リニア中央新幹線静岡工区第9回生物多様性部会専門部会の開催/県民だより2022年5月号
静岡県中央新幹線環境保全連絡会議 第9回「生物多様性部会専門部会」を開催しました。
昨年10月に開催した第8回専門部会での委員からの意見などを踏まえた資料がJR東海から提出されたことを受け、3月24日、第9回「生物多様性部会専門部会」を開催しました。
これまでの会議において、委員から出されていた「トンネル工事に伴う自然環境への影響が出てからの代償措置ではなく、まずは、影響の回避・低減を検討するべき」との意見を受けて、JR東海から、以下のとおり影響の回避・低減策が示されました。
- 流量減少が予測される沢ごとに、調査・計測内容などを整理する『沢カルテ』の整備
- トンネル湧水低減のための薬液注入の実施
- 工事開始後の地質調査結果を踏まえた斜坑の線形変更の検討
委員からは、JR東海と対話できる内容になったとの評価がありました。一方で、JR東海が、トンネル掘削による水生生物への影響を、トンネル掘削前後の月平均流量の変化を用いて評価しようとしていることに対し、「月の平均流量では、実際には流量がゼロ、すなわち、沢が枯れている日があっても、一見、毎日沢に水があるように見える。沢が枯れた場合、生物は生息できないため、平均流量をもって生物への影響を評価することは適切ではない」と問題点をあげています。
また、地下水位低下に伴う植生への影響と対応について、JR東海から「稜線部のお花畑は、地下水位低下の影響をほとんど受けない」との説明がありました。しかし、委員からは、「影響が出ないというデータを示さない限り、山岳関係者からの理解は得られない」などの意見が出ています。
トンネル工事による影響が回避・低減されるよう、県は、今後もJR東海と対話を進めていきます。
<影響を月の平均流量で評価することの問題点についての詳細は、下記を御覧ください。>
令和4年4月22日現在の情報です。
詳細は、「リニア中央新幹線建設工事に伴う環境への影響に関する対応」へ
県民だよりでは、リニア中央新幹線整備に関する県の対応などを連載でお伝えします。
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