介方法
アイスブレイクをしながら、楽しく自己紹介する方法はありませんか。
A 回答
「つながるシート」を使った家庭教育講座では、本音を伝え合う話し合いを行うために参加者同士のコミュニケーションを深めることが大切です。
そのために、まずは楽しくアイスブレイクをしながら自己紹介を行いましょう。
「お隣さんの自己紹介」
- 4~5人で輪になる。
- じゃんけんをして最初に自己紹介をする人を決める。
- 最初の人が「○○です。」と自己紹介する。
- 右隣の人が、「○○さんの隣の△△です。」と自己紹介する。
- 次の右隣の人が「○○さんの隣の△△さんの隣の□□です。」と自己紹介する。
- 同様に続ける。
- 全員の自己紹介が終わったら、一番最後に全員分の名前を言った人がスタートとなって逆回りで自己紹介をする。
名前を覚えるために、時間を掛けてやっても良いですし、ある程度顔見知りの方々で行う場合は、グループごとに競争して行っても盛り上がります。
参加者の笑顔を上手に引き出してください。
Q 質問4:緊張してもスムーズに講座を開催する方法
経験があまりないので、講座を開催する時、緊張してしまいます。
緊張してもスムーズに講座を開催する方法はありませんか?
A 回答
初めて講座をファシリテートするときは、大変緊張するものです。事前に何を話そうか考えていても、緊張の余り忘れてしまうことも…。
そんなときに有効なのが、長泉町の鈴木家庭教育支援員が考案した「紙芝居方式」のファシリテートです。
(やり方)・・・3つの約束の例
- 画用紙の表に、「話し合いの約束(1)発言の平等」と書き、みんなが話し合っているようなイラスト等で飾る。
- 画用紙の裏に、「誰もが平等にお話ができるようにしましょう。積極的な人や声の大きい人が一人でずっと話してしまうことがないように、みんなで気を遣い合ってください。」と読み原稿を書く。
- 講座では、表を保護者に見せながら、裏の原稿を読む。
- 紙芝居は、黒板等に掲示をして、常に参加者に意識をしてもらう。
誰でも最初は初心者です。全ての保護者が安心して家庭教育が行えるよう、御協力ください。
Q 質問5:講座以外に、1対1の相談を受けることはありますか?
支援員の仕事として講座以外に、1対1の相談を受けることはありますか?
A 回答
地域のボランティアである支援員の皆様には、専門的な相談対応まではお願いしていません。講座を開催した際に、参加者から相談等があることが考えられますが、基本的に話を受容し、話を聞くことまでをお願いします。対応が必要な場合は、専門機関につなげてください。
なお、講座を開催した際、話し合いに参加をしなかったり、表情が暗い方がいましたら、こちらから声を掛けてください。重度の悩みを抱えている可能性がありますので、話を聞く必要があるかもしれません。
具体的な話の聞き方については、第2回養成研修会で、白井臨床心理士に”話を聞く時の心構え”を御指導いただきます。
Q 質問6:訪問型家庭教育支援の手法について
フォローアップ研修で、「訪問型家庭教育支援の手法について」の説明がありましたが、地域のボランティアである家庭教育支援員が、各家庭を訪問し、支援活動を行うことができるのでしょうか。
A 回答
訪問型家庭教育支援は、家庭教育支援チームの発展的な取り組みになります。学校・家庭・行政等の連携が必要になりますので、家庭教育支援員が個人的に行うことはできません。
しかしながら、児童虐待の増加等にみられるように、家庭教育は喫緊の課題となっており、孤立しがちな家庭に対して支援を行う手法が求められています。家庭教育支援員の皆様にも、知識として訪問型家庭教育支援の手法を学んで頂ければと考えています。
また、県は、家庭教育支援情報サイト「つながるネット」を1月に開設する予定です。このサイトでは、直接保護者から子育てや家庭教育についての質問を受けます。県に届いた質問は、県が回答したり、必要に応じて訪問支援を行ったりします。
訪問した際の情報は、質問者の許可を取った上で、質問者がお住まいの市町とその市町の家庭教育支援員の皆様にも情報提供しますので、連携して支援活動を行って頂ければ幸いです。訪問型家庭教育支援は、支援が届きにくい孤立しがちな家庭を対象とした支援活動ですので、継続した支援が必要になると思いますので、市町や家庭教育支援員の皆様の御理解と御協力をお願い致します。
Q 質問7:名刺台紙の印刷
名刺台紙の印刷方法は?
A 回答
印刷は、個人で業者に依頼をしてください。恐縮ですが、印刷代は御負担ください。
費用は1,500~2,000円程度です。
補助金を活用している市町は、印刷代を予算計上している場合がありますので、市町にお問い合わせください。
また、印刷業者等でお困りの方は、県に御連絡ください。(054-221-3115)
Q 質問8:多くの参加者がいる講座の開催方法について
家庭教育学級の閉級式で、「つながるシート」を使った講座を開催したいのですが、参加者が100名を超えています。アイスブレイクやグループ分けをどのようにしたらいいでしょうか。
A 回答
100名以上の参加者になるとサブファシリテーターが必要になると思います。メインのファシリテーターと3名のサブファシリテーターの4人で講座を開催する方法を紹介します。4人で協力すると、アイスブレイクをしながらグループ分けをすることができます。
(流れ)
- 全体に対して、後出しじゃんけんをする。
- 全体に対して、黙ったままフィンガータッチで10人の人と挨拶してもらう。(フィンガータッチは映画ETの指先合わせのこと)
- 血液型で4つのグループに分かれる。(A・AB・B・O)
- サブファシリテータに入ってもらい、血液型のグループ毎にバースデーラインを行う。
- それぞれの血液型のグループで、順番に4から5人のグループを作る。(余りが出てしまったら他の血液型と調整する)
人数が多いので騒がしくならないようにするために、黙ったままできるフィンガータッチとバースデーラインを行う点がポイントです。後は、メインのファシリテータの進行で、グループ毎に話し合いを進めます。サブファシリテーターは、グループを巡回し、必要に応じて支援します。
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