慢性腎臓病(CKD)対策(医療関係者向け)
静岡県での慢性腎臓病(CKD)対策
本県では、令和6年3月に策定した「第9次静岡県保健医療計画」において、新たに「慢性腎臓病(CKD)対策」を位置付けました。
第9次静岡県保健医療計画
対策のポイント
- 関係団体等と連携し、CKDの危険因子となる高血圧症や糖尿病等の治療継続を推進
- CKDの原疾患となる疾患の治療継続のため、腎臓専門医療機関等との連携を推進
- 特定健康診査等に従事する者のスキルアップ
項目 |
現状値 |
目標値 |
目標値の考え方 |
出典 |
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年間の新規透析導入患者のうち、糖尿病性腎症の患者数 |
442人 (2022年) |
391人以下 (2029年) |
「健康日本21(第三次)」の算定方法に準じて算出 |
一般社団法人日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」 |
高血圧の指摘を受けた者のうち、現在治療を受けていない者の割合 |
男性 31.5% 女性 27.3% (2022年) |
男性 25.2%以下 女性 21.8%以下 (2029年) |
2割減少 |
県民健康基礎調査 |
腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準
「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」(一般社団法人腎臓学会)において、腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準が示されました。
紹介基準
以下の3項目のうち、いずれかを満たす場合は、腎臓専門医・専門医療機関への紹介をご検討ください。
- 尿蛋白(+)(又は0.5g/gCr)以上
- 尿蛋白(+/-)かつ血尿(+)
- eGFR<45 (40歳未満又は尿蛋白(+/-)以上の場合、eGFR<60)
eGFRの単位:mL/分/1.73平方メートル
腎臓専門医リスト
最新の腎臓専門医名簿は、一般社団法人腎臓学会のホームページにて御確認ください。
かかりつけ医と腎臓専門医の医療連携
本県の状況
令和6年3月に策定した「第9次静岡県保健医療計画」では以下の事項などに取り組むこととしています。
- CKDについて、積極的に予防啓発に取り組みます。住民の理解を深めることで、生活習慣改善に向けた動機付け支援を行います。
- 原疾患となる疾患の治療を継続するため、地域で診療を担う医療機関と腎臓専門医療機関等との連携が適切に行われるような取組を進めます。
腎臓専門医の先生からのコメント
浜松医科大学内科学第一講座 准教授 安田 日出夫先生
- 慢性腎臓病(CKD)は、成人の約5人に1人の割合で患っていると推計されており、国民病の一つです。
- 尿蛋白が陽性の場合、生活習慣の是正に取り組むことがCKD重症化予防につながります。
- 腎臓専門医と連携強化して対策していきましょう。
静岡県立総合病院腎臓内科 部長 長井 幸二郎先生
- 忙しい日常業務の中で、症状の出にくい慢性腎臓病の患者さんに、疾患の重要性を説明し、受診をお願いするのは、とても大変かと思います。
- しかし、慢性腎臓病を早期に見つけて対応することは患者さんに利益があると同時に、医療経済的にも大きな社会貢献となりますので、専門医療機関への紹介をご検討ください。
順天堂大学医学部附属静岡病院腎臓内科 教授 清水 芳男先生
- 筋トレブームの影響で、筋量増加によるクレアチニン産生の増加から、腎機能が低下しているように見えるケースが増えています。
- 専門医を紹介する際には、eGFRだけでなく尿所見も参考に、CKD診療ガイドラインの紹介基準をご参照ください。
CKDの重症度分類別の該当者数
令和3年度の静岡県内の特定健診受診者における、CKDの重症度分類別の該当者数を集計しました。
CKDの重症度は死亡、末期腎不全、心血管死亡発症のリスクを緑のステージを基準に、黄、オレンジ、赤の順にステージが上昇するほどリスクは上昇します。(CKD診療ガイド2024)
関連情報
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第9次静岡県保健医療計画 概要
慢性腎臓病(CKD)対策は第7章第10節を御参照ください。 - 腎疾患対策(厚生労働省)(外部リンク)
- 静岡県腎不全研究会(外部リンク)
このページに関するお問い合わせ
健康福祉部医療局疾病対策課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
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