1 県政の概要

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ページID1085808  更新日 2026年9月18日

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令和8年9月県議会定例会知事提案説明要旨

【1 県政概要】

 ただいま提出いたしました議案の概要を御説明申し上げますとともに、当面する県政の課題について所信並びに諸般の報告を申し述べます。

 はじめに、7月28日に最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」や、先月13日から14日にかけての「令和8年8月千葉豪雨」、先月下旬の北陸地方や今月初旬の東海地方で発生した記録的大雨により、多くの方々が被害に遭われました。 犠牲になられた多くの方々に哀悼の意を表しますとともに、御遺族や被災された全ての皆様に対して、衷心よりお見舞いを申し上げます。

 熊本地震では、国や全国知事会等の要請に基づき、保健医療福祉活動チームや避難所の運営を支援する行政職員、治安維持活動を行う警察官等を派遣するなど、被災地支援に取り組んでおります。

 また、猛暑の中で起きた今回の地震の教訓を踏まえ、本県における避難生活のあり方について検討するため、県や市町、有識者で構成する検討会を設置し、今月17日に第1回の会合を開催いたしました。今後、現地の状況を踏まえ、課題を明らかにした上で、必要な対策を検討し、地域防災計画や避難所運営マニュアル等に反映してまいります。

 次に、全県一体となった防災力強化についてであります。

 南海トラフ地震の発生を想定した総合防災訓練を磐田市、袋井市、森町との共催により11月15日に実施いたします。

 訓練では、自衛隊、警察、消防が連携した救出・救助訓練を行うほか、航空機による応援部隊の輸送訓練、物資拠点から避難所への物資輸送訓練、災害拠点病院の開設・運営訓練などを実施いたします。

 特に、「令和6年能登半島地震」における「陸路の途絶」や、「令和8年熊本地震」における「避難生活の環境」などの課題を踏まえ、海路やドローンを活用した物資輸送訓練のほか、段ボールベッドの設置など環境改善対策を取り入れた避難所の設営・運営訓練等を地域住民も参画して実施してまいります。

 総合防災訓練に引き続き、12 月に実施する地域防災訓練や、来年3月に行う津波避難訓練など、実践的な訓練を積み重ね、地域住民や自主防災組織などの協働による「自助」「共助」の防災力を高めるとともに、県や市町、防災関係機関が一体となった「公助」による救援・支援体制の実効性を高めてまいります。

 次に、静岡県内のリニア中央新幹線整備についてであります。

 7月18日に、リニア中央新幹線工事の着工の前提となる県自然環境保全条例に基づく自然環境保全協定をJR東海と締結いたしました。

 これを受け、大井川の水資源と南アルプスの自然環境の保全に向けて、自然環境保全協定の実効性を担保していくため、JR東海が実施する環境保全措置等を監視する体制として、静岡県環境影響評価審査会の下に中央新幹線部会を設置し、第1回の会合を7月29日に開催したところです。

 県としましては、今後、この監視体制において、将来にわたり、「リニア中央新幹線整備」と「大井川の水資源や南アルプスの自然環境の保全」の両立に向けてしっかりと対応していくとともに、JR東海と連携した東海道新幹線の活用等による県内の産業や観光の活性化などにも取り組んでまいります。

 次に、浜岡原子力発電所の新規制基準適合性審査における中部電力の不正行為についてであります。

 今月15日、林社長から新規制基準適合性審査における不正行為について、調査委員会の報告内容や、それを踏まえた中部電力の再発防止対策、また、国への審査申請の取り下げなどについて説明を受けました。私からは、組織体制だけでなく企業風土そのものを改革するとともに、県民の皆様にしっかり寄り添って丁寧に説明をするよう、強く求めたところです。

 今回の不正行為はもとより、不適切事案が相次いで発生したことは、中部電力に対する県民の信用を失墜させるものであり、極めて遺憾であります。

 引き続き、中部電力の取組や国の対応などを注視してまいります。

 次に、中東情勢への対応についてであります。

 県が実施している県内事業者への定期的な聞き取り調査によりますと、依然として、燃料や石油製品の価格高騰や供給不足といった影響が幅広い業種で出ております。

 県では、事態の長期化に伴う中小企業の資金需要に確実に応えるため、県制度融資の融資枠について350億円拡大することとし、必要な経費を9月補正予算案に計上して、本定例会にお諮りしております。

 引き続き、国際情勢や国の対応などを注視しつつ、県内事業者への影響の定期的な把握に努め、必要な対策を機動的に講じてまいります。

 次に、地域未来戦略についてであります。

 県が策定する「地域産業成長プラン」につきましては、第1弾として、医療健康、食品・ウェルネス、光・電子技術、次世代モビリティ、海洋、コンテンツの6分野にかかる「地域産業クラスター計画」、茶産業の1分野にかかる「地場産業成長プラン」を7月中旬に国へ提出したところです。

 このうち、医療健康の分野につきましては、先行して、先月28日に国との調整が完了いたしました。高市総理も出席された会議に私自身が出席し、800億円以上の官民設備投資を目標とする計画を説明したところです。その他の分野につきましても、国との調整が整い次第、順次公表してまいります。

 また、現在、エネルギー・循環経済関連産業やロボット産業の「地域産業クラスター計画」を、そして、お茶以外の農林水産業、観光産業、スポーツ産業に関する「地場産業成長プラン」をそれぞれ追加すべく、関係市町とも連携しながら、策定を進めております。

 今後は、国の支援策や県の地域未来基金も最大限に活用しながら、計画の核心となる民間企業が着実に投資を進められる支援策の検討を進めるなど、官民連携による投資を大胆に促進することにより、本県の産業の成長につなげてまいります。

 次に、成長を目指す企業への支援についてであります。

 スタートアップ支援につきましては、7月23日から25日にかけて、「フィジカルAI」をテーマに「TECH BEAT Shizuoka 2026」を開催したところ、1万4千人を超える方々が来場するなど、過去最大の盛り上がりを見せました。引き続き、「TECH BEAT Shizuoka」をはじめとする県内各地でのスタートアップ育成の取組を全面的に支援し、県内企業のイノベーション創出を支援してまいります。

 また、第二創業の促進につきましては、先月29日に、中小企業の次世代経営者の挑戦を後押しする「次世代経営者塾」と「アクセラレーションプログラム」を開講し、AIやDXなど、これからの時代に必要な経営力を実践的に学ぶ機会の提供や、新規事業展開に向けた取組の伴走支援などを実施してまいります。

 加えて、来月22日から23日にかけて、海洋関連企業、大学及び研究機関等が一堂に会する「BLUE ECONOMY EXPO@Suruga Bay」を静岡市で開催いたします。

 海洋生態学などをテーマに、海外4か国の著名な研究者等が参加する国際会議のほか、水中ドローンや養殖など、最先端のブルーテックを有する海洋スタートアップや団体等、約80団体が出展する展示会などを実施いたします。

 CNFプロジェクトにつきましては、同じく来月22日と23日に、スタートアップを含め約130の企業や団体が出展するビジネスマッチング展示会「静岡県セルロース循環経済国際展示会」を富士市で開催いたします。

 また、来年3月には、パリで開催される世界最大の複合材料の展示会「JEC WORLD 2027」に県内企業と共同出展するなど、セルロースを活用した自動車用部品や建築資材等の海外展開も見据えた商談機会を創出してまいります。

 次に、県内で発生した豚熱についてであります。

 7月4日に発生した、県内3例目となる豚熱につきましては、関係者の皆様の御理解と御協力のもと、7月21日に3回の消毒を含め、全ての防疫措置が完了いたしました。

 今回の防疫作業は、感染拡大リスクが高い豚のみを殺処分するという「選択的殺処分」が適用された全国初の事例となりましたが、国からの指導も頂きながら、多くの関係団体の皆様に御尽力を頂き、防疫措置完了後の監視措置も含めて円滑に実施することができました。

 引き続き、専門家による県内の養豚農家に対する衛生管理指導や野生イノシシの捕獲の強化など、豚熱の発生予防対策を着実に実施してまいります。

 次に、インバウンドの誘客促進についてであります。

 今月9日、「ALL SHIZUOKA インバウンド共創フォーラム」を初開催いたしました。市町、観光協会、交通事業者、宿泊事業者など、官民の関係者が結集し、本県におけるインバウンドの実態や県内各地で展開されている取組について共有するなど、今後の対策強化に向け、コンセンサスを得たところです。

 また、来月22日に全国知事会がニューヨークで開催する観光プロモーションにおいて、私自ら静岡茶やゴルフ、モータースポーツなど、本県ならではの魅力ある観光コンテンツを紹介し、北米地域からの富裕層の誘客を推進してまいります。

 e-BIKEでの茶畑めぐりや、世界屈指のダイビングスポットを活用した滞在などに取り組む、県内の熱意あふれる事業者への後押しや、海外富裕層をターゲットにしたトップセールスにより、旅の目的地としての静岡県の認知度を高めることで、インバウンドの拡大につなげてまいります。

 次に、富士登山の安全対策についてであります。

 今月10日に閉山した富士山の静岡県側の入山者は、天候にも恵まれ、前年比約13%増となる約11万7千人となりました。

 この間、入山手続きアプリ「静岡県FUJI NAVI」につきましては、昨年を超える約9割の入山者に利用いただくことができました。これにより、山小屋の宿泊予約、富士登山のルールやマナーの事前学習を通じて、夜間の弾丸登山や軽装登山の抑制など、安全な夏山登山への理解が一層深まったものと考えております。今後は、今年の登山規制の結果を検証し、来年に向けて、課題の分析と改善に取り組んでまいります。

 また、閉山期間中の登山対策につきましては、ワーキンググループにおいて、ハード面、ソフト面、制度面からなる遭難防止対策パッケージを取りまとめました。ハード面では、登山道の侵入防止柵の改良など、ソフト面では、外国人に対する周知強化などの取組を進めてまいります。また、制度面においては、登山届の義務化、過料を課すこととし、詳細について整理してまいります。引き続き、ワーキンググループで県消防防災ヘリコプターの有料化などの追加対策の検討や実施状況の検証などを行い、山梨県及び関係者とも調整してまいります。

 次に、富士山静岡空港についてであります。

 7月10日、航空や観光等の有識者で構成する「富士山静岡空港のあり方に関する検討会」を開催いたしました。会合では、静岡空港や運営会社の現状を踏まえ、空港の持続可能な運営に向けて、県と空港運営会社の費用分担のあり方、ビジネスジェットをはじめ富裕層の観光需要の取り込みなど、幅広い観点から御意見を伺いました。今後、検討会を重ね、今年度中に中長期的な方向性を取りまとめてまいります。

 次に、駿河湾フェリーについてであります。

 7月に開催した検証委員会では、現行の船、運航体制での収支改善は困難であるとの見解が示されるとともに、航路の継続には、船体の小型化や民間主導の体制への移行が必要という方向性が示されたことから、現在、新たな体制による運航の可能性について、シミュレーションを進めております。

 11月にまとめる予定の検証委員会の報告を踏まえ、関係する3市3町や地元経済界とも相談した上で、12月定例会において、今後の運航のあり方についての判断をお示しいたします。

 次に、旧ヴァンジ彫刻庭園美術館についてであります。 

 旧ヴァンジ美術館につきましては、来年度からの供用開始に向けて、庭園を中心に民間実施のイベントなどに積極的に貸し出し、多くの県民に御利用いただけるように、駐車場の確保等のための必要な経費について9月補正予算案に計上し、本定例会にお諮りしております。

 なお、当面、県直営の運営を行いつつも、2~3年を目途として、民間主導の施設運営の可能性を模索してまいりますので、引き続き、民間からの提案を求めるとともに、民間活用が進みやすくなるよう、土地利用のあり方などの条件の整理を行ってまいります。

 次に、県立看護専門学校についてであります。

 県立看護専門学校につきましては、少子化や近隣大学による看護学科新設など環境の変化から、近年、看護師養成課程の入学者が減少しており、昨年度から、医療機関や関係団体、看護職員養成所等の関係者で構成する検討会で、入学者確保に向けた魅力向上策や、今後の在り方について検討を進め、本年5月に提言をいただきました。

 准看護師が看護師資格を取得する「看護2学科」は、「准看護師の減少等から閉科が望ましい」との提言を踏まえ、来年度の入学生を最後とし、令和10年度末に閉科いたします。閉科にあたりましては、県内の准看護師が看護師資格の取得に取り組めるよう、通信制への就学に対する支援など、代替策を検討してまいります。

 また、看護師養成の「看護1学科」は、社会人向けの入学試験の導入や教員の指導力強化などに取り組み、魅力を高めることで入学者を確保してまいります。

 次に、新県立中央図書館の整備についてであります。

 庁内横断のプロジェクトチームで昨年12月に取りまとめた新県立中央図書館整備の「見直しの方向性」に沿って、有識者会議やパブリックコメントなどの御意見も踏まえて基本構想の見直しを進め、この度、改定案を取りまとめました。

 改定案では、基本理念を「すべての県民の『調べる・考える・解決する・創造する』を支え、しずおかの未来を創生する」とし、方向性を「現県立中央図書館の長所の継承」と、「県内のどこからでも利用できるサービスの充実」と定めたところです。

 今後は、県議会の皆様の御意見もいただきながら、基本構想を成案として取りまとめ、東静岡駅南口県有地の一体的なまちづくりを進める中で、新県立中央図書館についても、併せて整備してまいります。

 次に、高校生の自転車通学時におけるヘルメットの着用についてであります。

 本県の次代を担う高校生の大切な命を守るため、「静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」のヘルメット着用義務の対象範囲を拡大する案について、パブリックコメントを実施し、14件22人の方から御意見をいただきました。

 県民の皆様からの御意見も踏まえ、ヘルメットの着用義務を通学時の高校生にまで拡大することとし、本定例会に条例の改正案をお諮りしております。

 ヘルメット着用をはじめとする自転車の安全で適正な利用について、関係機関と、より一層連携しながら、実効性ある取組を進めてまいります。

 次に、特別支援学校の整備についてであります。 

 浜松特別支援学校の校舎の建て替えにつきましては、同校の敷地内で廃棄物層が見つかったことから、整備方針を再検討してまいりました。

 校地として適切な場所や、今後のよりよい特別支援教育のあり方を検討した結果、現校地での建て替えを中止し、浜松大平台高校の校地に併置することとし、全ての子どもたちが共に学ぶことができるインクルーシブ拠点校として整備することといたします。

 次に、AIの活用についてであります。

 本年3月に私自らCAIOに就任し、先頭に立って庁内のAI活用を推進してまいりました。その結果、7月末には、全職員の99.6%が生成AIを業務で活用するなど、AI活用は順調に進捗しております。今月25日には、「AI活用コンテスト」を開催し、優良事例を表彰するとともに、組織全体への共有と横展開を図ってまいります。

 また、推進体制を強化するため、AI研究の第一人者である東京大学の松尾豊教授が技術顧問を務める株式会社松尾研究所とアドバイザリー契約を締結いたしました。今後、AI活用による革新的な業務の効率化を図るため、松尾研究所から御助言をいただきながら、業務へのAI導入を加速させてまいります。

 

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