令和5年度内部統制評価報告書の審査(令和6年度実施)
内部統制評価報告書審査意見書の概要
地方自治法第150条の規定に基づき審査に付された令和5年度静岡県内部統制評価報告書について審査し、その結果について、令和6年9月11日に知事へ意見書を提出しました。
内部統制評価報告書審査意見書の概要
1.審査の対象
令和5年度静岡県内部統制評価報告書及び参考資料
2.審査の期間
令和6年8月6日から令和6年9月9日まで
3.審査の着眼点
令和5年度内部統制評価報告書について、知事による評価が評価手続に沿って適切に実施されたか、内部統制の不備について重大な不備に当たるかどうかの判断が適切に行われているかといった観点から検討を行い、審査した。
4.審査の結果
「静岡県監査委員監査基準」に準拠し、「地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドライン」(平成31年3月(令和6年3月改定)総務省)の「V監査委員による内部統制評価報告書の審査」に基づき、必要に応じて関係部局に説明を求めるとともに本庁及び出先機関の定期監査において得られた知見を利用し、審査した限りにおいて、評価手続及び評価結果に係る記載は概ね相当であると認める。
5.重大な不備
期間中に運用上の重大な不備が2件発生しており、その概要は以下のとおりであるが、既に改善措置を講じていることを確認した。
- 法人二税の課税誤り等(経営管理部)
法人二税(法人県民税・法人事業税)について、担当職員が処理を怠りかつ書類を隠匿した結果、課税誤り8件1,076,800円、課税権消滅1件63,400円が生じた。 - 技術派遣職員の給与等の市町への請求漏れ(スポーツ・文化観光部)
市町に派遣する技術派遣職員の給与について、県が当該年度中に調定し、市町へ請求すべきところ、派遣団体である県が負担するものと誤認識し、派遣先の市町から何ら連絡がなかった結果、令和2年度から令和4年度にかけ、合計21,963,122円の請求が漏れていた。
6.その他
地方自治法の改正により内部統制制度が法定化され、今回で内部統制評価報告書の審査は4回目となった。今回の審査において、重大な不備の判断等に関し、改善が必要と判断されたため、次の各事案について、意見を述べる。
- 個人情報に関する取扱いについて
個人情報の管理に関する事務については、重大な不備の判断基準が設定されていない。
内部統制ガイドラインのQ&A(※)では、重大な不備の具体的な判断基準について、何をもって「大きな経済的・社会的な不利益」と判断するかは、各地方公共団体の規模や個々の業務の特性等によって異なることが想定され、各団体において適切に判断されるものと考えられている。
本県において「要配慮個人情報」の漏洩等、社会的不利益になる事案が毎年複数発生しており、県政に対する県民の信頼を損なう事態が懸念されている。慎重な取扱いが求められる個人情報に関する取扱いについては、より適切な判断基準を設け、評価することを検討されたい。 - 教育委員会の評価対象について
教育委員会については、財務事務のうち本庁の予算執行に関する事務並びに公有財産及び物品に関する事務について評価の対象となっている。一方で、令和5年度の監査では、評価の対象となっていない学校の財務会計において1件、情報管理において4件の監査結果を発出している。
内部統制ガイドラインのQ&A(※)では、長以外の執行機関の権限に属する事務に係る内部統制について、地方自治法第150条上の義務はないが、自主的に取り組むことが望ましいと考えられており、教育委員会においても知事部局と同様の事務を評価対象とすることについて検討されたい。
(※)「地方公共団体における内部統制制度導入・実施ガイドライン」に関するQ&A(令和6年3月改定)
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