円滑な価格転嫁や取引適正化に向けた環境整備を進めています
物価高騰が長期化する中、適正な価格転嫁への取組は、企業の経営体力改善に向けた第一歩と言えます。
本ページでは、円滑な価格転嫁や取引の適正化に向けた県や国の取組について御紹介します。
下のボタンをクリックするとサイト内の該当箇所が表示されます。
1.適正な価格交渉のポイント
コスト上昇分を適切に取引価格に転嫁するためのポイントを紹介します。
・価格の根拠資料の提示
原材料価格やサービス価格の推移に関する客観的なデータを示すことが有効です。
・取引条件に関するルールの設定
不利な条件下で取引が行われないようにするためには、取引条件に関するルールを決めておくことが有効です。
・ルールや交渉内容の明文化
取り決めたルールや交渉の経過を議事録・見積書・契約書などの書面に残しておくことが重要です。
2.価格交渉に向けた支援窓口
(1)価格転嫁サポート窓口
静岡県よろず支援拠点では、下請事業者が適切な価格交渉・価格転嫁を行えるよう、令和5年7月に「価格転嫁サポート窓口」を設置しました。価格交渉に関する基礎的な知識や原価計算の手法の習得支援を通じて下請企業の価格交渉・価格転嫁を後押しします。相談はオンラインでも可能ですので、経営改善相談の一環として、ご相談ください。
中小企業庁が全国に設置する経営相談所 |
電話番号 |
所在地 |
相談時間 |
---|---|---|---|
静岡県よろず支援拠点 |
054-253-5117 |
〒420-0852 静岡市葵区紺屋町11番地の17 櫻井・第一ビルディング6階 |
9時30分~12時 13時~17時 (年末年始・土日日除く) |
静岡商工会議所にある価格転嫁サポート窓口「よろず支援拠点」における好事例
【相談者】大手製品メーカー下請けの加工受託会社
【相談内容】
人件費、電力費等の高騰に伴い直近決算が赤字となっていたため、主要納入先に対して一昨年から価格交渉を実施しているが、交渉に応じてくれず困っている。
【支援内容】
見積書と実際の原価の乖離箇所を原価計算により認識し、当社として自助努力で吸収すべき費用と、転嫁すべき費用を整理し、適正な価格転嫁すべき金額を数字で把握した。
→原価計算にあたっては、個々の企業の実態を踏まえた、具体的な製品毎の原価の算出方法等を確認・提案し、相談者が原価計算をできるよう支援。
・その上で、ア.納入先との交渉のスケジュールの調整、イ.交渉戦略の策定、ウ.交渉用資料の準備、エ.原価管理体制の整備等を支援した。
【支援期間】2か月
【成 果】
・製品別の値上げ交渉により、約2割程度の製品について引き上げに成功。
・黒字化の見込みとなり、継続安定取引の経営基盤が構築された。
〜好事例は順次更新予定〜
(2)下請取引に関する法律相談
下請けかけこみ寺では、中小企業の取引上の悩み相談を相談員や弁護士がお受けしています。
相談内容はもちろんのこと、相談を受けたこと自体も秘密として取り扱いますので、安心してご相談ください。
紛争の相手先への連絡も当然しません。
中小企業庁が設置する相談所 |
電話番号 |
相談時間 |
---|---|---|
公益財団法人全国中小企業振興機関協会 |
0120-418-618 |
9時30分~12時 13時~17時 (年末年始・土日日除く) |
下請かけこみ寺は、下請取引の適正化を推進することを目的として、経済産業省が全国48か所に設置したものです。静岡県では、公益財団法人静岡県産業振興財団に設置されています。
〜こんな相談が寄せられています〜
親会社が値上げ交渉に応じてくれない等の価格転嫁に関するトラブル
相談者:製造業の中小企業A社
親会社が値上げ交渉に応じてくれないことについての相談
A社と親会社とのこれまで取引内容や経緯を聞き、今後の方向性を整理。
・独占禁止法の優越的地位の濫用として問題となるおそれがある
・下請法の適用対象であれば、「買いたたき」に該当するおそれがある
・価格交渉には親会社に提出する説明資料の作成が必要であることを説明
→価格交渉の具体的な方法や交渉する際の資料づくりは、静岡商工会議所にある価格転嫁サポート窓口「よろず支援拠点」や中小企業庁の「適正取引支援サイト」を紹介。
(3)専門家派遣
中小企業者や小規模事業者が抱える経営上の課題の解決に向けて、要請に応じて専門家を派遣しています。
中小企業等専門家派遣事業(:公益財団法人静岡県産業振興財団)
中小企業者等が抱える経営上の問題(物価高騰に関連する課題も含む)に対して専門家を派遣します。
事業の相談先 |
電話番号 |
所在地 |
備考 |
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公益財団法人静岡県産業振興財団 | 054-273-4434 | 静岡市葵区追手町44-1 静岡県産業経済会館4階 | ※経費の1/3は自己負担 |
小規模企業ビジネスパワーアップ支援事業(:商工会議所・商工会)
小規模事業者の多岐に渡る経営上の課題(物価高等に関連する課題も含む)の解決に向けて、要請に応じて専門家を派遣します。
事業の相談先 |
備考 |
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詳しくは最寄りの商工会議所・商工会にお問い合わせください。 | ※経費の1/3は自己負担 |
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(参考)専門家派遣事業(小規模企業ビジネスパワーアップ支援事業)(外部リンク)
詳しくは最寄りの商工会議所・商工会にお問い合わせください。
3.価格交渉のプロセスを知る
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中小企業庁 価格交渉ハンドブック~価格転嫁の実現に向けた交渉準備~(初級編)(外部リンク)
中小企業庁が作成した、価格転嫁の実現に向けた交渉準備や実践のプロセスをまとめたハンドブック(初級編)です。
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中小企業庁 中小企業・小規模事業者の 価格交渉ハンドブック(外部リンク)
価格交渉の準備段階で確認するとよい事項や、交渉を行う上で押さえておくとよい事項をまとめたハンドブックです。 -
中小企業庁 中小企業・小規模事業者の価格交渉ノウハウ・ハンドブック(外部リンク)
合理的な説明のない価格低減要請(親事業者の法令違反に該当する恐れのある取引行為)や、コスト上昇分を価格転嫁したい場合の協議方法(効果的な交渉の進め方)など、具体のケースごとに例を交えて掲載されています。 - 労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針(公正取引委員会(令和5年11月29日))(外部リンク)
4.価格交渉の準備をする
(1)材料費や労務費のデータの収集
・価格交渉を行う際には、取引先に対して、「原価上昇の客観的情報」を示し、理解を得ることが重要です。
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埼玉県庁 価格交渉支援ツール(外部リンク)
埼玉県において、価格交渉を行う際に原材料費等の高騰状況の根拠資料を簡単に作成できる「価格交渉支援ツール」を提供しています。
本ツールは、主要な原材料価格(1,420品目)の推移を示す資料を簡易に作成可能で、日本銀行の公表データに基づいているため正確性も担保されており、他県でも広く活用できます。
取引先との価格交渉の際に効果的な資料作成ができますので、ご活用ください。
(2)自社の製品、サービス単位の「原価」の把握
・個別の製品、サービスの価格と原価を把握するツールとして、公的支援機関や業界団体のウェブサイトで原価計算ツールが無償提供されたり、機能を絞った使いやすい原価管理システム・ソフト(スマートフォンでも利用できるアプリも)が多数販売されています。
・また、それらのソフトを使用して原価計算をするための解説本や動画なども公開されています。
5.お役立ちサイト等の紹介
他機関の支援情報
講習会
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価格交渉支援セミナー開催~適切な価格転嫁に向けた国の取組および「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の紹介~
開催日時:令和6年3月15日(金曜)14時30分 ~16時20分(予定)
問合せ先:
公益財団法人静岡県産業振興財団 取引支援チーム 大橋
電話:054-273-4433 メール:torihiki@ric-shizuoka.or.jp
普及・促進ツール
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パートナーシップ構築宣言の普及及び適切な価格交渉に向けた相談窓口の案内 (PDF 323.2KB)
○パートナーシップ構築宣言の普及及び適切な価格交渉に向けた相談窓口の案内のチラシです。ご活用ください。
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このページに関するお問い合わせ
経済産業部商工業局商工振興課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2181
ファクス番号:054-221-2349
ssr@pref.shizuoka.lg.jp