株式会社ナイン
自社の認知度向上につながっています。
平成30年5月に焼津市にサテライトオフィスを開設した株式会社ナインの代表取締役である渋谷さん。
サテライトオフィスでは、ウェブデザインの業務を行う一方で、コワーキングスペース「ホームベースYAIZU」を運営しています。
- 企業名
- 株式会社ナイン
- 本社
- 東京都
- 事業内容
-
Webデザイン、まちづくり
- 進出時期
-
平成30年(2018年)5月
- サテライトオフィス所在地
- 焼津市
- 社員数
- サテライトオフィス6名
東京本社2名
きっかけ
なぜサテライトオフィスの開設を検討されたのですか?
本業はウェブデザイン業で東京都を中心に企業のホームページ製作やデジタルマーケティング支援などを行っているのですが、デザインやクリエイティブを通じてまちづくりを行いたいという思いをずっと持っていました。まちづくりに取り組むなら都会ではなく地方でやりたいと思っていたので、故郷である静岡県にサテライトオフィスを開設しました。
焼津市に決めた理由
なぜ焼津市を選んだのですか?
私の故郷が焼津市だということが1番大きな理由です。最初は静岡市にサテライトオフィスを置いたのですが、静岡市は、自分たちがまちづくり事業を行うには、都市規模が大きすぎると感じていました。そのような中、当社社員が参加したまちづくり勉強会で知り合った焼津市職員から駅前商店街の方たちを紹介されたことが「ホームベースYAIZU」を作るきっかけとなりました。
ちなみにサテライトオフィスは、昔、黒はんぺんの工場兼店舗だった築80年の建物を改修して使っています。
貴社のサテライトオフィスの特徴を教えてください。
私たちのサテライトオフィスの特徴は2つあります。1つ目は、本社よりもサテライトオフィスで働いている社員が多い点です。東京本社は営業活動、サテライトオフィスはデザイン業務と役割分担をしているため、本社常駐スタッフ2名に対し、焼津市では6名の社員が働いています。
2つ目の特徴は、サテライトオフィスの中でコワーキングスペースを運営しています。コワーキングスペースでは、地元の人と他地域の人が交流する場になることはもちろん、ウェブデザイン業界の交流会や各種ワークショップなども開催しています。これはまちづくり事業の一環でもありますが、静岡県のクリエイターとの接点づくりにもなりデザイン業務にも大きなメリットとなっています。このような交流の拠点を設けることで、焼津の老舗旅館や酒造会社の後継者など、地元の様々な業種の方たちとも接点を築くことができました。
焼津市に拠点を移してまちづくり事業はいかがですか?
焼津市では、自分たちの取組に対する地域の反応がダイレクトに伝わってくるため、自分たちが地域のまちづくり・活性化に貢献していると実感させてくれます。
都会では、商店街を巻き込んでイベントを行うのはハードルが高いのですが、焼津市では地域の人たちとやろう!と決まったらすぐに実行できます。自分たちが企画したイベントなどで地域の人が喜んでくれる姿を間近で見ると、「焼津市に来て良かった!」と感じることができます。
サテライトオフィスを開設してわかったこと
サテライトオフィスを開設してみて良かった点を教えて下さい。
主に2つあります。1つ目は、企業としてのブランディング効果です。焼津市にサテライトオフィスを開設してまちづくり活動を行ったことで、東京都内の同業者や経営者仲間から予想以上の反響があり驚きました。東京のウェブデザイン会社が地方に拠点を置いてまちづくりをするというギャップが面白いと感じてくれたようです。地方に進出したことが逆に都内での知名度向上や、新しいことをやっている企業というブランディングにつながっている気がします。
2つ目はスタッフの働き方に多様性を持たせることができたということです。弊社には静岡県外から移住したスタッフ、地元採用だけど東京でも働いてみたいスタッフ等、様々なニーズのスタッフがいます。東京本社、静岡オフィス、自宅を組み合わせることで、例えば今月は静岡オフィス勤務して、来月は関東の実家から東京本社に勤務する等、柔軟で多様な働き方の実現に近づけたと感じています。
逆に困ったことはありましたか?
困ったことは、人材確保が難しいことと、顧客単価が低いことでした。人材については、ウェブデザイン業の経験がある人やデザインを勉強した人材を確保したいと思っているのですが、静岡県はウェブデザイン人材の転職やウェブデザイン系の専門学校、あるいはそのような人材と出会うための場も少ないため採用活動は苦戦しています。
また、静岡県の顧客単価は、東京都と比べると低いことは理解していたつもりでしたが、サテライトオフィスを開設して改めて顧客単価の差を実感しました。顧客のビジネスに貢献する仕事をして、ウェブデザインや企業としての価値を感じてもらえるよう工夫していきたいと思います。
サテライトオフィスの今後の展望
今後のサテライトオフィスでの展望をお聞かせ下さい。
ウェブデザイン業の今後の展望としては、コロナ禍でこれからデジタル化が加速し、ECサイトの構築やホームページによる情報発信の強化が求められてくるので、これを契機に東京都だけでなく静岡県の顧客も増やしていきたいと考えています。サテライトオフィスを開設して3年目ですが、当初よりも人員などが増え、オフィスが手狭になってきているため、ウェブデザイン製作業務の体制強化を目的として新たな拠点整備を、現在のオフィスの近隣で進めているところです。
街づくり事業については、「ホームベースYAIZU」を拠点に、焼津駅前の商店街をクリエイターが集まり創造する街になるよう取り組んでいきたいと思っています。
ホームベースYAIZUは、クリエイターやデザイナー人材の交流場として発展してきています。今後、個性的な人達が集まる場としての磨き上げを行い、クリエイターの育成、地方におけるデジタルの底上げを通じて地域活性化につなげていきたいと思っています。
最後に地方にサテライトオフィスの開設を検討する際のアドバイスをお願いします。
拠点分散や賃料削減、販路拡大など地方へ進出する理由は各企業で様々かと思いますが、「何を求めてサテライト化するのか」を明確にしておくことが大事だと思います。
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